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地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
証券関係の話題について、証券マンとしての意見を述べていきます

ライブのその後はどうなるのか・・風邪で頭ぼけてますが

2006-01-25 03:17:06 | ライブドア問題
さて既に取り沙汰されているようであるが、今後のLD社である。
新社長が決まり、現行残っている役員達で会社を切り盛りしていくことになろうが、確かにその前途は多難であろう。
とにかく日本中の古典経済人が躍起になって潰しにかかっているようにすら映るわけで、東証も完全に自社のシステムトラブルから目を逸らせようとの意図が見え見えの扱いをしている現状である。
東証のHPでは自らのトラブルを詫びる項目が無く、ひたすらライブドア株に絡めたTOPICという形でそれらの記事の冒頭にてお詫びを軽く1-2行述べているに過ぎないのは残念だ。
しかも、私が拙日記にて書いた、仮に上場廃止になったらその株主達はどうすべきか等のページが見当たらない。

ここではっきり述べておくべきは、上場廃止と倒産とは違う、って事である。
企業が倒産してしまったら、それは基本株券は何の価値も無くなる。
ただ、倒産とはいわゆる会社更生法を申請してそれが適用されるケースが一般的で、もしその後会社が不死鳥のように蘇ってまたまた上場なんてことになれば話は別であるがね。

単に上場廃止とは、取引所での株券の売買が出来なくなることであって、会社はもちろん存続しているわけだから、その会社が利益を上げれば価値は上昇するだろうし、また配当なんてこともあり得るわけだ。しかし問題はその価値をどうやって計るのか、どうやって実現するのかってことなのであるね。
くれぐれも書いておくが一部のBLOG等には「株券紙くず」みたいな書き方をしているところもあるようだが、少なくとも現段階での事実は、「監理ポストへの割り当て」であるから。
もちろんその後の捜査の進展によっては上場廃止基準に抵触する事柄も出てくるかも知れないし、そしたら東証は容赦なく上場を廃止しよう。
しかしその段階でも会社が存続している限りは株券には何らかの価値がある。

まずは個人的には、これだけ上場廃止が行われているのだから、これはきちんとした仕組みをもう一度整備する必要があるのではないか、と考える。
新規公開を予定している会社の株価の価値を証券会社は決めて、それを持って公開値段としているのだから、その反対もしかりであろう。
仮にそうなった場合、果たして証券界は個人投資家をそのままほっておくのだろうか?これは私自身を含めてきっちり議論されるべき問題であると思うが、如何か。

また、外資系によるMAの話なんてのもちらほら出ているようだ。
これは十分に有り得る話だろうね。
ざっとブルーンバーグで調べて見ると、流動資産だけで約900億、その他資産(なんだか知らない)が約900億、それに対して負債は計40億程度しかない。
時価総額が現在1850億程度であるからそのPBRはそろそろ1倍の水準に来ている訳だ。つまりこの会社の解散価値と同程度まで株は売り込まれていることになる。
また色々な外資系の名前が出るたびに「はげたかはげたか」の連呼が始まりそうだが、仮にMAの話が出た場合は果たしてどうなるのかかなり興味がある。
買収する側としては一旦上場廃止になって、そして完全な相対でMAを提案して、それで会社の中味や体制を整えて再上場、そしてライブは再度復活へ、ってなシナリオがいいのだろうが。

私自身がどうもこの5連続ストップ安を見ていて不思議に思うのは、結局毎回最後はきちんと株が比例配分されていることだ。
つまり初日のストップ高から買い手が(微々たるものではあるが)存在している、と言う事なのである。
手口情報非公開のこんにちでは、その買い手が誰なのか全く分からない。分からないけど毎日100万株程度の商いは付いているわけで、その辺も実は興味津々。
恐らく上場廃止が完全に射程圏内に入っているから、まともなところはいくらPBRが1倍まで来た云々言ってもなかなか手を出せないだろうことは想像が付く。
どこかが頑張って買い支えているような感じでも無いし。

いずれにせよこうなってしまった以上は、いよいよ日本の懐の見せ場な気がするんだよなぁ。頑張って這い上がってくるかもしれないLD軍団を我々はきちんと迎え入れてあげられるのかどうか。私はそれに賭けたいね。

さて、もう一つ、これは外人記者の書いた英語の文章でしかもひどく難解なものだったのだが、それを読んで見たのだが・・・
「ライブドアとエンロンを比べるなんてバカらしい。ウォールストリートが如何にすばやくエンロン問題を個別の問題として処理したか、がポイントである。
それに対してTOKYOはどうか?今後もトレーディングボリュームの極端な増加に耐えられるのか?LTCMのようなケースはどうだ?石油価格の更なる大暴騰が起きたら?石油が80ドル、いや100ドルになったらどうする?日本が頼り切ってる中国経済が突如悪化したら?或いは再び未曾有のテロが起きたら?ドルが暴落したらどうなる?」

外人は大体同じようなことを言っている。何でこの問題だけこんなに日本中が大騒ぎをするのだ、と。市場の一種の常識で考えればこれはやはり個別の案件としてきっちり切り離されるべきであったのだろうし、実際例えば冒頭で書いたように三井住友のケースは完全に個別で処理されちゃってるから、1ヵ月後にはあんな大規模な増資が出来るんじゃなかろうか。あれだって独禁法違反って完全に法を破った訳でしょう?いやだからと言って法を破っていいって事ではないよ。ことではないけどこの扱いの違いにやっぱり愕然とするし、個別に切り離せなかったと言うより日本の古典連中がそうさせなかったのだろう、ってのはちょっと穿ってるかなぁ。


ライブドア、個人的には非常に残念

2006-01-24 05:11:06 | ライブドア問題
さて、本日風邪にて会社を休んでしまい、ゆえに報道にはほとんど触れていないけれど、それでも逮捕は予測されていたようで、その記事は読んだ。
基本頭があまり回っていないので、取り急ぎ拙日記にて「直後の感想」めいたものを書かせていただいたので、こちらにもそれを転記しておく。

尚、今回の一連の報道にて、またまた木村剛さんがTBを送ってくださって、彼の記事にてのご紹介の栄に浴し、光栄です。
以下、拙さるさるからの転記でございます。
~~~

当然今後はLD社に対する株主代表訴訟が予測されるし、またCXに対しても契約解消によって仮に損失が大きく出た場合にやはり代表訴訟のリスクは付きまとうだろう。

結局旧態依然とした経済界の勝ち、と言う図式で少々個人的には残念である。
今後報道なり東証に求めたいものとしては、LD社が上場廃止になった場合、株主達はどういう行動を取るべきか、と言う事であろう。これをきちんと説明した話は聞かない。

通常は会社が倒産しない限りは、その会社の株式にはそれなりの価値があるわけで、しかしながら上場していないという事はそれらの流動性が保持されていないと言うことだから、株主が仮にそれを売りたい場合はどうすれば良いか、と言うのが焦点である。
類似会社方式等により証券会社には一応その株価算定のモデルのようなものはあるけれど、果たして主幹事がそれらのリスクをきちんと投資家に対して取ってくるのかどうか。
仮に再生機構みたいのが太っ腹で、LDの再生を引き受けるような場合(再生機構だって旧態依然側だろうからまず望めないだろうけど)、LD社の将来の再上場の見込みもあろうから、株主はそれまでじっと待つと言うことも出来よう。

とにかく(風邪で頭が回ってないけど)、東証も偉そうに監理ポスト移行だなんだをふんぞり返って言うだけではなくて、そうなって上場廃止になったらその後はどうすべきかの指針をきちんと示すべきだ。これは各マスコミにもきちんとして頂きたいね。
CXも一体どうやってあのLDの持ち株を処理するのか分からないけれど、仮に処理出来るとしたら不公平であろうね。片や処理出来ない個人投資家がたくさん居たとして、でもCXにはあれだけの株数を処理する方法があるのだとしたら、これは我々はきちんと監視していく必要があろう。

最初はヒーロー扱い、それでもって一気に梯子をはずすこのやり方、新興企業に対する度量の小ささみたいのを如実に現している気がして、やっぱり残念だな。CXが「提携相手だから俺達が助ける」位の事を言えば一気に見直したんだけどね。

