最近PX-TV432Pにおいて"地味なテクでもネタになる"が分かってから地味なネタを
チョボチョボアップしている。そういうわけで大分ネタ記事がバラけたので、久々
にまとめをやる。ただ、毎度毎度同じものを書いて増やすだけ、では能が無いし、
手抜きだし、なにより書いててつまんない。
と、言うわけでテクごとに「いったい何を考えてこんなことをやろうと思ったのか」
という当時の心境をヨタ話として残してもおく。その分長くなるので(本末転倒)、
3回ほどに分けることにした。
PX-TV432PをEX-VISION 1500TV/1700TV PCIのInfo.TV Plusで使う。
一度PX-TV432Pを別のパソコンに差して、インストールしたアプリケーション
のフォルダ、infotvー>HWSET.INI、infotvー>helperー>TV432P.reg、
capset_TV432P.xmlの3つのファイルをコピーしておく、helper内の2つの
ファイルはELSA版のInfo.TV Plusのhelperフォルダ内にそのままコピー、
HWSET.INIはPlextor側、ELSA側の両方をメモ帳で開き、PLEXTOR側を全て選択ー>
コピーした後、ELSA側の最下段に、念のため1行あけてペーストー>保存。
後はチューナー設定を行うことで2枚とも認識される。ただし、
EX-VISION1700TV PCI側では外部入力時に、PX-TV432Pをコンパネで無効に
していないと録れないため、実質チューナーだけ、と思ったほうがいい。
ヨタ話:そもそもEX-VISION1700TV PCIを購入した最大の動機がPX-TV432Pとの複数
挿しがやりたかったからなので、この処理は、ELSA版で一番最初に試した。
ただ挿して試しに一度だけ起動して、そのままではPX-TV432Pが認識されな
いことだけ確認して、すぐにやった。PLEXTOR版Info.TV Plusのファイルは
全部保存してあった(今でもある)ので、実に簡単だった。ただ、その後こ
んなに1700TVに2枚挿しプロテクトに悩まされるとは思っても見なかった。
・HWDivXをいわゆる"VBR化"させる方法
厳密に言えばPX-TV432Pの採用しているエンコードチップ、GO7007SBは常時VBR
なのだが、この技は一応"VBR化"としておく。
regedit.exeを起動し、PrefConfig->PX-TV432P Analog Capture->HWDivX->
Controlsの後、右欄でDWARD->「VBR」を作成ー>数値「1」 後はinfotv.
plusの設定で「ファイルタイプ」とかかれた辺りに作られた四角にチェック
をいれれば、ビットレート下に出来た四角の中に、最大ビットレートを指定で
きる。なお、DivXのビットレートは平均5Mbpsで頭打ちするため、上げ過ぎても
効果はない。
検証:"VBR化"は本当に効果があるのか?
先も書いたとおり、GO7007SBは常時VBR状態で録画するチップである。ならば、
"VBR化"したところで効果はほとんどないのではないか? そう思う方もいる
だろう。そこで、実際に検証してみた。2台のPX-TV432Pでスカパーチューナー
から外部入力で全く同じ番組を(厳密に言うと開始・終了とも同時間での録画は
出来ない仕様なので、1秒ずれている)同時に録画し、片方はVBR化・2500・最大
6000とし、もう片方はVBR化のチェックをはずし、最大値・平均値とも2500にし
た(こっちを便宜上"CBR"と呼ぶことにする)。これで30分間録画したものを、
別途「DivX DRF Analyzer」というソフトでチェックした。若干古いソフトだが、
他にDivXを計測するソフトが見当たらなかった。
レポート:VBR ファイルサイズ 443,621,060バイト
Kilobits per Second: 1793.09
Kilobits per Frame: 59.81
Kilobits per Macroblock: 0.050
Bits per Pixel: 0.20
Frame Type Statistics :
I Frames: 3.33%
P Frames: 96.67%
B Frames: 0.00%
S Frames: 0.00%
N Frames: 0.00%
(More Advanced Codecs use B and S frames)
Frame Quality Statistics :
DRF=1&2: 41281 79.3%
DRF=3: 4445 8.5%
DRF=4: 1992 3.8%
DRF=5: 1189 2.3%
DRF=6: 1157 2.2%
DRF=7: 901 1.7%
DRF=8: 614 1.2%
DRF=9: 291 0.6%
DRF>9: 170 0.3%
KeyF/DeltaF: 3.45%
KeyDRF<4: 1593
KeyDRF>4: 147
レポート:CBR ファイルサイズ 393,375,454バイト
Kilobits per Second: 1574.50
Kilobits per Frame: 52.52
Kilobits per Macroblock: 0.044
Bits per Pixel: 0.18
Frame Type Statistics :
I Frames: 3.33%
P Frames: 96.67%
B Frames: 0.00%
S Frames: 0.00%
N Frames: 0.00%
(More Advanced Codecs use B and S frames)
Frame Quality Statistics :
DRF=1&2: 32369 62.2%
DRF=3: 9613 18.5%
DRF=4: 3041 5.8%
DRF=5: 1882 3.6%
DRF=6: 1258 2.4%
DRF=7: 1142 2.2%
DRF=8: 977 1.9%
DRF=9: 679 1.3%
DRF>9: 1089 2.1%
KeyF/DeltaF: 3.45%
KeyDRF<4: 1473
KeyDRF>4: 225
まず目に付くのがVBRファイルがCBRよりサイズが大きいこと。これがVBR化の効果
である。CBRは原則として「ビットレートが下にはいけるけど上には行きづらい」よう
になっている。平均ビットレートが低いのがその証拠だ。また、DRFという値がある
が、これはDivXのフレームごとに設置され、この値が低いほど元絵の再現率が高い
のがDivXだ。CBRがVBRに比べDRF値の大きなフレームの数が多いことがわかる。
つまり、無理をした圧縮を行っているのだ。
次はグラフを見てみよう。上がVBR、下がCBRだ。
どちらも一部だが、特徴的な部分を引っ張り出してみた。それぞれの上の方のグラフ
がDRF、下がビットレートだ。VBRはほとんどが無理の無い圧縮をしている緑だが、
CBRはVBRと比べると黄色の割合が大きい。ビットレートを見ると青(低ビットレート)
は大差ないが、オレンジ(高ビットレート)はVBRの方がビットレートが高い。もちろ
ん、その分サイズも大きくなるため、CBRでも単に平均値を大きくするだけでも効果
はある。が、少なくとも上限はVBR化した方が余裕がある。
同じファイルサイズなら平均値を大きくしたCBRより、VBRの方が安定した圧縮を期
待出来るというものだ。
ヨタ話:この技のヒントはズバリ、何度も書いている「GO7007SBは常時VBR」という
PLEXTORからの回答。買った当初、画質に納得いかず、何度かPLEXTORに
メールを送って解決方法を教えてくれ、嘆願したことがあり、その中にあっ
たものだ。特にビットレートの割りにファイルサイズが大きくならないの
が納得いかず、いろいろ見ていたところ、画質設定の項目にPeakbpsという
値があったのを発見し、ここをあげてみたらファイルサイズも大きく(と、
いうよりビットレート値通り)になった反面、それ以上に画質が向上した。
当初はregeditから直接書き換えていたが、MPEG2のマネをして設定を変えて
みたところ、Info.TV Plusからでも変えることが出来るようになった。
効果はすでに立証済みなのに、未だにデフォルトで有効になっていないの
が不思議で仕方が無い。
以下、後日。