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手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

手話通訳者は、ろう者から何かをもらってはいけない。

2015-04-19 00:23:43 | 手話
当然のことである。
しかし、あまり四角四面に考えるのは、どうか・・・

夏の暑い日、研修会の通訳に行った。ペアを組んだ手話通訳者はBさん。
休憩時間に席を立った申請者さん、500mlペットボトルのお茶3本を持って戻ってきた。
「今日はありがとうございます。どうぞ、飲んでください」

手話通訳者Bは、
「手話通訳者は、通訳現場で何かをもらうことは禁じられています。受け取れません。今後、このようなことをしないようにしてください」

むかついた。
Bの言っていることは正しい。しかし、言い方というものがあるだろう。

俺は、ありがたく、いただきます。

Bは露骨に嫌な顔をして出て行った。
申請者さんが心配して、
「すみません、嫌な思いをさせてしまって・・・」

申請者さんは何も悪くない。
悪いのはBである。正しいことを主張すること自体はよい。しかし、相手の立場に立って考えて行動することが必要である。
もし、手話通訳者が二人ともBの考え通り対応したら、申請者さんは500mlペットボトル2本、合計1キロの荷物を持って暑い中を帰ることになる。
重いのは荷物だけではない。心はもっと重い。

Bが言い方に細心の注意を払っていれば、少なくとも申請者さんに嫌な思いはさせなかったはずや。
「申請者さんに何かをもらう」ことがいけないなら、お茶の代金150円を払う、という方法もある。
Bのように、自分が正しいことだけを主張して、他人への配慮をしない人間は嫌いだし、手話通訳者としても半人前だと思う。