過去に何度も情報だけ出て実物がなかなか出なかったAMDの新型APU、RyzenGがついに解禁、発売開始となりました。発売されたのは4コア/8スレッドでGPUが11ユニットのRyzen 5 2400Gと、4コア/4スレッドでGPU8ユニットのRyzen 3 2200Gの2つです。正式名称はもっと長いらしのですが、5や3も省いてRyzen2400GやRyzen2200Gで十分でしょう。このAPUはCPUだけでなくGPUも新世代のVegaと入れ替わっており、ほとんど全面的にこれまで発売されていたBristolRidgeからアーキテクチャが変更されていること、単体CPUのRyzenと同じSocketに装着できるため、マザー側がBIOSを含めて対応していればRyzenのマザーがそのまま使えるため、選択肢がAMDの新型としては最初から豊富なことが特徴として上げられるでしょう。APUとしてでなく、内蔵GPUの優れたCPUとしても登場を望んでいた人も少なくないと思います。IntelのRADEON搭載CPUがどうやらモバイル向けにしか出そうにないため(それを流用したデスクトップ機や統合マザーの登場の可能性は高いですが)、内蔵GPUを生かす小型PCを組みたい、という需要なら今回のRavenRidgeことRyzenGが最適でしょう。
ただし、今回はちとライバルが手ごわい印象です。最初に出たRyzenの予想を超える性能と評価にちとIntelがビビったのか、CoffeeLake世代のCPUを前倒ししてきたうえ、事前の情報では触れられていた様子のなかったCPUコアを物理的に増やす、という手段をとってきているのです。ハイクラスのi7なんかはかなり無理矢理コア数とクロックを挙げたツケが回っているのか発熱量と消費電力がかなりなものになって一長一短になっているようですが、下位のi5とi3は物理コアが増えた分性能がドンと上がっており、消費電力もi7ほどではないようなのでなかなか印象の良いCPUになっているのです。APUは伝統的にCore i5の下位以下のCPUを仮想競合としています。今回も、おそらく総合ベンチではGPUの性能も上がっている分RyzenGが上でしょうが、単純にCPU性能だけで比較すると分が悪そうです。過去の手持ちの機器の比較では、ZenとIntelCPUを比較した場合、同じCPUコア数でクロック数が同等の場合、SMTが有効になっていて互角以上、という印象を持っています。逆を言えばCoreのHTが有効になれば少々分が悪いと思われます。いくらスレッド数で上回っていても物理コアでi5が上回る以上、やはり分が悪いものと思われます。ましてその定義でいうところのCore i5 8400はほとんどRyzen2400Gと同程度の価格で売られてますからね。APUはこれ以上コアを増やすのが難しい(ユニットが4コア1ユニットのため、物理的スペースがない)ため、GPGPUが当たり前に使われるようにならないとAPUがi5に拮抗するのは難しいでしょう。もちろん現状でもGPUの表現力のれっきとした差は存在しますが、ベンチマークなどの数字では出にくいですからね。
一方、相手がi3となるとこれはHT働いてませんから、CPU部分のみでも同等かそれ以上にRyzen2400Gは出せると思います。ましてi3のハイクラス、Core i3 8350KはRyzen2400Gと同程度の価格で売られているようですし、GPU部分を含めれば圧倒的にRyzenG側に分が・・・って、このi3 8350K、なんのために存在してるんですかね。2400Gと同程度の価格ということは、i5 8400とも同程度ということじゃないですか。Kがついているということは最大クロックにロックがかかっていないアンロックモデルなのでしょうが、無理して盛ったくらいで物理コアの数の差が埋まるとは思えません。どう考えても一部のシングルスレッドしか使わない処理以外ではi5 8400の方が上です。なのに価格は同程度・・・。謎です。CoffeeLakeにおいてK付きモデルは無しに比べて価格がかなり高く設定される傾向にあります。i5も8400と比べると割高感はぬぐえません。それだけCoffeeLakeでOCできそうな選別品というのは少なく、プレミアが付くしかない、無理をしているという証拠なのでしょうか・・・。つーか、書いててi5 8400も欲しくなってきた。i3も8350Kという魅惑の型番をしてるんですが(笑)。
さて、発売と同時に商業サイトでもベンチマークが掲載されています。個人的にCPU能力は動画のエンコード以外意味がないので、それだけ拾ってみると・・・。また困ったことになってます。「動画エンコードの条件」を書いてないところがあるのです。
Ryzen 5 2400G/Ryzen 3 2200Gレビュー - APUでも競合を脅かす性能を発揮できるか(マイナビ 4ページ目)
