独り

足下に注意を払いつつ、混み合った電車を２本見送ったら座ることができた。
座るために待っていたわけではなく、ただ混雑した電車に乗って不快な思いをしたくなかったからだが、泥酔でもしていない限りは座れた方がいい。

途中のターミナル駅でどっと人が降りて、車内が少しひんやりとした。もう一つのターミナル駅に着き、誰もいなくなってしまったら…と、ふと思う。実はその駅止まりだったりすることもあるが、それはそれで困る。

一人、ひとり、独り… 最近仲間と一緒の時間が多く、忘れそうになっていたが、やはり僕は独りなのだ。久しぶりにそのことを実感しにふらっと出かけるのもいい。

見いだす

桜の前に梅が花を咲かせている。梅の名所はいくつかあるが、わざわざ出かけたのは、もう20年以上前に百草園というところに行ったきりだったかと思う。なぜ行く気になったのかは思い出せないが、坂道をてくてく歩いたのと、その道の一部はなんとなく覚えている。

ところで、梅を美しく見せるのは難しいと思う。いや、美しいのだが華やかさに欠けると言ったら言い過ぎかもしれないが、そんな感じに思える。それを感じることができるかどうかは、その時の自分の心のありようにかかっているのかもしれない。

さて、躊躇していた来月のイベントへの参加を決めた僕のテーマは、次の世代に繋ぐことだ。それは、前回も思い、実現できなかった。再挑戦の機会を与えてくれたのだと感謝しようと思うとともに、参加する仲間の思いを汲み取り、また自分の思いをどう伝えるかを考え始めている。それは、梅の花の美しさを味わうよりも遥かに難しいが、その分やりがいもある。

で、その前にゆっくり梅の花を愛でに行こうか。