窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

林縁のノスリ

2019-11-18 23:07:58 | 山野の鳥

10月に入ってからノスリをよく目にするようになりました。私がいつも散歩する

タワラマップ川の林で木に止まっているノスリを毎日見かけます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★  林縁のノスリ  ★

いつも1羽を先に発見するのですが、必ずもう1羽が近くにいます。おそらく番いです。

野付半島でもノスリが見られるようになりました。湿地や草原で飛んでいるのを見かけます。

草が枯れ、強風で倒れ、ヤチネズミを上空から見つけやすくなったからでしょう。

チュウヒみたいに上空をグライディングしながら飛ぶことはありませんが、草地をなめる

ように飛行しながら、獲物を見つけると停止飛行をして急降下、草地に飛び込みます。

ネズミに気づかれないように、気づかれる前に飛び込む技がノスリです。

最近よく行くデントコーンの畑でノスリを見つけます。タンチョウが20羽ほど集まり

亜種ヒシクイが集まり、オオハクチョウがやってきている畑を囲む林に中からノスリが

飛んできました。畑の上を飛びながら下の方を見て移動して行きます。

落ちているトウモロコシの実を食べに来ているエゾヤチネズミかエゾアカネズミを狙いに

きているのでしょう。ゆったりと羽ばたき頭は下向き。

近くの林の中にはもう1羽が止まっています。じっとして遠目でネズミを探しているようです。

雪が降るまでおそらく餌場として逗留する雰囲気です。


川凍る・始まり

2019-11-17 23:19:28 | 根室の風景

温かい秋でした。と思っていたら、来ましたよ寒波が。とうとう河口が凍りだしました。

すぐに融けましたが、じわじわと水温が下がり、凍る条件が整っていきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★  川凍る・始まり  ★            

今朝の中標津空港の気温はマイナス10℃でした。地面はコンクリート並みにカキンコキン。

柔らかかった畑の土が凍土になっていました。凸凹で歩きづらくて、足に不安がある人には

大変です。

昨日から風が強くて、気温以上に寒さを感じます。体感はマイナス20℃はありそう。

川面を見るといつもなら小さな波紋がたくさんついているのに、まったりとして静か。

太陽の光も乱反射してぼやけてしまってます。いつもならカモが葦から出てきて泳ぎ

だしているのに、全く姿が見えません。

               なんだか寂しい凍れの朝です。


オジロワシの真剣な目

2019-11-16 18:45:42 | ワシのいる風景

ワシ類が目立つ季節です。繁殖していた周辺のオジロワシが野付半島に集まってきました。

遅く川を上ってくるサケはいるので居残っているワシも多いようですが、野付湾に集まっ

てくるカモは魅力的です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★  オジロワシの真剣な目  ★

カモやガン、オオハクチョウが集まるところ必ず近くにオジロワシがいます。ワシは地上に

降りているか、見渡しのいい木の上に止まって、カモたちの様子を窺っています。

ときどき飛び出して、カモたちの方へ飛んでいきます。偵察飛行です。近くまで行くと

カモが一斉に飛び出していきます。ゆっくり、穏やかに飛んでいきます。

これはカモたちの様子を窺い、元気よく飛び出して行く姿を確かめる作業です。「あぶり出し」

と名付けています。定期的に飛ぶことで、少しでも元気のない個体や飛ぶのがぎこちない個体を

発見することが目的です。

木に止まっているときのワシの眼は眉間にしわを寄せ、真剣で険しい目線にになっています。

防波堤に止まり、ゆったりと海に向けているときののんびりした表情と大違いです。

獲物を見つけると背筋を伸ばし、首を伸ばし、視線を獲物にロックします。じっと頭を固定し

動きを止めます。木と一体化になり、気配が消えます。

飛び立ちは一瞬です。握りしめた木の枝から前傾して飛び出します。狙うは川の浅瀬で休ん

でいたマガモたち。気づいたカモたちは高速で飛び出して行きます。

本気モードに入ったオジロワシもスピードを上げ、降下して行きます。健康なカモ達なら

成功率はほぼゼロ。直線飛行から急速転回をして逃げるカモの速さに見とれます。

 


冬浜のハマシギ

2019-11-15 19:48:17 | シギ・チドリ

 ハマシギの群れが野付半島の浜に残っています。10数羽の群れと30数羽の群れがいます。

4、5羽の小さな群れもいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

               ★  冬浜のハマシギ  ★

満潮になってくると海水に覆われる干潟からやってきて、砂浜で休みます。この時期に

たくさん抜けて流されてくるアマモが打ち上げられた陰に潜み、風よけをしています。

腹が減るとアマモの中に嘴を突っ込み、何かを探しては食べています。

小さなゴカイの時もあれば、アマモの中に隠れているトビムシを捕っているようです。

アマモは乾燥しやすく、中に手を入れてみると熱がこもり温かく感じます。

彼らもよく解っていて利用しているのかもしれません。

くちばしを砂に入れるので、くちばしには砂がいっぱいついています。

ときどき波ぎわに向かい、砂の中のゴカイを引き抜いていますが、くちばしを洗うのが

目的かもしれません。

1羽ずつ見ると背中の雨覆羽、1枚1枚に白い縁取りがあります。若いハマシギの特徴

です。

ツンドラ地帯で繁殖するハマシギですが、近年は減少傾向にあります。理由はまだ

明らかになってません。

ただ、ツンドラ地帯では年々雪解けが早まっていて、エサとなる昆虫が雪解けとともに

早く発生する傾向になっています。ハマシギはその変化に、営巣開始が追い付いておらず、

そのずれが繁殖に影響し始めています。

大群で渡るオバシギやコオバシギなどでは急速に数が減少していると報告されています。

若きハマシギを見ながら、やっぱり温暖化のことが気になります。


亜種ヒシクイ・朝の飛び立ち

2019-11-14 19:46:30 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

ヒシクイの朝の飛び立ち風景は騒々しくて、活気にあふれ、しかも力強い。それまでヨシ帯に

入って夜を過ごしていた群れが河口に集まってきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★  亜種ヒシクイ・朝の飛び立ち  ★  

時間を見ると太陽が地平線から顔を出す前です。だいたい20,30分前です。そして

10分前あたりにバサバサバサ羽ばたきと、水面を足で蹴るバチャバチャの激しい音が

500m先で発してきます。

水面を滑走し、低空から上昇しだします。横に一列の隊列が次第にV字編隊になってきます。

河口から川の上流へ向かい飛んできます。体がでかいので近くになるにつれ、どんどん

大きくなってきます。

やがて胴体より長い翼を広げたヒシクイたちが私の上を通過して行きます。翼が空気を切る

音と振動が近づき、頭上を通過して行きます。迫力と感動の一瞬です。

群れが次々とやってきます。林の上を飛んでいく群れや湿原の上を飛んできて、林を超え

遠くに見える雄阿寒岳の方へ消えていきます。

喧騒の30分と名付けています。数えると3000羽以上が飛び立って行きました。