【本日発売】GPU内蔵になったRyzenの性能をベンチマーク(impress)
ZenとVegaが合体した「Ryzen G」は低予算自作における革命だった!(ascii 6ページ目)
デスクトップPC向けRaven Ridgeはゲーマーの選択肢になるか? Ryzen 5 2400G,Ryzen 3 2200G(4Gamer)
マイナビがはっきり条件を書かないいい加減なエンコードしかやらないのはいつものことですからしょうがないですが、はっきりしているのはffmpegの書式を掲載している4Gamerだけ、というのがなんとも・・・。ご存知の通り旧AMDアーキテクチャは特にTMPGのリサイズと相性がよくなく、動画エンコードの際の縮小による時間短縮の度合いがIntel比で非常に悪いため、FXの時にIntelCPUと比較する際には必須条件として商業サイトで使われていました。条件が外れたのはリサイズ無しでもFXよりエンコード速度が速くなったHaswell以降のことになります。実はZenでもそのクセは引きずっており、TMPGでの縮小リサイズはIntel比で苦手なことは確認済です。なのでエンコードの条件を書かないと意味がないのですが・・・。ただ、各サイトとも結果を見る限りi5 8400らとの速度差はそうした小細工の跡が見られない妥当なもので、おそらくリサイズなどはしていないと思われます。が、やはりやってみないとわからないですね。個人的にもRyzenGは待望の品なので使ってみたいのですが・・・。如何せん個人的事情により、今は「お金を使いたくない」衝動に駆られており、ちょっと手が出ない心境です。まして比較用にi5も買うとなると、ちょっとキツイです。先月までならむしろ「パーッとお金を使っていいもの買いたい」衝動があったんですけどね。また昔みたいにテスト用にAMDさん提供してくれないかなぁ・・・ってさすがに図々しいか。あったとしても取りに行く余裕ないし、物理的に無理なんですが。
CPU性能よりもGPU性能重視、という人もいると思います。特に小型ケースに入れてため込んだ動画やDVD/BDをRADEONの再生能力を使って大きなテレビで見たい、そういう用途にもAPUは最適です。おそらくRyzenGでも最新のRADEONと同等の動画再生能力が搭載されており、存分に楽しむことができるでしょう。ですが、それは一世代前のBristolRidgeでもほとんどできてしまうんです。手持ちのモバイルノートで試した限りですが、従来のKaveriではできなかったFluidMotionのフル仕様、H.265の4K映像のGPUデコードでの再生、そうした機能はしっかり使えたんです。まず間違いなくデスクトップ版BristolRidgeでも使えるでしょう。もう多くの人が動画再生で求める機能はほぼ完成の域に達しており、必ずしも新世代である必要はないのです。4Kなどの対応ならば新型に分があるかもしれませんが、これは現時点ではマザーボードの出力の方が対応していない場合が多いため、十分使えません。ちょっと期待していたUHD BD(4K BD)に関しても全く触れられないということはおそらく使えないのでしょう。使えるIntelのKabyLakeにしたところであまりに条件が厳しく、それをすべて満たしたとしても平気ではじかれる場合もあるらしく、労に見合う結果は得られそうにないですからいいんですけどね。
そのBristolRidge、上位のA12-9800EはRyzen2200Gと同じくらいの価格なのでいくら大差ないといっても魅力はないのですが、下位のA10-9700Eなら1万円切ってます。CPU能力はノートパソコン並みでしかないでしょうから期待できませんが、代わりにTDPは35WとRyzenGのcTDPを使ったよりも低く、さらにクロックのブーストなどを全部切ってしまえば小型ケースでも使えるAPUになります。リビングで使うプレイヤー代わりのパソコン用、と割り切ればコストパフォーマンスは良好ではないでしょうか。かくいうわたしもちょっと迷ってます。
このように、CPUだけを見ればIntelのCore i5が、GPUだけを見ればA10-9700Eという別の選択肢が存在してしまい、RyzenGの立場はやや狭いものになってしまいます。全部を一定の水準以上で満たしたいのならワンパッケージのRyzenGは魅力ですが、中途半端さも感じます。まだ新アーキテクチャの一世代目ですから仕方ないですけどね。だからこそ使ってみたいな、とは思うのです。
