窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ミユビシギ

2019-10-21 23:24:55 | シギ・チドリ

シギの渡りが終わりに近づいてきてます。7月から始まったシギやチドリの渡り、3カ月に

なりますが、まだ続いています。ハマシギ、ミユビシギが群れで渡ってきてます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

                ★  ミユビシギ  ★

両種ともに北極海に面したツンドラ地帯や海岸線で繁殖します。短期集中で繁殖をするシギ

たちです。寒さに強いシギです。

干潮の時、ハマシギの群れが飛んでいるのは遠くから見つけることができますが、ミユビシギ

は見つけるのが大変です。あまり大きな群れを作らず干潟をあまり使わないのではと思う

ほどです。

彼らを見つけるのはほとんど満潮時です。干潟でエサを捕っていたとしても、休みに来る

のは砂浜の海岸線です。風で打ち上げられたアマモの山の陰で休んでいることが多いのです。

打ち上げられたアマモの山は風よけになり、乾いてくると湯たんぽみたいに熱を持ちます。

ミユビシギはそれをうまく利用し、休みます。満潮で潮位が上がってきて波が押し寄せても

波よけにもなります。

翼に嘴と頭を入れ、風が吹いても寒くないようにしています。時々片目を開け、周りの様子を

窺います。白く縁取られた眼瞼が黒いひとみをすごくかわいらしく見せます。

波がアマモを浮かせると、あわてて歩きだし、波が来ないアマモの山に移ります。そして、

アマモの山の凹みに入り、休みます。遠くから見ると保護色になり、ほとんど分からなく

なります。


タンチョウの若鳥がたくさん集まってきました。

2019-10-19 20:00:15 | タンチョウのいる風景

台風19号の強力さを前に、酪農家は素早くデントコーンの刈入れを行ないました。

数年前に刈入れが遅れ、丈が伸びたデントコーンはことごとくなぎ倒されました。

おかげで機械が上手く刈り取れず、苦労したからです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

      ★  タンチョウの若鳥がたくさん集まってきました。  ★

 

その時、タンチョウをはじめオオハクチョウ、亜種ヒシクイ、オナガガモ。ヒドリガモたちは

ものすごく喜んだと思います。トウモロコシの実がたくさん畑に残されたのです。

酪農家は泣いたが、鳥たちはホクホクだったのです

最近の刈入れ機械はすごく良くなり、デントコーンを見事に収穫して行きます。機械も優れて

いるが、操作する人の技量が上がり落穂を作らなくなってきています。

それでも機械に弾き飛ばされ畑に落ちている実はあるようです。

台風一過。畑に出かけてみるとオオハクチョウばかりではなく、亜種ヒシクイとタンチョウが

たくさん集まっているところがありました。刈入れが上手くいかなかった畑です。

前日降った雨が地面に吸い込まれずに残り、水たまりができているところに30羽以上の

タンチョウが集まっていました。周辺を見渡すとその数130羽以上を数えました。

麦を借り入れたときは、せいぜい20羽ほどでした。それに比べたらすごい数です。

羽色をチェックするとほとんどが頭頂がの赤みの発色が悪く、翼の風切り羽の先に黒い斑が

見られる4歳くらいまでの若いタンチョウです。

仲良しさん同士、4、5羽ほどで行動していた小さな群れが集まってきています。130羽と

なれば周辺、しかも相当遠くからやってきています。

若き群れの情報伝達は相当早く、多くの仲間を引き寄せるのです。それまで、縄張りを持って

いる大人のペアの脅威に神経質のなって移動してきた若者たちが集うとゆったりとして、しかも

接近して食事をとってる風景はこの時期だからの光景です。

冬季の餌場での光景ではなく、豊かな秋の豊饒たるゆったりとした風景です。

 


アオサギ・もうすぐ旅立ちです。

2019-10-18 13:43:14 | 山野の鳥

アオサギが野付湾の湿地に集まってきています。成鳥と幼鳥が入りまじるのどかな風景です。

根室地方のアオサギは夏鳥です。最近は極寒期に居残るアオサギがいますが、大方は夏鳥で

10月の後半には南の方へ渡って行ってしまいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★  アオサギ・もうすぐ旅立ちです。  ◆