~~~
今後とも色々と調べて突っ込んでいかねばならないことがまだまだあると考えている。
特に上場廃止後の株券の取り扱い、要は「じゃあ具体的にどうすりゃいいんだよ?」って事などを含めて、調べて行きたいと思う。
恐らく上場廃止は今の勢いを考えると、LD本体のみならない可能性もある。
この一件にて仮に個人投資家が、株式市場に対して愛想を尽かしてしまうのは非常に宜しくない。
今や東証は外人と個人で持っているようなもんで、これで個人が愛想を尽かして、さらに外人もGIVE UPしてしまったら一体日本の市場に何が残るのか。
この問題、単に堀江氏が逮捕されたから終わりではないのだね。

普段余り回転の宜しくない拙頭脳、風邪にてさらにその回転が鈍ってはいるけれど、それでも自分なりの責務を果たすべく頑張っちゃいますので、今後とも何か情報等がございましたら遠慮なくコメント欄でもメールでも頂きたいと思うので、よろしくお願いします。

尚、コメント欄のコメント、もちろん読んでますが、お返事はもう少々お待ちくだされ!!



ライブドア問題~分割と時価総額と財務諸表と

2006-01-22 02:46:10 | ライブドア問題
どうも自分の頭の中が若干混乱気味なので少し整理してみたいと思う。

ライブドアの件に関して、仮に同社が違法な行為を行っていたのであればこれは証券マン的見地からも当然許されない行為であり、それはきちんと罪を償う必要がある。

しかしながら現在の報道を見る限りでは、決算報告書の虚偽記載に関してはそれは非常に分かりやすいので良いとして、投資事業組合と本体との関係云々、また正式合併公表前に既に本体と表裏一体の投資事業組合が事実上被買収企業の株式を買い取っていたと言うケースにおいて、当初は散々風説の流布が言われていたけれど、果たしてこの場合の本当の問題点は一体どこにあるのか、私自身良く見えない。
法的に見てどうなのか、この辺はきちんとした答えが出て来よう。

私が何よりこれらの件で問題にしたいのは、分割やら時価総額経営に関する世の中のご意見である。それらを証券マンから見たらそれはどう映るのか?
世の中特にマスコミの垂れ流し記事の大半は、違反行為と同列にこの辺のやり方をも、さもやはり違反であるかのように錯覚させる書き方をしているように見える。

また、現在話題になっている会計士の方のBLOGもざっと目を通させていただいたが、彼は時価総額経営云々は虚業の錬金術に過ぎない旨をおっしゃっているが、ではそれは私にはどう映るのか?

その辺の事をもう少し僭越ではあるが書いてみたい。

まずは分割であるが、これは我々からすれば、やはり「何が悪いの?」と言わざるを得ない。
きちんと企業には認められた資本政策であり、これを使って株主に対して報いるってのが基本的な考え方であるのだから。
ちなみに株式分割ってのは昔は無償増資と言われていて、私が証券会社に入った当初は「おお、○○社、無償だって!」みたいな言い方をしていた。
この分割なり無償てのは、昔から市場にとっては株価が反応する結構大きな話題であった。特に単位株が大きかった、すなわち基本最低単位が1000株がほとんど、って時代の「1割無償」ってことは株主は1000株持っていれば100株を貰え、また100株は取引単位ではないので、証券会社が当該企業に「買い取り請求」と言うのを代行して、その100株分は株主は現金で貰えたわけであるね。
堀江氏はこの分割を巧みに利用して、自社株数を激増させたわけで、また結果的に百円単位で買える株にしたため、株主数が激増して、被害を拡大した、と言われているが、果たしてそこに因果関係があるのかどうか、この辺の感覚が私は世間とはちょっとずれるのだ。
つまりどんなに分割をして株数を増やそうが、あくまでも株価は結果として上がっている訳で、基本分割しても当該企業に魅力を感じる投資家が少なければ株価は簡単には上がらない。
むしろ本当に株価を上げたければ、株式数が極端に少ない方が効果的であろう。
かつてYAHOOジャパンが上場したときの株数、数字は忘れたけど極端に少なく、結局品薄現象を引き起こして連日株価が高騰したのは、私がドイツに居た90年代の終わりごろだったと思う。
もちろん分割後、新株が印刷されるまでの間のタイムラグを利用して品薄現象を引き起こし云々、の報道も知っている。しかしあくまでもそれは制度上の問題点であって、仮に意図的に利用したとしても、結果的にそういうシステムになっているのだからこれは仕方が無いだろう。
これは分割では無いけれど、ある企業が大きな増資をした場合、その株券が出来て来るまでの間に、新株マーケットが立つケースがある。最終的にその新株は旧株と同じになる訳だけど、それまでの間、投資家はそこで売買が出来る場合がある。もちろん最初に「売り」を出来るのは新株をもらう予定者だけになるが、別に「買い」から入るなら誰でも出来るはずである。またこの旧株マーケット(と言うか通常のマーケット)と新株マーケットには実は多少の値段差が生じるので(これは基本流通量の違いによる)、その両者でのアービトラージをする投資家が居たりする。
受け渡しはその新株の正式発行日になるので、1ヶ月先とかになる。ちなみに記憶では、大きいところでは、NTTドコモが増資したとき、そのマーケットが立っていた、と思う。(確かドコモだったよなぁ)


確かに100分割!とかはマーケットにインパクトがある。それは今まで誰もやって来なかったから、ってのがそのインパクトが生じる理由だと思うが、それが諸悪の根源で中味のない錬金術と言う論法は少々証券マン的見地からすると短絡的に思えてしまう。
しつこいけれど株価の動きは基本その需給関係、すなわち売り手と買い手のバランスによって決まるわけで、そして各人が売り手になるか買い手になるかは各人のその会社に対する評価で決まるわけだ。
分割をすればそれだけ発行済み株数が増加するわけで、理論的には株式の希薄化(ダイリューション)が起こるので理論株価は下がる。それを分かっていつつもさらに当該企業に魅力を感じる投資家、つまり買い手に回る投資家が多いから、結局株価は上がる訳であって、分割=株価上昇を単に結びつけて、結論は派手な分割=悪の根源、と言う論調には納得できないのである。


