窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ケアラシの世界

2020-02-15 19:38:19 | 根室の風景

道内での最低気温が-36℃を記録した朝、根室海峡では気嵐が発生しました。

中標津の朝4時の気温、-21℃。北西の風が強く、陸から海に向かう風です。

おそらくけあらしが発生すると確信。出かけました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ ケアラシの世界 ★

道路は地吹雪で時々前が白くなり、ホワイトアウト状態になります。斜里岳を

超えてきた風が雪を運んできているようです。天気予報は晴れ、雪が降るとは

言ってませんでした。

海沿いに出れば気象も変わるはずです。30キロも離れていれば、雪雲も消える

はずです。

目指すは床丹の海岸。海岸段丘と湿地が続く、見晴らしの良い海岸線です。日

の出前に到着すると気嵐の気配はありませんでした。 

「けあらし」は気象用語ではありません。厳寒期に内陸から極寒の空気が海に

流れだし海水からの蒸気が冷やされ霧状になって輝く現象です。道北の留萌地方

で発生していた冬霧のことを指すものでした。

これが北海道の方言として有名になったものです。全国的に見られるのは蒸気霧

言われています。

待っていると太陽が出てきて、海岸線から湯気が立ち始め、光が当たり、水面を

ゆらゆら沖合まで伸びていきます。強めの風が極寒の空気を運んでいく模様です。

沖に向かいうねる波が濃淡の縞模様になり、美しい光景が浮き上がってきます。

遠くに輝く建物まで続く気嵐の波模様です。その上をカモが飛んでいきます。