ただし、今回はちとライバルが手ごわい印象です。最初に出たRyzenの予想を超える性能と評価にちとIntelがビビったのか、CoffeeLake世代のCPUを前倒ししてきたうえ、事前の情報では触れられていた様子のなかったCPUコアを物理的に増やす、という手段をとってきているのです。ハイクラスのi7なんかはかなり無理矢理コア数とクロックを挙げたツケが回っているのか発熱量と消費電力がかなりなものになって一長一短になっているようですが、下位のi5とi3は物理コアが増えた分性能がドンと上がっており、消費電力もi7ほどではないようなのでなかなか印象の良いCPUになっているのです。APUは伝統的にCore i5の下位以下のCPUを仮想競合としています。今回も、おそらく総合ベンチではGPUの性能も上がっている分RyzenGが上でしょうが、単純にCPU性能だけで比較すると分が悪そうです。過去の手持ちの機器の比較では、ZenとIntelCPUを比較した場合、同じCPUコア数でクロック数が同等の場合、SMTが有効になっていて互角以上、という印象を持っています。逆を言えばCoreのHTが有効になれば少々分が悪いと思われます。いくらスレッド数で上回っていても物理コアでi5が上回る以上、やはり分が悪いものと思われます。ましてその定義でいうところのCore i5 8400はほとんどRyzen2400Gと同程度の価格で売られてますからね。APUはこれ以上コアを増やすのが難しい(ユニットが4コア1ユニットのため、物理的スペースがない)ため、GPGPUが当たり前に使われるようにならないとAPUがi5に拮抗するのは難しいでしょう。もちろん現状でもGPUの表現力のれっきとした差は存在しますが、ベンチマークなどの数字では出にくいですからね。
一方、相手がi3となるとこれはHT働いてませんから、CPU部分のみでも同等かそれ以上にRyzen2400Gは出せると思います。ましてi3のハイクラス、Core i3 8350KはRyzen2400Gと同程度の価格で売られているようですし、GPU部分を含めれば圧倒的にRyzenG側に分が・・・って、このi3 8350K、なんのために存在してるんですかね。2400Gと同程度の価格ということは、i5 8400とも同程度ということじゃないですか。Kがついているということは最大クロックにロックがかかっていないアンロックモデルなのでしょうが、無理して盛ったくらいで物理コアの数の差が埋まるとは思えません。どう考えても一部のシングルスレッドしか使わない処理以外ではi5 8400の方が上です。なのに価格は同程度・・・。謎です。CoffeeLakeにおいてK付きモデルは無しに比べて価格がかなり高く設定される傾向にあります。i5も8400と比べると割高感はぬぐえません。それだけCoffeeLakeでOCできそうな選別品というのは少なく、プレミアが付くしかない、無理をしているという証拠なのでしょうか・・・。つーか、書いててi5 8400も欲しくなってきた。i3も8350Kという魅惑の型番をしてるんですが(笑)。
さて、発売と同時に商業サイトでもベンチマークが掲載されています。個人的にCPU能力は動画のエンコード以外意味がないので、それだけ拾ってみると・・・。また困ったことになってます。「動画エンコードの条件」を書いてないところがあるのです。
Ryzen 5 2400G/Ryzen 3 2200Gレビュー - APUでも競合を脅かす性能を発揮できるか(マイナビ 4ページ目)
【本日発売】GPU内蔵になったRyzenの性能をベンチマーク(impress)
ZenとVegaが合体した「Ryzen G」は低予算自作における革命だった!(ascii 6ページ目)
デスクトップPC向けRaven Ridgeはゲーマーの選択肢になるか? Ryzen 5 2400G,Ryzen 3 2200G(4Gamer)
マイナビがはっきり条件を書かないいい加減なエンコードしかやらないのはいつものことですからしょうがないですが、はっきりしているのはffmpegの書式を掲載している4Gamerだけ、というのがなんとも・・・。ご存知の通り旧AMDアーキテクチャは特にTMPGのリサイズと相性がよくなく、動画エンコードの際の縮小による時間短縮の度合いがIntel比で非常に悪いため、FXの時にIntelCPUと比較する際には必須条件として商業サイトで使われていました。条件が外れたのはリサイズ無しでもFXよりエンコード速度が速くなったHaswell以降のことになります。実はZenでもそのクセは引きずっており、TMPGでの縮小リサイズはIntel比で苦手なことは確認済です。なのでエンコードの条件を書かないと意味がないのですが・・・。ただ、各サイトとも結果を見る限りi5 8400らとの速度差はそうした小細工の跡が見られない妥当なもので、おそらくリサイズなどはしていないと思われます。が、やはりやってみないとわからないですね。個人的にもRyzenGは待望の品なので使ってみたいのですが・・・。如何せん個人的事情により、今は「お金を使いたくない」衝動に駆られており、ちょっと手が出ない心境です。まして比較用にi5も買うとなると、ちょっとキツイです。先月までならむしろ「パーッとお金を使っていいもの買いたい」衝動があったんですけどね。また昔みたいにテスト用にAMDさん提供してくれないかなぁ・・・ってさすがに図々しいか。あったとしても取りに行く余裕ないし、物理的に無理なんですが。