時価総額。
果たしてこの時価総額を上げることがどうしていけないのだろうか。
どんな会社だって自社の株式の価値を高めるべく日々努力しているわけで、これは否定出来ない事実でしょう。
一般企業の経営者や社員の方たちは実は想像以上に自社の株価に敏感で、もちろんその会社が正しい方向に伸びていけばそれらは数字やら結果やらを通して投資家に認知されて株価が上昇するわけだ。
ストックオプション制度なんてのは、まさに「一生懸命やって会社が儲かれば株価が上昇するから、そしたらこのオプションを行使すれば一種ボーナスが手に入るぞ。行使価格を現在の株価よりも高い水準に設定するけど、それ以上の株価になるようみんなで頑張ろうぜ」ってことで、結局株価が高くなりゃ時価総額だって上昇するわけで、堂々と自社の時価総額を前面に出すことが何故いけないのか、不思議であるね。
マスコミは連日のLDのストップ安によって「LD時価総額xx億低下」「グループ全体での時価総額xxx億を失う」って書いているけど、それは事実だから正しい。
ただゆえに時価総額を前面にしてそれを売りにして来た姿勢をこき下ろすのはどうか。

この件でその会計士の方のBLOGのNo.2から少々抜粋させて頂くと、
『テレビに顔を出してはコメントしている大学教授、証券マン、証券アナリスト等、この人達は株とか企業の実態を本当にご存知なのでしょうか。疑問ですね。
(中略)
ホリエモンは、会社経営の基本は企業価値を高めることだ、というのですが、これについては全く異論はありません。ご説ごもっともです。
ところが彼の言っている企業価値とは、いったいなんでしょうか。どうやら株式時価総額と言われているものらしいのです。
(中略)
しかし、ここには大きなトリックがあり、ごまかしがあるのです。それは、企業価値イコール株式時価総額としていることで、この2つは似て非なるものなのです。このすり替えこそ、ホリエモン・マジックの中核となるものです。』

我々証券マンやアナリストの仕事はその会社の財務諸表を分析することだけでは無い。
会計士氏のご意見はもっともなのだが、我々の視点から見れば、時価総額の多寡だって立派な企業価値の尺度になる。もちろん「イコール」ではないかも知れないが、時としてそれがイコールとして捉えられる時もあるだろう。
また我々は、本業での利益やら、利益の伸び率、果ては配当性向やらPERやPBR、同業他社比較での競争力、その他業態によってはそれらのプロダクトの循環的要素、そして当該会社の次なる戦略やらを勉強して、そしてそれらを投資家の意見とすり合わせて将来の予測を分析して、ではこの株は現在高いか安いかを判断しているのであるね。
では氏の言う企業価値とは一体何なのか、ここに示されていないのは少々残念であるなぁ、と。

私のような一フロント証券マンが普段PLやらBSをじっくり見るなんて事は確かにまず無い。あるとしても決算発表の時くらいだろう。しかしながらその会社の株価を考える過程においては、上に述べたようにあらゆることを検討課題としている。つまり企業活動のある期間の集大成が財務諸表に乗っかり、それが発表されるのが決算発表でそれは物凄く重要であるけど、それだけじゃないのである。仮に決算数字が悪くてもそれがすぐに売り推奨に繋がるわけでは無いし、物凄く良い決算を発表しても中味は特別利益がほとんどで本業は変わっていないとなればもしかしたら売りを推奨するかもしれない。
財務諸表分析はあくまでも「現在完了形」であり、我々の仕事はどちらかと言うとそれは元にはするけれど「未来形」なのであるね。
ゆえに、氏がおっしゃる「この人達は株とか企業の実態を本当にご存知なのでしょうか」の部分の、証券マンやらアナリストが単にテレビに出ていた人たちを指すのであれば私には関係ないが、もし一般的な話をされているとしたらそれはちょいとカチンと来るな。

我々証券マンだって、ではLD社の様々な指標はどうなのかは知っているし、それは投資家の方々も一緒だろう。
時価総額2000億を豪語していても、それだけじゃないよね、ってのは株式投資をされている方はみんな分かっているはずで、それでも時価総額が2000億になったのは紛れも無く投資家のコンセンサスが「買い」だったからに他ならないわけで、それを上手に使って経営をしている側がどうこう言われるのはどうも筋違いな気がするんだよな。もちろんそこに不正があったならば、それは全く別な話なので、しつこいけど念のため。

とりあえずやっぱりまとまりの無い文章で申し訳ないけれど、本日は以上。




明日ゆっくり書きまする

2006-01-21 09:51:29 | ライブドア問題
せっかくお出でいただいたみなさま、すみませぬ。
先ほど帰宅いたしまして、現在スイスは日付が変わって土曜日の朝、と言うか金曜の夜中の2時前でございます。
明日またアップいたしますので、本日最後の力を振り絞って書いた拙日記をご覧いただければ幸甚です。

おやすみなさい~~・・

ライブドア問題への考察~日経に突っ込むぞ

2006-01-20 07:50:39 | ライブドア問題
さてここ数日のたくさんのアクセス有難うございます。余り気の利いた意見とか、裏の方からのニュースソースってのはありませんが、まあメンタン切って勝負していくしか無いのですが、頑張ります。

さて拙さるさる日記に少し触れたように、本日はずっと出張して顧客訪問をしていたので情報端末やらネットからのニュースに触れることが出来なかったため、移動中に久々に日経をじっくりと読んだのだが、まあ言葉巧みですごいとあらためて感心してしまった。
まあ昔から日経の記事は云々を言われているし、今さら驚くには値しないのであるが、正直識者ぶった記者諸氏をはじめ、自称識者の方々のご意見のなんと素晴らしいこと。

JCOMショックの時にここで書いたように、市場の求めることとは常に「裁定チャンス」なのである。つまり値段に歪みがあればそれを是正する、それが市場の掟のようなものである。それから派生したのが例えば個別株のロング・ショートと呼ばれるヘッジファンドが好む手法であったりする。何も個別株のみならずセクター間ロングショート、いわゆるマクロなロングショートなんてのもある。
投資家ってのは青目黒目(これはもしかしたら証券用語か、青目=外人投資家、黒目=日本の投資家を言う)を問わず、常にその機会を狙っている。
結局単純に株を買う、と言う行為だって、それを買う人はそれが割安だと思っているから買うわけで、これだって広義の裁定(アービトラージ、以下アビトラ)であろう。
そういう観点から見た場合、例え山ほどの個人投資家が市場に参戦しようが、デイトレーダーたちが日々何百回も取引を繰り返そうが、それはアビトラの効果がより緻密になる効果があって、そして同時にアビトラチャンスが減ってきてる、って事であると個人的には考えている。

