窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

太陽柱・sun pillar

2020-02-20 10:52:06 | 根室の風景

サンピラー。とうとう見ることができました。屈斜路湖の外輪山・藻琴山に

登る途中、突然谷間の一部が白く輝きだしました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★ 太陽柱・sun pillar ★

朝7時30分ごろ、気温-19度、風がほとんどありません。屈斜路湖側に落ち

込む谷筋から空気中に舞い上がってくる氷の結晶・ダイアモンドダストが尾根筋

に向かいキラキラしていました。

太陽が硫黄山の方から登ってきます。雲の切れ間から顔を見せ、下の方から山筋

照らし出しました。光が空気を温め、上昇気流ができています。

それに乗って氷の結晶がふわふわ尾根の方に漂ってきているところです。そこに

光りが当たり、結晶がダイアモンドダストになり輝いてきました。

脚を止めて見ていると谷間に真っ白な柱が上に向かい現れました。大きな柱です。

上に向かい真っ直ぐに伸びています。憧れていた太陽柱です。

「sun pillar」

これまで写真でしか見たことがなかった光の柱です。イメージは谷筋にできる

細い光りの柱です。それが太くて、周りの山筋を超えています。

消えるかなとあわててカメラを連写し、絞りやシャッター速度を調整して見て

いても消えません。かえって太くなり、目立ちだしました。

スノーモンスターができていないか探しに来ましたが、尾根筋には今季はがっ

ちりと雪が張り付いたモンスターは見られませんでした。

ダルマのような形の雪の張りぼてはさっぱり。眼下に全面凍った屈斜路湖。

遠くに硫黄山から出る煙がくっきりしていました。

太陽柱はしばらく愉しめました。


氷下待ち網の漁師は期待されています。

2020-02-18 15:40:19 | ワシのいる風景

北極方面から強力な寒気が降りてきたせいで、風蓮湖の氷がさらに厚さを増し

ました。割れ目から這い上がってきた水はがっちり凍り、とても歩きやすく

なりました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      ★ 氷下待ち網の漁師は期待されています。 ★

漁師夫婦がスノーモービルに乗り、仕掛けた待ち網を点検にやってきます。すで

朝からやってきて待ち受けているワシたち。氷の上に点在して、視線を送って

います。

今日はどれだけのおこぼれが出てくるのか、ご夫婦の作業を見守っています。

今日は日曜日で、網揚げに来る漁師の数が疎らです。それ故にワシたちの注目度

高いのです。

手馴れた作業で氷を切断し、ロープを引き、網を手繰り上げます。袋状になり魚

入った網が上がってきます。持ってきたカゴに魚を回収します。

ワシたちは魚の量をしっかり見ています。野次馬のように集まり、距離をおいて

ています。

作業中は近寄る様子はありません。真剣にじっと見つめています。再び、網を

ロープで引き、もとに戻します。夫婦2人で声をかけながら、作業はすぐに終

わります。

カゴに戻り、雑魚を外へ投げます。カジカやカワガレイ、ギンポなどの褐色肌

の魚。氷の上に山になって行きます。ワシたちにとり当たりが良くなります。

期待度満載。夫婦は淡々とかたずけ、奥さんは後ろ向きに乗り、スノーモービ

ルは次の網へ。その後の争いは知ったことではありません。


海辺のマガモ・厳寒期を過ごす

2020-02-17 19:26:59 | カモ類

野付湾ではマガモが厳寒の冬を過ごすことは、今や普通です。春別川の河口で

生活するマガモは50羽以上います。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ 海辺のマガモ・厳寒期を過ごす ★