CPU性能よりもGPU性能重視、という人もいると思います。特に小型ケースに入れてため込んだ動画やDVD/BDをRADEONの再生能力を使って大きなテレビで見たい、そういう用途にもAPUは最適です。おそらくRyzenGでも最新のRADEONと同等の動画再生能力が搭載されており、存分に楽しむことができるでしょう。ですが、それは一世代前のBristolRidgeでもほとんどできてしまうんです。手持ちのモバイルノートで試した限りですが、従来のKaveriではできなかったFluidMotionのフル仕様、H.265の4K映像のGPUデコードでの再生、そうした機能はしっかり使えたんです。まず間違いなくデスクトップ版BristolRidgeでも使えるでしょう。もう多くの人が動画再生で求める機能はほぼ完成の域に達しており、必ずしも新世代である必要はないのです。4Kなどの対応ならば新型に分があるかもしれませんが、これは現時点ではマザーボードの出力の方が対応していない場合が多いため、十分使えません。ちょっと期待していたUHD BD(4K BD)に関しても全く触れられないということはおそらく使えないのでしょう。使えるIntelのKabyLakeにしたところであまりに条件が厳しく、それをすべて満たしたとしても平気ではじかれる場合もあるらしく、労に見合う結果は得られそうにないですからいいんですけどね。
そのBristolRidge、上位のA12-9800EはRyzen2200Gと同じくらいの価格なのでいくら大差ないといっても魅力はないのですが、下位のA10-9700Eなら1万円切ってます。CPU能力はノートパソコン並みでしかないでしょうから期待できませんが、代わりにTDPは35WとRyzenGのcTDPを使ったよりも低く、さらにクロックのブーストなどを全部切ってしまえば小型ケースでも使えるAPUになります。リビングで使うプレイヤー代わりのパソコン用、と割り切ればコストパフォーマンスは良好ではないでしょうか。かくいうわたしもちょっと迷ってます。
このように、CPUだけを見ればIntelのCore i5が、GPUだけを見ればA10-9700Eという別の選択肢が存在してしまい、RyzenGの立場はやや狭いものになってしまいます。全部を一定の水準以上で満たしたいのならワンパッケージのRyzenGは魅力ですが、中途半端さも感じます。まだ新アーキテクチャの一世代目ですから仕方ないですけどね。だからこそ使ってみたいな、とは思うのです。
Kaveriの代からそうなんですけど、BlueskyFRC使わないとAPUではFluidMotionのチェック項目でないんですよね。そこらへんが単品RADEONとの差別化なのかな、と。
使えました。ごめんなさい。
Radeon設定の最初の段階では見えませんでした。
BlueskyFRCから一度「AFMサポートを初期化する」を実行して再起動すると、
Radeon設定に表示されます。
お騒がしました。
Fluid Motionが使えません。
自分のBristol Ridge株が急上昇中
AMDが狙うのはGPUをプロセッサとして使うAPUですから、両者のバランスを考えるとこういう構成になるのでしょう。今のところ、GPUは結局PCI-Express経由を前提として作られたソフトばかりなのでAPUよりもGPU内蔵CPUの需要の方が多いのでしょうけど。
今は完全にチップセットへのGPU内蔵は消えましたね。サーバー用に最低限のGPUをオンボードしたものがあるくらい?
メモリはなんだかんだ安いのでも結構いけますよ。
私は動画のエンコードがメインでGPU性能は全然気にしないです。
グラフィックボードを別途購入せずにRyzenを使いたいです。Phenomの頃はマザーボードにグラフィックついてた気がするんですけど今はどうなったんですかね。
まあメモリの値段が安価であれば購入を検討していたかもしれません。
おお、VP9も対応ですか。Windows向けはやっつけっぽいドライバなので、後回しになるのかな。ただ、動画溜めこみ向けではないですね。
https://www.x.org/wiki/RadeonFeature/#note_7
にてVCN1.0 のRAVEN の項目でVP9のHWデコードが追加されています
VEGA10まではハイブリットデコードだったらしいので初の対応となるようです