例えば現在では日経平均の入れ替え~なんて言うとこぞって個人投資家も参戦してくるようになった。自分なりの予測を立てて、日経平均から外れそうなモノを売って、新たに入りそうなモノを買う、と言う事だが、これなんてかつては機関投資家やらの専売特許であった訳だ。各証券会社の調査部門が色々調べて候補をリストにして、セールスはそれを機関投資家に持ってって、そして彼らが動く・・
特に日経平均をターゲットに運用している先なんてのは、新規採用銘柄をいずれにしてもポートに組み入れなければならない訳だから、どうしたって彼らは買う。それなら先回りして自分でリスクを取って・・と誰もが思うわけで、それがかつては機関投資家&証券会社で何となく完結して、そしてその後個人がそれに乗ってきて・・って感じだったのが、今じゃ機関投資家(特に国内系はいずれにせよ意思決定に時間が掛かるので、遅い)が後から乗っかってるって始末が現状だ。
こういった動きはぶっちゃけ機関投資家相手の証券マン、そして投資家自身には非常に邪魔である。がしかし市場にとってはむしろ健全なのであるね。

私も時としてこのデイトレ達やネット投資家が邪魔だ、って思うことがあるけれど、でも私だってリタイアしたらきっとネット投資家になるし、つまり投資に対しては常に万人に平等なチャンスが与えられるのは当たり前であるから、大きな声で文句は言わない(笑)。
(ただ、JCOMショックの後に新規公開してくる銘柄に、1円だの2円だのって指値を置いてくるネット投資家が急増したそうで、これはちょっと苦笑もんだけど)

さて非常に前置きが長くなったが、これは本日日経1面の署名記事、証券部の小平記者の記事に対する反論の前置きである。
記事自体が長いので、私がカッチ~ン!と来た部分を抜粋する。

『株式の大幅分割は個人を市場に呼び込み、市場の活性化には一定の効果はあった。だが、インターネットで頻繁に売買を繰り返す小口投資家を大量に生んだことは、健全な市場につながったとは言えない。』

私の前置きに賛同してくださる方ならお分かりいただけようが、頻繁に売買を繰り返す小口投資家だって、立派に市場では機能しているのである。それが健全な市場につながったとは言えないと言う、その根拠は何か?
付け加えれば、例えばVWAPギャランティー注文。これを執行するにはそれなりのシステムがあって、当該注文銘柄の約定値段をVWAPに近づけるためにそのシステムは頻繁に売買を繰り返すんですよ。インターネット経由じゃなく、小口じゃないけど、でもプログラム経由の電子取引なんだから、同じことでしょう。そちらを責めるならこちらも責めなさい。
こちらを責めることが出来ないのなら、そちらを責めるのは止めなさい、証券部。

記事は以下のように続く・・

『ゲーム感覚の売買で急騰した株価を企業買収に利用する』

私はこういう書き方がすごく嫌いだ。
一体何を根拠に「ゲーム感覚」と言い、そして何を根拠にそのゲーム感覚が株価を急騰させた、と言うのだろうか。
私は、ネット投資家、デイトレ、ライブドア関連銘柄=ゲーム感覚、てその発想が嫌いだ。散々マスコミがそういう言い方をして来たために、いまやそういう図式が完全に国民の間に刷り込まれてしまったと思っている。
ここを読まれているネット投資家の方々の中でどなたか世間に言ったことあります??「私は株式運用をゲーム感覚でやってます!」って。
我々証券マンの神聖なる仕事場をUFOキャッチャーと同義で語らないで欲しいね、全く。
それでなくたってマスコミは常に株式市場で何かあるたびに大騒ぎするんだから、それだったら少しはまともな記者を育てなさいよ、証券部。

(駄目だ、書きながら怒りが湧いてきて眠気が吹っ飛んでしまった・・・)

長くなったけどあと一つ。
「私はこう見る」の欄での漫画家の弘兼憲史氏の意見だ。

『実体が無くても有名と言う理由でIT株などが買われる現象はマネーゲームで”狂乱経済”ともいえる。株をギャンブル的に買って安易にもうけようという風潮が若者を中心に広がっていたので懸念していた。
(中略)気軽な気持ちで株に手を出した個人投資家が「損をしたくない」と焦って売ったために起きた現象(これは東証の売買停止措置を指していると思われる、筆者注)といえる。頭と体を使ってモノを作り出すという労働の原点を見つめなおすよいきっかけになるのではないか』

弘兼さん、お年はいくつか知りませんが、バブルを覚えていらっしゃいますよね。
私が甘ちゃん大学生を終えて初めて社会に入った1986年、その頃にはバブルの足音が聞こえてましたよね。
あの時の”狂乱経済”の主役は貴殿の世代近辺じゃありませんか?株のみならず土地やら絵画やら果てはマンハッタンのビルまで”ギャンブル的に買って安易にもうけよう”としていませんでしたか?
そしてあのバブルの崩壊が、頭と体を使ってモノを作り出すという労働の原点を見つめなおすきっかけになって、そしてそうやってきた結果、日本は氏の懸念するような若者の風潮を生み出す世界になってきた、とは思われませんか?
そして現在、いざ頭を体を使ってモノを作り出したい!って思ったって、大手の工場はみんな海外に行っちゃったじゃないですか。
貴殿のおっしゃる労働の原点はもはやこの国には無いんじゃないか、っていう位、こぞってでかい企業の優秀な老練な指導者達の決断によって外に出て行っちゃったじゃないですか。
どうか、これからも素晴らしい漫画をお書きになって、世間の清涼剤となられることを切に願うと同時に、これからはむやみやたらとこの手の発言は慎まれた方が、と思いますが。確かライブVSフジの時も貴殿のご意見をお見かけした記憶があったものですから、すみません、老婆心ながら。


本日は以上。


ライブドア問題の考察~その2

2006-01-19 07:00:05 | ライブドア問題
拙日記にて先ほど書いたけれど、本日のガタガタ相場の主役はライブドアではなくて東証である。
ライブドアに対する包囲網は徐々に狭まってきている感があるが、個人的にはライブドア社や堀江氏には何の興味も無いけれど、しかしそのやり方に空恐ろしいモノを感じているのは私だけではあるまい。

昨日も書いたけれど、もし容疑の内容が事実であればこれは言語道断、きちんと法に乗っ取って処罰されなければならない。
本日空恐ろしいと感じた点は以下の2点。

まずは東証の西室氏(もと東芝のドンだよね)の発言。一問一答をつぶさに読んでいないし、またそれを報道している所も見付からなかったのだが、報道を読んでみるとその言い方は、ライブドアのお陰で東証のシステムがパンク寸前になったので、14時40分で全取引を停止した、って感じで、とても感じが悪い。

西室社長は、「日本に集中して投資資金を入れていこうという動きが出るなか、個人投資家の増加や外資系金融機関のプログラム取引などが増えている。これに、ライブドア問題に端を発した不安が拍車を掛けた」と説明した。

今まで何の問題も無かったのに(と言っても前代未聞のシステムトラブルがあったのは記憶に新しいが)、ライブドア問題が拍車を掛けてシステムがパンク寸前になった、と言わんばかりの言い草であるね。
この問題、こちら海外では非常に波紋を呼んでおり、ある著名な投資家(私は毎朝この方に電話で相場概況をお伝えしなければならない責務を負っている)曰く、
『一体どういうことなの?そんな幼稚で信頼出来ないシステムだったの、東証って??』

