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スナップオンがお勧めしている診断機器類のMTG3000とMTG1000。

今回のログではMTG1000の弱点について書いてみたいと思います。

ん?弱点?  利点じゃなくて?

と思った方もいるでしょう。そうです、弱点を書きます。利点ばかり書くとさも非の打ち所の無い機械だと思われますのでフェアじゃないでしょ?

MTG1000が発表されて約1年半が過ぎましたが、お陰様で当エリアでも40数台ほどですが販売させて頂きました。

概ね評判は良好ですが、どうしても100%満足というわけにはいきません。

こうだったら良かったのに!とかこれが出来ない!とかいう御意見も頂戴するわけです。

一番多いのが

データモニタが出来ない!

そして次にアクティブテストが出来ない!

というものです。

全くデータモニタが出来ないわけではないのですが(一応CAN通信の車はMTG3000ほどではないですがモニタリング出来ます)、出来ない車種も多いのでこれ結構言われちゃいます。

そういう場合はMTG3000を!ということになるわけですが,MTG3000は約50万円、MTG1000は約15万円とおよそ3倍しますから、我々としても簡単に買い換えましょうとは言い難いです(商売としては言わなきゃ駄目ですが)。

あとアクティブテストですね。広い意味でMTG1000でも出来るプリウスなどのブレーキエア抜きなどもアクティブテストですが、MTG3000同等に出来るわけではないので誤解を招かないためにも出来ないと言っております。

当たり前ですが、トラブルコード(DTC)を読み出してもその後実際にどこが駄目なのかをさらに絞り込まなければいけないのでデータモニタやアクティブテストが必要になりますね。

この故障診断に必要な2大機能がMTG1000には大袈裟に言えばありません。

じゃあMTG1000って故障診断機じゃないじゃないかあ!

と言われてしまえば、そういう意味ではその通りです。

だからMTG3000もスナップオンでは紹介しています。

じゃあMTG1000って何だ!?

と聞かれれば僕はこう答えています。

「マルチ作業サポーターです。」

MTG1000の開発コンセプトは純正診断機と同等の作業サポートを搭載したコードリーダーなのです。

むしろコードリーダー機能は今日日付けないと売れないのでおまけで点けてるくらいのホントは作業サポートがメインの機械なのです。

MTG1000が発表される前のまだMTG3000を紹介していた頃の話ですが、良くデモ機を御購入の御検討頂いてるお客様に貸し出ししたりしましたが、「チェックランプの点いた車が入庫しないんだよねえ」とせっかくのデモ機を使わずじまいで回収したことが良くありました。

たまたま入庫しなかったといえばそれまでですが、言い換えればたまにしか入庫しない対象車のために、高額な診断機を導入するのには抵抗がある整備工場さんも少なくないはずです。

それよりも日々の整備や作業、点検で発生する純正診断機を繋がないと次の作業に進めないようなECUの初期化などの作業サポート機能のほうが需要が多く使用頻度が高いことが分かりました。

そこで開発されたのがMTG1000なのです。

メーカー純正機と同等の作業サポート機能。

これこそがMTG1000の真骨頂。

15万円という価格でどこまでの機能が盛り込めるのか。

当然メーカーとして利益を出さないといけませんから、ハードケースから液晶モニタなのどハード部分にソフトをどこまで盛り込むかを吟味します。

結果、データモニタやアクティブテストを捨て、OBD2前の車も対象車種から外し(現在オプションケーブルで日産車には対応)、国産8社に24Vメーカー4社とベンツ、BMW、VW、アウディ、ミニなどの欧州車を加えた国内に登録された現在メインの車を対象に作業サポートとコードリーダーの機能を搭載させました。

価格を考えればこの対応車種の幅広さと作業サポート機能の充実ぶり(内容は担当加盟店に問い合わせてね)はコストパフォーマンス抜群だと思っています。

ただ、MTG1000もメーカー純正機ではありませんので、本当は繋がらなきゃいけないはずなのに何故か繋がらないときがあります。

同じメーカーなのにこの車種は繋がってあの車種は繋がらない。

プログラムのことは僕は素人なので理由は分かりませんが何故か現象としてあります。

そういうときはお叱りを受けることも事実としてあります。

完全に通信方法が新しいからなのか、単純にリプログラミングで治るのか、ケースバイケースですが繋がらないものは繋がらないです。

せっかく買ったのに繋がらない。

最悪なのはようやく決心して買ったのに最初に繋いだ車が不幸にも繋がらない!

お互いに最悪のケースです(苦笑)。

こういうとき診断機メーカーが言う言い訳は

「いずれアップデートします!」

です。

じゃあ、いつするの?

MTG1000を購入してくれたお客様、または御検討頂いてるお客様に良いことをお教えします。

MTG1000はデータを相互通信することが出来ます。

どういうことかというと、通常アップデートされたデータを受信するために機械をネットに繋ぎますね。

そうして新しいデータを受け取るのですが、MTG1000はこのとき直近に繋いだ車両データをプログラムデータとしてプログラマーの手元にも送ることが出来ます。

そうすることでリプログラミングが圧倒的に早くなります。

どうして世の中の診断機系の機械のアップデートが遅いのか。

それは診断機メーカーが世の中の全ての車を手元に準備出来ないからなのです。

準備出来ないから準備出来たらアップデートするね。

イコールいずれアップデートしますということです。

じゃあいつアップデートするのかといえば、それは当たり前ですが予算次第なのです。

その点MTG1000は相互通信ですから(実車の準備が要りませんので)リプログラミングが早いです。

もちろん全く新しい車は別ですけど。

だけどアップデートが早いことだけは御理解いただけると思います。

実際に去年1年で300回ほどアップデートしています。

なんと300回です。

とにかく弱点を克服すべく日々頑張っています。

診断機やコードリーダーといった種の機械はメーカーとして言いたいことの10分の1もお客様に伝えられていません。

僕が気付いていない弱点がまだあるかもしれませんし利点を伝えきれてないかもしれません。

また何かあればログで紹介したいと思います。




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