たくさんの亜種ヒシクイがやってきてます。「たくさん」というのはヒシクイたちが
野付湾にすべてが集まらず、原野に残った沼を使ってねぐらにしているからです。
おばんです。小太郎です。
★ ねぐらに向かう亜種ヒシクイ ★
牧草地にはまだいじられていない原野の沼が残っています。開拓が始まってまだ100年
ほどの歴史しかない土地柄、牧草地の中には埋め立てられていない窪地や沼が存在します。
亜種ヒシクイやオオハクチョウは人が近寄らない沼をひっそり使っています。
どのくらいのヒシクイやオオハクチョウが利用しているのか、見当がつきません。野付湾の
オオハクチョウを毎年、数えてはいましたが、デントコーン畑が多くなるにつれ減って
きたのに気づきました。以来、野付半島でのカウントを止めました。
亜種ヒシクイが野付半島のヨシ帯を利用していることを知ったのは、早朝から出かけるよう
になってからです。当幌川の河口をねぐらにして、早朝に飛び立ち、暗くなってから
戻ってくるからです。近寄れないために、大まかなカウントしかできません。2000羽以上
いるのですが。
それに沼を利用する個体も多く、どのくらいの数が来ているのやら、きちんとプロジェクト
を立ち上げ、調査するしかないでしょう。
亜種ヒシクイはオオハクチョウと同じデントコーン畑にやってきてます。オオハクチョウと
違い地上に降りると地面の色と同化してしまうので、探すのが大変です。
30羽ほどを見つけ近寄って行くと300羽以上が飛び上がってくることがしばしばあります。
湧きあがってくる感じです。
夕方になると分散していた群れが移動してきます。合流する場所があり、集まってきます。
日が沈むと地面を蹴り翼を振りおろす空気振動が、どどっと伝わってきます。一斉に群れが
飛び立ちます。赤焼けの空に黒いシルエットの亜種ヒシクイがたくさん広がり、編隊を組み、
野付半島の方へ移動して行きます。
暗くて分かりずらいのですが、想像以上に多い数がV字編隊を組み飛んでいくのが分かります。
「ええっ」と唸るほど多い個体が現れ飛んでいくのです。
吸い込まれるように暗闇に消えていきます。