現在東証は注文件数、約定件数共に増強を図っている最中だと言う。
注文件数を750万件から900万件に、約定件数を450万件から500万件に増強するらしいが、いつやるの?って感じだ。
本日13時半くらいの段階で約定件数が400万件を突破したので、結局最後の20分は全取引を停止した、って余りにも一種の公的使命を担った組織としてはお粗末に過ぎないか?
もちろんライブドアの件が引き金になったのは間違いないが、だからと言ってそこに責任を転嫁するような姿勢で良いのかなぁ。実際それらの出来事を「東証ってほんと駄目ジャン」的な姿勢で報道したマスコミは、私の見る限りでは無かったところに空恐ろしいモノを感じるわけだ。

さらに加えて、ライブドア社に関して西室氏は、
『西室社長はまた、ライブドアの粉飾決算報道などに関する東証へのこれまでの情報開示が不十分だとして、同社に正式に情報開示を要請したことを明らかにした。西室社長は「きょうライブドアに対し、今週金曜日(20日)までに回答するように、しっかりとした情報開示をやってくれるよう正式な文書で要請した。ライブドアからもしっかりした開示をやると聞いており、回答は公表する」と述べた。
同社の株式上場について、西室社長は「ライブドアからの回答をみて、上場廃止の基準に抵触するかどうかを決める」と語った。』

大体これって現在そういうことを地検特捜部が調べているわけでしょう?その捜査があって東証も「不備があったなら」みたいなことを言っているわけで、じゃあ特捜が入らなかったら永遠にそのままだったの?って疑問を抱いちゃうと思うのだけれど。
捜査の結果何も無ければそのまま、そして何かあって初めて東証も上場廃止基準云々って偉そうなことが言えるんだと思うんですが、私のこの考え方は間違っているのだろうか。
仮に悪意で考えた場合、ライブドア社の回答が「問題ございません」的であったら、それならOKです、って言うんですか?
捜査の結果が出ないうちに東証が「上場廃止基準に抵触するので、ライブドア社の株式を監理ポストへ移行します」なんて言えるのかなぁ。
それに東証のHPを今日見てみたけれど、そして報道も結構読んだけれど、一体どの「基準」に抵触するのかどこにも書いていないんだよね。
むやみやたらに「上場廃止」なんてのを匂わせることってのは、これこそ強権発動の強制的風説の流布じゃないの?
東証がこんなこと言っちゃって、ますます明日以降注文件数が膨らんじゃって、それでもって明日からの取引時間短縮って非常に稚拙な措置が長引いちゃったら、本当に諸外国からの信頼を損なうよ。
ああ恐ろしや恐ろしや・・・

そして2点目は、経団連会長の奥田氏の、どこかの講演会での発言だそうだが、
『あれはミスった』
みたいなことをおっしゃったらしい。これは「ライブドア社を経団連に入れたのはミスったよ」って意味なのだが、一字一句正確だとすればこれも空恐ろしい。
経団連って奥田さんのモノなんですか?って感じがするんですけど。

こうやって経済界の重鎮の方々が躍起になってライブドアの包囲網を狭めて行ってる姿を見、そしてそれを徹底的に煽って援護射撃をしているマスコミを見、そしてにわか評論家の方々が勝手な無責任なご意見を垂れ流しているのを見るに付け、一体何なんだよ?って思うのは私だけでは無いと思う。

その毎日お話をしている投資家の方とも話したけれど、良いですか、今の日本ってのはほんとハードの部分はもうほとんど中国だに行っちゃって居るわけですよ。
どんなに偉そうなことを言っても、どんなに素晴らしい会社でも、モノを作る工場は結局みんな中国に移転させているわけでしょう?だって日本国内で作ったってコストが見合わないんだから。
つまり今後日本がアジアの、そして世界を引っ張る一翼を担うとしたら、これは我が国はソフト面、コンテンツ面で飛躍するしかないって事でしょう。
つまり我々は今までに無かったようなビジネスモデルなりを果敢に作り上げていかないとならないわけで、私はそういう面では堀江氏はそこに一つの風穴を開けた功績があると思っているのだね。
法のすれすれだの脱法だの、ってフジの時は言われたけど、じゃあそれを今まで放っておいたのは一体誰ですか?って事でしょう。

私は私のフィールドから忠告するが、この問題は決してマスコミのいう事を流し読みしてはいけません。
ちなみに相場全体は大崩はしないと考えているのは私のみならず外人投資家もしかりだからね。911とかの時とは全然次元が違うので念のため。

ちなみに一つ面白いスタティスティックスをご紹介しておこう。

それは、1990年以降TOPIXが2日連続2%以上下げた日以降のリターンである。
ちなみに今回は、昨日は-2.3%、本日は-3.5%と2日連続2%以上下がったわけだが。
1990年以降そういうケースは23回あった。そしてそれが起こってから5日後の事後リターン平均は+2.87%、そして20日後になると+4.83%と、なっているのだね。その事後翌日の平均でも+0.82%。
そして3日連続2%以上安かったケースってのは実は90年以降たったの1回しかないのだね。

現段階スイス時間23時、東京時間朝の6時だけれど、シカゴの日経平均先物は15350円と、大証での引けの15330円を上回ってきている。ナスダックが安いのは昨晩のNY引け後のインテルとヤフーの決算がコンセンサスより悪かったのが原因であろうし、さて90年以降2回目の3日連続になるのか否か、そういう視点でマーケットを見てみるのも一興である。

今日は焦点がややぼけてしまったが、これまで。また明日頑張る。









ライブドア問題の考察

2006-01-18 08:47:43 | ライブドア問題
さて、大勢の方に拙BLOGをご覧頂いたようで、まあ元々のこのBLOGの発端もライブドアだったので、やはりこのニュースが続く限りはこれに対する考察を続けることが私の義務であろうと考えるので、多少トンチンカンなことも書くかも知れないが、ご勘弁いただき、引き続きお付き合い出来る方にはお付き合いいただきたいと思う。

今日は自分のブルーンバーグにキーとなる記事を送っておいて、家でそれを参考にしながら記事をアップする予定だったのだが、何故かブルーンバーグにアクセス出来ない。残念ではあるが、記憶なりネットでの記事を参考にしながら本日の記事をまとめたい。

さて多くのメディア、昨日の段階で私が書いたように非常にお粗末な記事を垂れ流していたことがお分かり頂けただろうか?
昨日のメディアの書き方は、
「マネーライフ社との合併」がその後のバリュークリックの株価の急騰を招いた、と言った論調がほとんどであった訳であるが、本日の報道はその後の株式分割及び決算の黒字化に伴って株価が結局約50倍に跳ね上がったことに触れていた。
しかしメディアの記者諸氏、ちょっと調べるのが遅いよ、それは。そんなもの過去の値動きを普通に調べればすぐに分ることだって。

さて、本日の報道のメインポイントは「株式分割」と「時価総額」だろうか。
ざっと見ても、本当に各社、ライブドアのやることはどんなことでも悪であるぞ、と言う感じで、全く坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって感じだ。
ただそれに乗じてこの株式分割やら時価総額経営やらがなんだか「悪」のイメージを持たれるのは、単に証券関係者のみならず、一般上場企業も困るはずである。
また、ライブドア株のストップ安に連動してあたかも市場全体が暴落したような印象を受ける記事も散見されたが、これも厳密には100%正確であるとは言い難いことにも注意しておく必要がある。

そこで本当は東京からもらった資料の出番になるのだが、残念。

おおお、と言いつつ最近導入したウイルスソフトを一時停止したらアクセス出来た!!