増えてきたのは20年前ほどからでしょうか。内陸の小さな河川にたくさん生

えていたバイカモをマガモが食べ出したのがきっかけのように思えます。

30年前は寒さが厳しく、内陸の川は氷が張っていました。それが次第に凍る

ことが少なくなり、厳寒期にマガモがバイカモを食べに来るようになりました。

西別川の源流にはたくさんのバイカモが生息していましたが、春になると藻が

ほとんど食べられ、釣りをやっている人たちがビビりました。そこはオショロ

コマやヤマメがたくさん生息していたのです。

誰がこんなに食べつくしたのか、新聞記事にもなったほどです。当時はオオハ

クチョウがやってきて食べつくしたと書かれていました。でも、考えてみると

オオハクチョウは周辺に木々がたくさん生えている渓流には絶対にやってきま

せん。

危険が発生した時に滑走して飛び立てないからです。疑問に思って調べてみると

なんと夜にやってくるマガモだったのです。

そのころからマガモが目だって越冬するようになりました。しかし食べつく

されたバイカモはなかなか回復しません。小さな河川ではほとんど絶滅して

しまいました。マガモが選んだのが海岸に注ぎ込む河口でした。根室海峡に

注ぐ春別川の河口部は毎年運ばれてきた砂が堆積し、砂嘴の砂浜が陸に平行に

伸びてきています。

そこには海流が運んでくるアマモがたくさん集まります。マガモはアマモを

食べ、生活を始めました。オナガガモやヒドリガモもいましたが、次第に減り、

今ではマガモだけになりました。

早朝、どこかで食事をしてきたマガモの群れが河口に戻ってくる光景が見ら

れます。

 


ケアラシの世界

2020-02-15 19:38:19 | 根室の風景

道内での最低気温が-36℃を記録した朝、根室海峡では気嵐が発生しました。

中標津の朝4時の気温、-21℃。北西の風が強く、陸から海に向かう風です。

おそらくけあらしが発生すると確信。出かけました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ ケアラシの世界 ★

道路は地吹雪で時々前が白くなり、ホワイトアウト状態になります。斜里岳を

超えてきた風が雪を運んできているようです。天気予報は晴れ、雪が降るとは

言ってませんでした。

海沿いに出れば気象も変わるはずです。30キロも離れていれば、雪雲も消える

はずです。

目指すは床丹の海岸。海岸段丘と湿地が続く、見晴らしの良い海岸線です。日

の出前に到着すると気嵐の気配はありませんでした。 

「けあらし」は気象用語ではありません。厳寒期に内陸から極寒の空気が海に

流れだし海水からの蒸気が冷やされ霧状になって輝く現象です。道北の留萌地方

で発生していた冬霧のことを指すものでした。

これが北海道の方言として有名になったものです。全国的に見られるのは蒸気霧

言われています。

待っていると太陽が出てきて、海岸線から湯気が立ち始め、光が当たり、水面を

ゆらゆら沖合まで伸びていきます。強めの風が極寒の空気を運んでいく模様です。

沖に向かいうねる波が濃淡の縞模様になり、美しい光景が浮き上がってきます。

遠くに輝く建物まで続く気嵐の波模様です。その上をカモが飛んでいきます。


キタキツネ・そろそろカップリングの季節かな?

2020-02-14 17:29:27 | キタキツネの生態

寒さが先日の強力寒気でピークを過ぎました。-36℃は感動します。中標津は

せいぜい-21℃しか下がりませんでしたが。

おばんです。小太郎でごじゃります。

    ★  キタキツネ・そろそろカップリングの季節かな? ★ 

日射しが強くなり、森ではシロハラゴジュウカラがしきりに囀りだしました。

キタキツネのカップリングが始まります。

オスのキツネがうろちょろしだしました。早朝によく活動しているのに日中でも

見かけます。見通しの良い氷原に出てきて、森の方を気にしています。

ライバルのオスか、恋しいメスを探している風です。風に乗ってくる臭いを

キャッチしようと鼻先を上げる動作を繰り返しています。

水が引き、氷が融けだした干潟に来て、貝を見つけ出そうと見せかけてはいま

すが、そわそわした雰囲気を漂わせています。からかいに来たカラスにびくつき、

来た方へ方向転換。縄張りにしている域からはみだしてきてるのでしょう。

これから流氷がやってくる時期に合わせ、2頭がじゃれ合うシーンが見られます。

流氷の上を歩く姿が見られるといいのですが。