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パリ五輪のマスコット「フリージュ」は欧州の歴史そのもの

2024-08-04 00:00:00 | 報道/ニュース
歴史はロマンを掻き立て、先人達の偉業や習慣などを知る意欲にもなります。


筆者の住む東北地方でも、そのような遺跡等は沢山あります。


貴方や貴女のお住まいの地域でも、きっと何かあるはずです。


そのような中、パリ五輪のマスコット「フリージュ」は、相当奥深い欧州の歴史を背負っているようです。




7月27日にナショナルジオグラフィック日本版が「パリ五輪のマスコットになった古代の帽子「フリジア帽」って何? 名前の由来は3000年前のフリギア、「自由の象徴」になったのは誤解?」の題で、実に謎めいた歴史を次のように解説しました。


『(前略)


パリオリンピックとパラリンピックのマスコットキャラクター「フリージュ」は、18世紀にフランスの革命家たちがかぶっていたフリジア帽と呼ばれる帽子がモデルになっている。とんがり帽子の先端が前方に傾いたような形が特徴的で、当時は自由の象徴とみなされていた。19世紀の画家ウジェーヌ・ドラクロワは、「民衆を導く自由の女神」という作品のなかで、フリジア帽をかぶり、フランス国旗を掲げて先頭に立つ女性を描いている。


(中略)


今やオリンピックとパラリンピックのマスコットにまでなったフリジア帽だが、起源は数千年前にさかのぼる。そして、トロイア戦争から、ミダス王の神話、米国独立戦争まで、様々な歴史の場面で姿を見せてきた。


フリギアの物語
 フリジア帽の名前の由来となったのは、現代のトルコ中央部にあった古代王国フリギアだ。紀元前1200年ごろにバルカン半島からやってきたフリギア人は、ゴルディオンという場所に首都を築いたと考えられている。





(中略)


2013年からゴルディオン遺跡の発掘を率いている米ペンシルベニア大学の考古学者ブライアン・ローズ氏は、ミダス王の「黄金の手」の神話について、フリギアの貴族たちが着ていた衣服に由来するのではないかと考えている。それらの衣服は、金の輝きを与える特別な顔料を使って染められていた。


 ゴルディオン遺跡からは、黄金の器や宝飾品、見事な木製の家具など、目を見張るような遺物が大量に見つかっており、フリギアが強大で豊かな国だったことを物語っている。


(中略)


発見された遺物のなかに、フリジア帽をかぶった紀元前9世紀前半のものとされる騎兵の像があった。ローズ氏によれば「視覚的なフリジア帽の描写としては最古のもの」だという。




よそ者の象徴
 古代ギリシャ人は、ホメロスの叙事詩『イリアス』に登場するトロイア人をフリギア人に関連付けていたと、ローズ氏は指摘する。『イリアス』にも、トロイアの女王ヘカベがフリギア(プリュギア)王の娘だったと書かれている。


 神話のなかのトロイアは、フリギアの中心地からは遠く離れたアナトリア半島の沿岸にあった。それでも、古代ギリシャ人がこれをフリギアと結びつけたということは、フリギアにそれだけの力があったことの表れかもしれない。


『イリアス』の中心的な登場人物の一人に、パリスという名のトロイアの王子がいる。その王子が女神たちから最も美しい者は誰かと迫られ、やがてトロイア戦争へと発展する。「パリスの審判」と呼ばれるこの場面は、古代ギリシャの芸術家の間で人気の題材だった。


(中略)


ところが、ローマ帝国の滅亡後、フリジア帽の象徴性はあいまいになった。


 フリジア帽とは別に、ローマの芸術にはピレウスという円錐形の帽子がよく描かれている。ローマの奴隷が解放されたときに与えられていたものだが、これがやがて自由を象徴する帽子となった。


 ローズ氏は、古代のピレウス帽とフリジア帽が18世紀ごろに混同されたのではないかと考えている。当時、ヨーロッパの革命を題材にしていた芸術家たちは、古代ローマ美術の中に自由の象徴になるものがないか探していた。


「そのときに、ピレウス帽ではなく、中東の出であることを示すフリジア帽を誤って選択してしまいました。その結果、フリジア帽が自由の象徴と解釈されるようになったのです」


(中略)


フランス革命の間、そしてその後何年にもわたって、フリジア帽は絵画やイラストに描かれた。また、フランス共和国の擬人化であり、同国で今なお多くの市庁舎に置かれている「マリアンヌ像」も、フリジア帽をかぶっている。』


うーむ、フリジア帽そのものに、古代ギリシャ以来のこのような深い歴史があろうとは。
フランス革命にですらその象徴として使われるとは、凄いものですよ。
まるで、我が日本の歴史や日本語のルーツを探るような深いものですね!!




パリ五輪のマスコット「フリージュ」は欧州の歴史そのもの






フランス革命の象徴とも言える絵画「民衆を導く自由の女神」
ウジェーヌ・ドラクロワ画


出典:ウィキペディア






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