一つは、2001年以降に10株以上の株式分割をした会社(東証1,2部だと思う。JASDAQ銘柄リストは別にある)のその後の株価のパフォーマンスリスト。
この表自体を直接貼れない私のPCスキルに泣けるが、当該会社はのべ33社ある。
ここで「のべ」と書いたのは実は2001年以降ライブドア本体は3回分割をしているのだね。(以下”本日=1月16日終値のこと)
また間違いなくこの資料は分割後の株価を分割前の株価とアジャストしているはずなので、例えば1000円の株を1:10に分割すれば1株100円になるけれど、この1000円と100円を比べているのでは無いことは直感的にお分かりいただけるだろうが、念のため。

それはちなみに、
03年8月20日 1:10 そこから本日までの株価は+1159.5%!
04年2月20日 1:100 この日から本日までは 69.7%
04年8月20日 1:10       ”     32.4%
のパフォーマンスとなっていて、これは物凄いパフォーマンスだ。ゆえにこの分割によって一見株価が急騰したようにも見えるが、これは何ら悪いことでは無い。
株式分割自体は流通する株数を増やして多くの投資家に自社の株を買っていただきたい、と言う企業側の願いであって、しかしこのパフォーマンスを見る限りはそれを諸悪の根源である、と言いたいマスコミ諸氏の気持ちも分らないでは無い。
ただ、そのリストの残りの30社のその後のパフォーマンスを見てみると・・・
実はそのうち17社の株価のパフォーマンスは、分割日から今日までを見た限りではなんとマイナス!なのである。

つまりマスコミはあたかもこの株式分割が一種の錬金術の一助を担っているような書き方をしているが、一般的には実はそうとは言い切れないのである。
また追加補足をするなら、あのライブドアマーケティング社だって、実は分割日から本日までの株価を見てみれば、なんとマイナス78.2%のパフォーマンスなのであるよ。
確かに分割発表直後に限ってのリストがあればそれは全然違う結果が出るかも知れない。
しかしながら私はこのマスコミの言葉巧みな、しかもにわか知識を振りかざすような論調にはどうしても我慢が出来ないね。。
あくまでも分割をしようがしまいが、如何に多くの投資家に自社の株を買っていただくか??その結果が株価の高騰である、と考えるのが極めて普通だと思う。

だってね、もっと言えば、ライブドアの株ってのはネット投資家専門の株のようなイメージを持っている人も少なくないと思うけれど、一度四季報とかで大株主をご覧頂ければ分るけれど、錚々たる超世界的有名外資系ファンドなんかだって、堂々と買っているんだよね。彼らが株を買う理由ってのは、単に分割をしたから、或いはするから、とかそんな単純な理由ではないことをはっきり断言しておこう。
もしかしたらライブドア社はきちんとしたIR等を当該外資系に対して行っているかもしれない。そういったきちんとしたファンダメンタルな理由が無ければ彼らはまず大株主になるほどは買わない。

最後にもう一点。
今日(17日)の相場はあたかもライブドアのせいで下がったような論調になっているけれど、まあきっかけはその通りだろうけれど、何人もの特にテクニカルアナリスト達は先週くらいから相場全般に対する警鐘を鳴らしていたことを付記しておく。
特にエリオット波動分析によれば、16500円どころでいわゆる、3-3と呼ばれる波が終息、そこから3-4波に入るだろうとの予測であったのだが、結果的にその通りとなっており、この下げはテクニカル的に十分に説明可能であるのだね。
まあその手の説明は結局後講釈としか見られないケースが多いけれど、一応証券マン的見地からはこの下げはライブドアが無くてもあった、と言っておこう。
また例の消費者ローンのアイフルの子会社に対する最高裁判決、そしてヒューザーに対する証人喚問と、マイナス材料には事欠かなかったし。

ちなみにご参考程度に、このエリオット分析によれば、下値の目処は15000円近辺でこれは月末辺り、その後は横ばいで、夏頃には3-5の波動になって17000~18000円、そしてそこらをピークに今度は大きな波の4波が来て、11月ごろまで相場はだらだらと再び15000円前後を目指す、と言う感じの意見である。11月には米国中間選挙があり、さらに米国株は11月ごろ4年ぶりの安値の波動が来るので、そこらで日本もボトム圏に入ろうか、と言う事らしいが、信じる信じないは貴殿次第なので、わたしは一切責任は持ちません。

ライブドア社は17日出来た株数がたったの80万株程度、そして売れ残りは2億6千万株程度あるようなので、しばらくはストップ安が続こうね。
でも今日80万株出来たって事は本日買っている人が居るってことには注目しておきたい。

株式ってのはね、新聞記者たちがほざくほど単純では無くて、やっぱりリスクを取った人がリターンを得る世界で、それをそれこそ後講釈のような感じで錬金術はどうのこうのってのは正直リスクを取ることをきちんと理解していない連中の負け犬の遠吠えのように聞こえる。
もちろん本当にライブドア社に不正があったのならきちんと捜査するべきだし、それが本当なら市場を欺く重大な行為であることに間違いは無い。
間違いは無いけれど、その尻馬に乗っかって、江戸の敵を長崎で・・じゃないけど、フジの敵をここで取ろうってのが見え見えなのは、カッコよくないなぁ。


ライブドア、ついに司直の手が回る、か・・

2006-01-17 06:27:33 | ライブドア問題
本日の話題においてはもう皆さん、かなり様々なニュースを読まれて研究されていると思うが、まあ続々と報道が入ってきているので一体どこまでを自分なりに消化していいのか良く分からなくなってきた。

とりあえず拙日記にて軽く書いたように、まず今回の事実関係を自分なりにまとめてみたい。
争点となっているライブドアマーケッティング(旧バリュークリックジャパン、そういえばこの会社の発行したMSCBの記事を過去に書いた記憶があるので、興味のある方はこのBLOGのどこにあるか探してみるように)が、マネーライフ社の買収を発表したのが、2004年10月25日。
ちなみにこの時の株式交換比率は1:1。確かに今ゆっくり考えるに、交換比率が1:1って事は両社の会社としてのパワーは同等です、って言っているようなもんで、ちょっと変だね。
片や資本金11億、従業員数40名、片や資本金8千万円で従業員数3名の会社である。
まあ、それは良い。

スイス時間の午前中の報道で目立ったのは(特に朝日の記事)
「バリュー社がマネーライフ社を完全子会社化することを発表した後、バリュー社とライブドアの株価は急騰。バリュー社は04年10月26日に1株16万円(終値)だったのが10日後の11月5日には1株24万1000円まで値上がりした。」
ここに非常なるマスコミの悪意が織り込まれている事に気付いただろうか?
もしバリュークリック社の株が、この10月25日発表の記事にて暴騰したのであれば株価は当然翌日から反応しなければならない。それが何故か「10日後云々」になっているのは何故だ?

