窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ミユビシギ

2020-09-27 15:24:51 | シギ・チドリ

砂嘴の野付半島。波の打ち寄せる砂浜。11羽のミユビシギがエサをあさって

います。引く波を追いかけ、押し寄せる波に追われるように、きびきびとして

動いています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

       ★ やってきました、砂浜の天使ミユビシギ ★

日が傾いた砂浜に戯れるミユビシギがいました。打ち寄せる波の波の早さ、帰る

波の早さ、そのリズムを見極めながら海に向かい嘴を砂に差し込んでいます。

砂の中にいるトビムシやゴカイ、小さな貝を見つけ出し食べています。引く波

の力で砂が動き、中に潜んでいる生き物が捕りやすくなるのです。

引く波を追いかけ、深い方へ走り寄り、素早くとりだす。こまめに繰り返しな

がら砂の中の生き物を集めてお腹を膨らします。

中にはリズムを狂わす波がやってきて、押し返す波に巻き込まれ、慌てて翼を

広げ逃げ帰るものもいます。彼らはそれを愉しむかのように動きます。方向転

換が一瞬遅れ、飲み込まれるものがいます。

この駆け引きが、いるものを引き付けるのです。じっとしていると遠ざかって

行っていた群れが引き返してきて、目の前まで来ることがあります。

この質素で品のあるシギを見るだけで心が静まり、ずっと見ていたくもあります。

彼らのシンクロナイズした砂浜の餌取りは、心行くまで楽しめます。

野付半島にやって来るのはおそらく北極海に面したタイミル半島の周辺のツンドラ

地帯で繁殖するミユビシギです。写真で見ると川と岩石の多い平原です。厳しい

環境で短期間で大発生する蚊や昆虫を餌にして繁殖、わずか2か月ほど滞在して

渡り始めます。

数少ない論文に寄れば、繁殖地を出発して越冬地の南オーストラリアには平均

78日ほどかけ到着するそうです。その間、6、7か所の中継地を利用して行く

ので、野付半島も彼らの中継地として利用されているのです。

長距離渡りのミユビシギには、お役にたてる場所です。


スズガモ、続々

2020-09-25 16:30:22 | 海鳥

9月の初めにスズガモの先発隊が姿を見せてから、少しずつ数が多くなってきて

いましたが、今週になりたくさんのスズガモが群れになり海上を飛んできます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★ スズガモ、続々 ★

野付半島周辺は知床山脈の河川から流れ出てきた土砂が運ばれ、砂地の浅瀬が

広がります。浅瀬にはアサリやホッキ、アオヤギなどの二枚貝が多く生息し、

スズガモには絶好の餌場になっているのです。

ロシアの高緯度ツンドラ地帯や森林ツンドラ地帯にある沼の多い湿地帯で繁殖

していたスズガモが寒気に押されるように南下してきて、集まっています。

日本にやって来る海ガモの中では最も多くやって来るスズガモ。千島列島を南下

してきて一時休息するには野付湾や周辺の海は最高の中継地です。

海上に着水すると、さっそく潜り出し、アサリをたくさん食べています。採餌

する場所を変えながら移動して行きます。

ときどきやって来るオジロワシを警戒して、一斉に飛び上がり逃げていきます。

遠くから数えた数が1000羽ほどだと思っていると2000羽、3000羽のスズガモが

いたりします。海上のカウントはとっても難しく、正確な数を言い当てるには

飛び上がった群れを写真で連写し、後で拡大して数えるしかありません。

時期により1万羽、2万羽と増えてきます。

これから凍ってくるまでの期間しばらく逗留する個体がたくさんいます。


雁がやってきました

2020-09-24 20:24:57 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

ガンの仲間、亜種ヒシクイが9月3日に俵橋の牧草地帯で5羽飛んでいくのを見かけ

ました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★ 雁がやってきました ★

8月27日に網走の方で初観察され、斜里岳山系を超えて根室地方にやって来る

のは時間の問題、確かめたくて毎日空を気にしていました。

3日の早朝に見つけ、ひと安心。その後、早朝に起きれなくて確かめられず、

20日にようやく亜種ヒシクイをヤウシュベツ川の河口に見に出かけました。

日の出前の5時10分に川に到着すると、すでに先発らしき群れが頭の上を通過

して行きました。あわてて準備して風蓮湖を見渡すと、河口に広がる葦の陰か

らケルルル、ケルルルの声。半年ぶりのヒシクイの声がしてきました。

雲が覆っていて、空はまだ暗いのに葦の中で休んでいたヒシクイたちがどんどん

河口の水面に現れてきているざわめきです。声は共鳴して大きくなってきてい

ます。

14分に水面を蹴る音が轟いてきました。飛び立った群れが牧草地に向けて上昇

してきます。風蓮湖を右から左に移動して、私の方には来てくれません。林の

上を隊列を作り、次々に消えていきます。

おそらく近場の牧草地に降りて集まり、それから奥の方に行くのでしょう。

日の出が5時5分ごろだったようで、遅刻をしてしまい最初の飛び立ちに間に合

わなかったのが残念。

おそらく二陣の飛び立ちだと思います。その数は数えれなかったのを推測しても

500羽以上のヒシクイが飛び立ってきました。わずか3分ほどでしたが、わくわく

させられた一瞬でした。


秋空とタンチョウ

2020-09-19 17:57:50 | タンチョウのいる風景

海霧が多かった野付半島。9月に入り青空が見えてきました。大陸からの高気圧

いわし雲を運んできます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ 秋空とタンチョウ ★

干潟で採餌をしていたタンチョウ夫婦が食べ終えて、飛んできました。森を超

えて高く上昇、青空に白い体が綺麗に浮かび上がりました。

 


オスジカの角、成熟

2020-09-18 15:51:14 | エゾジカの四季

ふくよかな角から鋭鋒な角に変身。エゾジカの角が成熟し、戦闘用の形になって

来ました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★ エゾジカの角、成熟 ★

春から夏の栄養豊富な草を食べ、成長しガッチリした体格になってきたオスジカ

達、同時に頭の角も成長しました。

4歳以上の成人オスの角は三又四尖の形になり、外側に広がり、堂々としてきま

した。それまでふわふわのビロードのような厚い皮に覆われ、その下に張り巡っ

いる血管から多くの栄養を供給され、日に日に成長を遂げてきた角です。

8月の後半になり、柔らかかったビロードの皮膚が中の角に張り付くようになっ

来ました。角のいぼいぼが浮き上がり、皮が乾燥してきているのが分かります。

浮き上がっていた血管が目立たなくなり、退縮してきています。あまり栄養が

いらなくなった角の生えぎわで委縮が始まり、血管への血液供給が少なくなっ

てきています。

乾きだした皮膚は日を待たずして剥げ落ちるのは時間の問題でした。

そして先から剥げ落ちてきて、角の中身が現れたシカが現れだしました。

皮が剥げ落ちるのが早いかどうかで、ボス争いの有利に関わって来るのかどうか、

見る度に思います。