窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ハジロカイツブリの群れが現れる。

2020-08-30 19:08:59 | カモ類

秋の渡りが中盤にかかっています。カモ類がいよいよ姿を見せました。先陣を

切ったのはスズガモとハジロカイツブリ。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ ハジロカイツブリの群れが現れる ★

中国東北部やロシアのウスリー川流域でなどで繁殖していたハジロカイツブリが

やってきました。今日は30羽から50羽ほどの群れを三つほど確認しました。

天候が悪くて黒っぽい姿で羽色を確認するには難しい状況でした。それでも夏羽

の色から冬羽の色に変わっている個体が多いように見えました。

アマモがたくさん生えている浅瀬を群れになり、次々に潜っては魚を追いかけて

いました。素早い動き、シンクロして潜る群れはハジロカイツブリならではの

見事さです。

これから野付湾にはカモの仲間がたくさん渡ってきます。寂しかった海面が急に

にぎやかになってきます。


オジロワシ幼鳥が目立ちます

2020-08-28 13:50:05 | ワシのいる風景

シギチドリの渡りが中盤を迎えています。干潮で干潟に分散していたシギチドリ

群れが上げ潮に追い立てられるように砂嘴間の干潟にやってきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ オジロワシの幼鳥が目立ちます ★

その群れを追うようにオジロワシが見回りにやってきます。シギやチドリが集ま

れば調子の悪い個体がいたりするかもしれません。「あぶり出し飛行」と私が

勝手につけているオジロワシの行動です。

せっかく近くまで来て採餌していたシギチドリが一斉に飛び立って行きます。

舌打ちしたくなるタイミングでやって来るのです。素早い飛び方をして逃げる

中に群れから遅れる個体がいるものです。

オジロワシは一瞬にして見つけ、追跡を始めます。大方は空振りが多いのです。

最近はオジロワシの幼鳥が目につき始めました。

巣立ちをし、親から給餌の援助を受けながら自分でもハンティングの修行をし

ている今年生まれの個体です。

羽毛の色が黒っぽい焦げ茶色をしています。尾羽は焦げ茶色で縁取られ、輪郭が

はっきりしています。成鳥のように白い羽になるまでには4年ほどかかると言わ

ています。

焦げ茶色の羽には地上に降りたときに、地面の色と同化して完全な保護色になり

ます。キタキツネや他のオジロワシからも見つかりにくい色合いです。

降りてじっとしていると目立ちにくいので、飛び立って行ったシギチドリの群れ

アオサギたちも帰ってきます。

諦めて飛び立つときにやる動作が必ずあります。お尻を後ろに挙げて、糞と小便

を後方に飛ばします。それから飛び出しのです。踏ん張って飛び出す時に、総排

泄口の周りの羽毛が汚れないようにする自然体の行動のようです。

飛び立って行く時の翼の表面や裏側の模様は年齢を知るうえでとっても役立つと

言われています。チャンスは多くないので、積み重ねることでオジロワシの年齢

知ることができるようになります。

がんばれ、子供ワシ。


勝手にバンビ

2020-08-26 17:32:39 | エゾジカの四季

昨日の続きです。

目の前にやってきたバンビ。私を見ているのに訝っただけで、水かさが増して

きた干潟を歩きだしました。丁度、青空が広がり、鏡のようになった水面を

ゆっくり進みます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ 勝手にバンビ ★

真っ直ぐに向かってくるのかと思ったら、左の方へ歩き出しました。水底

えているので、キタキツネのようにへっぴり腰ではありません。

一歩一歩確かめるように歩いてきます。なにを考えてるんだか、怖くないのかな、

こちらの方が心配してしまいます。

けっこうすいすい歩きます。なんてドキドキする瞬間、これを愉しまなくては、

自分に言い聞かせ、あどけなく、可愛さ満開のバンビに見とれてしまいます。

近寄ってきて、立ち止まり、私を見ます。初めて見る「人」なんだろうか、

こっちも緊張して動けません。

さらに歩きだし、近づいてきます。もう目と鼻の先です。こちらの岸にたどり

着き「こやつは何だ」と確かめ、満足したのか、元来た方向へ帰って行き始め

ました。

確かめたせいか、慌てることなくしっかりと落ちついた足取りで、少し深くな

ってきた水の中を歩きます。

振り向き、私の動きを気にし、お母さんの方へ帰って行きました。最後に振り

向きほっとした雰囲気。

緊張した小さな冒険だったのだろな。


突如、バンビが近寄って来た

2020-08-25 18:02:47 | エゾジカの四季

葦の草むらから姿を見せたエゾジカの親子。周囲の状況を慎重に確かめ、水位が

増してきた干潟に脚を踏み入れて来ました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ 突如、バンビが近寄って来た ★

水の中から伸びてきている葦の新芽を先の方だけ食べています。柔らかい新芽は

彼らが好む葉のひとつ。母さんジカは夢中になって食べ出しています。

夕暮れになり、ひと気がなくなると潜んでいた草むらから姿が丸見えになる水

辺に出てきます。

母さんの母乳をまだ飲んでいるバンビは少し食べると、遊び心が出てきたのか、

の中に歩み出てきました。バッシャバッシャ水路を横断してきます。私の方

に向かってきます。

普段なら、気づいてすぐに母さんの方へ行くのに大胆にもやってきます。気配を

消す術が本当に身についたと思う瞬間です。

顔を上げ、こちらを見て、確かめて、それでも堂々と前を通過して水の中を歩い

て行きます。

まずはあり得ない瞬間を私は愉しんでいるのです。緊張し、息を止カメラの

シャッターを押し続けるだけ。好奇心が生んだ、バンビのショータイム。


ようやくバンビに出会えました。

2020-08-22 16:00:56 | エゾジカの四季

今年は越冬しに野付半島に移動してきたエゾジカの大半が居残りませんでした。

そのせいか居残りジカたちはひっそり、人気から遠ざかるようにして暮らして

いました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ ようやくバンビに出会えました。 ★

草原を野鳥の観察で歩き回っていても出会えませんでした。多く居残っていた時

草地のあちらこちらにシカが寝転がって休んだ痕を見つけることができました。

まだ足元がしっかりしていないバンビが草むらにじっとうずくまり、見つから

ないようにしているのに出会うことも多かった。そんな出会いはさっぱりなし。

バンビを連れの親子に会うこともない有様でした。

8月に入り、暑さがはびこりだしてきて、ようやく出会うことができました。

水辺を求め、草地から移動してきた親子です。

草丈が伸びて鬱蒼としてきたヨシ原の中から頭を出し、周囲を見回し、安全を

確かめゆっくりと姿を現しました。バンビを連れた2組の親子です。

母親は神経を周囲に尖らせ、頸だけを伸ばし、目で周囲を観察しています。

その前を小鹿のバンビが寄り添うようにおっかなびっくり、こわごわの足取り

で歩いてきます。水辺の新芽を食べだし、少しずつ慣れると、大ぴらに姿を

見せました。

かわいらしい、あどけない、新鮮な顔をしたバンビです。不安げに周りを見て、

母さんを見て、水の中に。

母さんはゆっくりとして草を食べ出しています。この落ち着きがバンビを落ち

着かせるんです。

良いシーンです。別な場所で親子に出会いました。私の出現に緊張し、親子が

寄り添っていました。不安そうなバンビに母さんが口を寄せ、落ちつかせようと

耳や顔を舐めてやっています。

緊張をほぐし、バンビを慌てさせないように、心をほぐしているようです。

そのあと、一転して走り出しました。かわいそうなことをしてしまったかな

と、少し反省。