大食漢のアオサギは本州では養殖池などに出没し嫌われる傾向にありますが、根室地方で

大きな問題は起こしていません。

標津湿原を囲む周辺の林で営巣し、河川のイワナやヤマメ、サクラマスなどを捕り、野付湾

の干潟にやってきて魚やカニ、エビなどを捕っています。特に営巣期は食欲旺盛なヒナを

養うために引き潮になるとやってきます。

首を曲げゆったりと飛ぶ姿は魚を捕まえる鋭敏さとは違うイメージを持たせてくれます。

満潮時は浸水しない場所に集まり、集団で休んでいます。じっとして動きがないので

つい見逃してしまいます。潮が引いてくると干潟に飛んでいきます。干潟では

ギンポみたいなアマモの下に隠れる魚をよく捕っては食べています。

体力をつけ、そろそろ旅立ちですかね。

 


ハマシギの群れ

2019-10-17 21:46:28 | シギ・チドリ

ハマシギの群れが到着しました。繁殖地としては最も寒い地域、北極圏のツンドラ地帯で

殖するシギ。渡って行くのも遅いけど、帰ってくるのも遅いハマシギ。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

               ★  ハマシギの群れ  ★

干潮が始まると休んでいた場所から飛び立ち、群れで今日の採餌場所を探し回ります。

ゴカイが多い野付湾の干潟は彼らにとりこの上なき良き環境です。干潟に出て待っていると

急に目の前をハマシギの群れが高速で飛んでいきます。20羽ほどの群れから200羽以上の

群れが干潟の上を飛んでいるのが分かります。

広いのでどのくらいの個体がきているのか分かりませんが、かなりの数になると思います。

干潟に降りてしまうとしばらく飛び立たないので、引き潮が始まるころから動きを押さえます。

飛び立った群れが方向転換して翼の裏の白い羽色が光ると遠くからでも見つけることができます。

ひと群れを見つければ他の群れの動きが見えるようになります。次々に四方の群れの動きを

見つけられます。

干潟で待っているとスーイッという風を切る音が後方から聴こえてきます。もちろん前や

横からも来ます。なんと気持ちのいい、活気のある音でしょう。

10月という季節はカモやガン、オオハクチョウと北からやってくる鳥たちから元気をもらう

季節です。

 

 


コクガンがやってきたよ

2019-10-16 15:40:02 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

この10年、毎年コクガンの初お目見えを愉しみにしています。今年は10月5日でした。

北極海沿岸で繁殖するコクガンは日本に渡ってくる雁の仲間では一番遅くに姿を見せます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★  コクガンがやってきたよ  ★

沼や湿地を越冬地に使うヒシクイやマガン、ハクガン、シジュウカラガンたちは9月から

渡ってきます。海上で越冬するコクガンは最後に現れるガンです。

コクガンを見つけるといつも「これでそろい組」とつぶやくのが、最近の私的行事に

なっています。

いつも見つけるポイントは野付湾の真ん中。湾内に入ってくる砂が吹き寄せられ、浅くなり、

干潮の時に姿を見せる砂丘です。そこに寄ってきて休息する個体を探すのがコツです。

海面に浮いていると見慣れていないと分かりづらいので、大方の人はスルーしてしまいます。

風が強く波が出ると上下して見えたり消えたりするので、とっても発見しづらいのです。

近年、根室沖で急速発達する爆弾低気圧のせいで、野付湾には大量の砂が流れ込んできます。

そのせいかどうかわかりませんが、浅くなったところにアマモやコアマモが生育しやすい

場所が増えたような気がします。そのせいでアマモ大好きなコクガンやオオハクチョウが

集まる場所が毎年変化しています。10年前に多く集まっていた場所には来なくなり、

近場で見られなくなりました。

湾の中央部が浅くなり、アマモがその周辺で多く生えるようになったからです。コクガン

から見れば、とっても安全な場所で食事ができるようになったということです。

潮周りの時間帯で群れが移動しては、餌場を変えるようです。見やすいポイントで観察

していると動きが見えてきます。

お腹が膨れると姿を見せた砂丘に休みに来ます。

13日にカウントした個体数は3829羽以上、推定4300羽くらいはやってきてました。

ときどき半島を超えて入ってくる群れがいるので、例年のごとく10000羽くらいは

やってくる模様です。