     (値段) (出来高)
F 11/19   3760 72000
T 11/18   3880 116300
W 11/17   3680 188200
T 11/16  4000 114900
M 11/15  4500 164800
F 11/12  4000 31600
T 11/11  3500 13800
W 11/10
T 11/ 9
M 11/ 8   2200 117100
F 11/ 5  2410 67000
T 11/ 4  1910 15700
W 11/ 3
T 11/ 2  1710 10500
M 11/ 1  1630 7500
F 10/29  1700 8500
T 10/28  1670 18600
W 10/27  1620 19500
T 10/26 L 1600 25900
M 10/25  1790 33200

2004年当時の株価の推移(分割算定後なので単位が少々違うが)、25日発表日の株価は1790円、そして翌日26日は最安値の1600円を付けているのだ。確かにその後徐々に株価は上昇を始めたが、報道の言う10日後の11月5日には確かに2410円を付けているが、実はこの株の本格的上昇はその後で、あの株式100分割を発表した11月8日以降なのである。
そして9ヶ月決算発表を11月12日に迎え、ここで一気に黒字転換の発表をしてから株価の勢いは止まらず、その後12月16日には最高値なんと80500円を付けているのである。つまり朝日の言う短期間で約50%の上昇どころか、たかが1ヶ月ちょっとで約50倍の値上がりであるよ。何故これに触れない??

つまり単にマスコミから流されている報道を鵜呑みにしてしまうと、あたかもバリュークリック株はそのマネーライフ社との合併報道によって株価が凄い勢いで上昇、しかもこの合併にからくりがあったから「風説の流布」なのだ!と言っているように聞こえるわけで、これこそわたしに言わせれば風説の流布じゃないの?って事だ。

その後聞こえてくる報道によれば、結局決算に虚偽の報告があった、またライブドア本体からの指示により云々、さらに他の会社買収時にも何かからくりがあった・・・となっているが、まあマスコミが大いにはやる気持ちは想像するに難くないが、あれだけライブVSフジにて醜態をさらしたのだから、もうちょっと紳士的な態度で報道するべきだと思うし(ライブドアに肩入れをする気は無いけれど)、この朝日の報道だって間違いでは無いけれど、我々はますますマスコミ報道を疑って掛からなければならないなぁ、やれやれ、と思うわけであるね。

ちなみに確かに決算は変かも知れない。営業利益、経常利益、そして純利益の全てが赤字だった会社が突然全部黒字になっているのだね。
決算短信を見てみたけれど、もちろん私のような素人が分るような細工はされていないだろうけれど(笑)。

それと、マネーライフ社との合併報道における発表文にて、お互いの大株主及び持ち株比率と言う項目があって、バリュークリック社の方は「株式会社ライブドア、75.06%」となっており、片やマネーライフ社の方は「VLMA2号投資事業組合、100%」となっている。
現段階での一つの争点は、この「VLMA2号投資事業組合」ってのは実はライブドアが100%出資しているベンチャーファンドである、と言う事だろう。
つまり報道が本当だとすれば、このマネーライフ社は既に事実上ライブドアの子会社であって、あたかも自分達とは縁もゆかりも無い会社を今回買収いたしました、って事になるわけで、確かにこれは投資家を欺いている行為であろう。
ちなみにこの発表文の「当事会社の概要」の部分において、

(15)当事会社の関係
資本関係~該当事項はありません
人的関係~該当事項はありません
取引関係~該当事項はありません

となっているから、もしこのVLMA2号がライブドア全額出資のベンチャーファンドだとしたら、これは完全に虚偽記載になるだろうね。
(蛇足だが、このV、L、M、A、どれを取ってもバリュークリックだのライブドアだのM&Aだのを想起されるようなネーミングだよね。)

但し上で述べたように、この合併の報道自体は「風説の流布」には当たらないと私は考えるが、皆さんは如何様にお考えか?


そしてもう一点今回のニュースが浮き彫りにしてくれた大事な事がある。
それは、カリスマ的なトップの会社への投資は、通常の会社とは別なリスクがある、と言うことである。
これは前にも私は書いていると思うけれど(多分拙日記の方だったかも)、トップのカリスマでぐいぐい伸びている会社の大きな課題は「後継者」だと常々思う。
有名どころでよく取り沙汰されるのが、NIDECの永守さんだろう。彼は3度の飯より仕事が好きで、趣味は四季報を読むことらしいけど、彼に匹敵する後継者ってのはなかなか出ないだろうし、ゆえに彼に不測の事態が起こったときに果たしてかのグループはどうなるのか・・・そういうリスクの恐ろしさをあらためて顕在化してくれたのが今回の出来事であろう。(実際その手の出来事は過去にも起きている。例えばあのTSUTAYAのライバル会社のGEO。この創業者社長はある日きわめて不測の事故で急逝され、翌日以降しばらく株は下落した)

恐らくライブドア社をはじめとする系列各社の株価は明日以降とりあえず惨憺たることになるだろうことは誰でも想像が付く。
何たってあの堀江氏まだまだ若いし血色も良さそうだし、ちょっとやそっとじゃ倒れないイメージがあるが、まさかのこの報道・・つまりこういう事もリスクファクターとして我々は今後頭に刻む必要がある、と言うことだと思う。
新興企業は大体がこの手のカリスマトップによってここまで突っ走ってきているわけで、仮に長期投資を前提とするならば、今回のようなことが起きた場合、果たして当該会社には少なくとも切れ者のNo.2が居るのかどうかは調べておく必要を我々に教えてくれている気がする。

取り急ぎ本日は以上。




申し訳ない!

2005-08-29 06:00:02 | ライブドア問題
拙日記に書いたように明日が引越し本番なので、今宵はラストスパート中です。。
コメント欄にまた色々お書きいただいておりますが、レスはもうちょいお待ちください!
ただ明日も普通に出社いたしますので、新しい材料探しについては事欠きませんので(笑)、明日の晩上手くADSLの移転が完了していれば、明日書きますので。
もし明日まだ記事がアップされていなかったら、それはスイスのそういった系統の仕事が遅いのだなぁ、と思ってくださいませ。

YOZANのMPO~その2

2005-08-10 05:56:06 | ライブドア問題
投資が自己責任である以上、様々なニュースをどう解釈してそれを自己の投資行動に役立てるかはご本人の責任である。
がしかし、極めて客観的な解釈の仕方なり説明なりをきちんとすることは、これは証券マンの社会的役割だと思う。
今回のYOZANのMPOにては、某掲示板をずっと拝見しているが、基本的な知識がありながらもそれをどうもご自身の投資行動(それがホールド中なのか、これからの投資を考えているのか、あるいは既に売却されたのか・・)によって、都合よく解釈しよう、と言う(ある意味当たり前かもしれないが)ご意見が散見される。

昨日書いたとおり、証券マンとしてどうしても今回の件にて気になる第1点は、今後のMPO市場に間違いなく当局からの規制なりが入りそうだ、と言うことだ。
このあまりにも仁義無きLDグループの引き受け方法には、少なくとも証券関係者は呆れ返っているはずだ。
相対的に直近の新光証券のMPOが光って見えてしまう辺りがその証左であろう。
ただ、少なくとも、最初に野村が全精力を傾けてこのMPO狩りを行い、また周辺の証券会社も出来る範囲で行い、そして新光辺りが多少気を使いながらそれを行っているさなかに、突如のLDのこのやり方で、恐らく一流どころの動きが多少止まるかもしれない。
これは昨日書いたAさんと一致した見方である(彼は元Nの非常に優秀な証券マン、例のタワーのK氏は彼の後輩であり、Aさんご自身K氏を良くご存知であるようで、結構楽しいエピソードを聞かせてもらっている)。

もう一度今回のYOZANのMPOについての客観的な見方をかいつまんで書いておく。

割と個人投資家の方々が気にする5%ルール。(ちなみに我々はこれは本当に参考程度にしか見ない)
今回のMPOの払込日である8月24日以降、5%以上のホルダーはこの報告義務を負うわけであるが、これは潜在株式もそれに該当する。
つまり間違いなくライブドア証券およびライブドアファイナンスは24日以降に発表されるYOZANの5%ルール報告にその名前が載る。
転換しているとかしていないなんてことは関係ないので、念のため。生株で持っていようが、CBで持っていようが、載る。
CBの場合は、報告締め切り直前の転換価格によってその株数に若干の変化があろうが、その算出方法は皆さんご存知の通り、
CBの保有額/転換価格 にて算出される。
(ちなみに過去に書いたが、これにて算出される株数が「デルタ100%」の値であるね。)

また高取育英会なる会社が、10月1日以降、LD証券に最大4000株を貸借することで合意している。
金額にしてたかだか1億円相当である。
私はこれもどうも対外的目くらましのような気がしてならないのだ。
この程度の貸借をわざわざ書く必要が正直あるとは思えないのだな。
そしてこの情報を持って、中には「この程度の株数では売り崩しは出来ないでしょう」と言う憶測を呼んだりしているが、果たして真相は私にも分からない。
分からないが、転換のプロシージャーを考えること、さらに日本の借株市場を考えることが多少の助けになるかもしれない。

転換社債の転換の過程と言うのは、実は皆さん分かって居そうでちゃんと分かっていないと思う。これは証券マンでもそれに関わっていないとなかなか分からない。
転換社債のホルダーがそのCBを転換したいと思ったときには、
1.転換請求を主幹事に出す
2.主幹事は転換副代理人と呼ばれる日本の信託銀行やら銀行やらへ転換指示を出す
3.転換請求を受け取った副代理人は、当該会社へその旨通知する
4.当該会社は株券を指定の口座へ送付する
5.その株券が入った段階でようやく転換のプロシージャーは終了する

ざっとこのような過程を経る。
スイスにて発行されたCBの場合は、株券はT+3ベースでその株の買い方にデリバーされる。
つまり理論的には今日の東京市場で転換請求を出すと同時に転換売りをすれば、その決済日にはデリバーするべき株券が自分の口座にはいっているはずなので、決済は滞りなく行われるはず・・なのであるが、スイス市場にて発行のCBの主幹事は、在スイスの証券なり銀行が務めるわけで、ゆえに時差の関係でデリバーが一般的に1-2日遅れる。
ゆえにまずはCBを転換して、それから後日当該株を売却せざるを得ない。
これがユーロ市場なり東証であると、株券のデリバーには数週間かかるので、これらの場合は鼻から転換即株売却、と言う行動は理論的には行えない。
(但し保振りがさらに進展すればこのような事は無くなるかもしれないが)

そこで登場するのが、信用のつなぎ売りであり、また借株を使った売却である。
但し、信用の場合は下手をすれば売り方に逆日歩が付き、また借株の場合は借株料が掛かってくる。
さらにマージン(信用取引)の場合、当該銘柄が現物取引オンリー銘柄であれば意味ないし、また借株にしても一般的に小型株の借株と言うのは容易ではない。
そこで特にこのMPOの主幹事を務めるに際して考え出されたのが、大株主から前もって株を借りる、って言うやり方なのであるね。

さてこの借株市場であるが、日本においては外資系が圧倒的に強い。
この借株(貸し株)業務を積極的に行っている証券会社には厳然たるピラミッド構造が存在する。
これにおいて圧倒的に強いのが米系である。
なぜか?
それは米国の巨大年金等にアクセスがあるからなのであるね。カリフォルニア州年金だとか退役軍人何たら年金だとか、この手の巨大投資家は例えば日本株にしてもありとあらゆる銘柄を保有しており、米系証券はその辺からほぼどんな銘柄でも借りられるようだ。
そしてそのおこぼれが次点の証券会社の貸し株デスクに回ってきたりするので、ピラミッド構造と言うわけだ。
ソニーだ日立だはどこの証券会社でもイージーにしかも安く(5BPとか10BPで借りられる)株を調達できるが、ちょいと小型になると普通にこの業務をやっているのではとても調達できない。
例えばある小型株のCBが出た場合、各ブローカーがまず行うことはこの借株を探すことである。いち早く見つけて借株を押さえた所が、第1幕では勝利を収める。
ただ株は借りても肝心のCBが回ってこなければヘッジなりに役立たない。万一勝利を収めたブローカーが実はCBが手当てできずにその株が不要になったらどうするか?
そう、欲しがっている所へ又貸しすれば良いのである。
借株市場を普段から注意しておくと、突如引き合いにでる銘柄があるが、大体そんな時はその銘柄の何かしらのファイナンスが行われる時であるのだ。
(但しそのファイナンス公表前に借株市場が動き出すって事は、その情報がどっかから漏れていることに他ならず、これは個人的にはインサイダーに抵触すると思うのだが、それで摘発された話は聞いたことが無いのが少々不思議である)

CBに関連して借株を使っての投資行動は、何も売り崩しだけが目的では無く、例えばトレーダーにすればそれは転換による利益確定もある。
この際には、種玉さえあればあとは転換請求を継続的に行っていくことにより、株券がどんどんCBから生まれてくるので、最初の種玉を第1回目のデリバーに充てて、後は順次生まれてくる株券をその後の株売却に伴うデリバーに充てていけば、セトルメントはきちんと行える。
今回のYOZANの株券貸借契約を善意に解釈すれば、その方法により1億ずつではあるが、LDは着実に転換売りを執行できる。
しかしながら借株契約と言うのは相対の契約であるので、何も対外的に公表する必要は無い(はずだ、と記憶している)。
つまり、悪意に解釈すれば、対外的にはたった4000株ではあるけれど、こういう契約を一応しています、とアナウンスし、同時に他の大株主からごそっと株を借りている、なんて事もあるかもしれない。
但し、みなさん、ライブーCXの時に学ばれたように、この借株も5%ルールに反映されるので、念のため。

上記のような知識をしっかり習得した上で、あとは各人の解釈によってどんな投資行動を取られようとも、それは自由である。
分からないことを誰かに聞くことは恥でもなんでもない。どうか何か疑問点があればコメント欄にお書きください。分かる範囲でお答えします。