地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

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ライブドア問題の考察~その2

2006-01-19 07:00:05 | ライブドア問題
拙日記にて先ほど書いたけれど、本日のガタガタ相場の主役はライブドアではなくて東証である。
ライブドアに対する包囲網は徐々に狭まってきている感があるが、個人的にはライブドア社や堀江氏には何の興味も無いけれど、しかしそのやり方に空恐ろしいモノを感じているのは私だけではあるまい。

昨日も書いたけれど、もし容疑の内容が事実であればこれは言語道断、きちんと法に乗っ取って処罰されなければならない。
本日空恐ろしいと感じた点は以下の2点。

まずは東証の西室氏(もと東芝のドンだよね)の発言。一問一答をつぶさに読んでいないし、またそれを報道している所も見付からなかったのだが、報道を読んでみるとその言い方は、ライブドアのお陰で東証のシステムがパンク寸前になったので、14時40分で全取引を停止した、って感じで、とても感じが悪い。

西室社長は、「日本に集中して投資資金を入れていこうという動きが出るなか、個人投資家の増加や外資系金融機関のプログラム取引などが増えている。これに、ライブドア問題に端を発した不安が拍車を掛けた」と説明した。

今まで何の問題も無かったのに(と言っても前代未聞のシステムトラブルがあったのは記憶に新しいが)、ライブドア問題が拍車を掛けてシステムがパンク寸前になった、と言わんばかりの言い草であるね。
この問題、こちら海外では非常に波紋を呼んでおり、ある著名な投資家(私は毎朝この方に電話で相場概況をお伝えしなければならない責務を負っている)曰く、
『一体どういうことなの?そんな幼稚で信頼出来ないシステムだったの、東証って??』

現在東証は注文件数、約定件数共に増強を図っている最中だと言う。
注文件数を750万件から900万件に、約定件数を450万件から500万件に増強するらしいが、いつやるの?って感じだ。
本日13時半くらいの段階で約定件数が400万件を突破したので、結局最後の20分は全取引を停止した、って余りにも一種の公的使命を担った組織としてはお粗末に過ぎないか?
もちろんライブドアの件が引き金になったのは間違いないが、だからと言ってそこに責任を転嫁するような姿勢で良いのかなぁ。実際それらの出来事を「東証ってほんと駄目ジャン」的な姿勢で報道したマスコミは、私の見る限りでは無かったところに空恐ろしいモノを感じるわけだ。

さらに加えて、ライブドア社に関して西室氏は、
『西室社長はまた、ライブドアの粉飾決算報道などに関する東証へのこれまでの情報開示が不十分だとして、同社に正式に情報開示を要請したことを明らかにした。西室社長は「きょうライブドアに対し、今週金曜日(20日)までに回答するように、しっかりとした情報開示をやってくれるよう正式な文書で要請した。ライブドアからもしっかりした開示をやると聞いており、回答は公表する」と述べた。
同社の株式上場について、西室社長は「ライブドアからの回答をみて、上場廃止の基準に抵触するかどうかを決める」と語った。』

大体これって現在そういうことを地検特捜部が調べているわけでしょう?その捜査があって東証も「不備があったなら」みたいなことを言っているわけで、じゃあ特捜が入らなかったら永遠にそのままだったの?って疑問を抱いちゃうと思うのだけれど。
捜査の結果何も無ければそのまま、そして何かあって初めて東証も上場廃止基準云々って偉そうなことが言えるんだと思うんですが、私のこの考え方は間違っているのだろうか。
仮に悪意で考えた場合、ライブドア社の回答が「問題ございません」的であったら、それならOKです、って言うんですか?
捜査の結果が出ないうちに東証が「上場廃止基準に抵触するので、ライブドア社の株式を監理ポストへ移行します」なんて言えるのかなぁ。
それに東証のHPを今日見てみたけれど、そして報道も結構読んだけれど、一体どの「基準」に抵触するのかどこにも書いていないんだよね。
むやみやたらに「上場廃止」なんてのを匂わせることってのは、これこそ強権発動の強制的風説の流布じゃないの?
東証がこんなこと言っちゃって、ますます明日以降注文件数が膨らんじゃって、それでもって明日からの取引時間短縮って非常に稚拙な措置が長引いちゃったら、本当に諸外国からの信頼を損なうよ。
ああ恐ろしや恐ろしや・・・

そして2点目は、経団連会長の奥田氏の、どこかの講演会での発言だそうだが、
『あれはミスった』
みたいなことをおっしゃったらしい。これは「ライブドア社を経団連に入れたのはミスったよ」って意味なのだが、一字一句正確だとすればこれも空恐ろしい。
経団連って奥田さんのモノなんですか?って感じがするんですけど。

こうやって経済界の重鎮の方々が躍起になってライブドアの包囲網を狭めて行ってる姿を見、そしてそれを徹底的に煽って援護射撃をしているマスコミを見、そしてにわか評論家の方々が勝手な無責任なご意見を垂れ流しているのを見るに付け、一体何なんだよ?って思うのは私だけでは無いと思う。

その毎日お話をしている投資家の方とも話したけれど、良いですか、今の日本ってのはほんとハードの部分はもうほとんど中国だに行っちゃって居るわけですよ。
どんなに偉そうなことを言っても、どんなに素晴らしい会社でも、モノを作る工場は結局みんな中国に移転させているわけでしょう?だって日本国内で作ったってコストが見合わないんだから。
つまり今後日本がアジアの、そして世界を引っ張る一翼を担うとしたら、これは我が国はソフト面、コンテンツ面で飛躍するしかないって事でしょう。
つまり我々は今までに無かったようなビジネスモデルなりを果敢に作り上げていかないとならないわけで、私はそういう面では堀江氏はそこに一つの風穴を開けた功績があると思っているのだね。
法のすれすれだの脱法だの、ってフジの時は言われたけど、じゃあそれを今まで放っておいたのは一体誰ですか?って事でしょう。

私は私のフィールドから忠告するが、この問題は決してマスコミのいう事を流し読みしてはいけません。
ちなみに相場全体は大崩はしないと考えているのは私のみならず外人投資家もしかりだからね。911とかの時とは全然次元が違うので念のため。

ちなみに一つ面白いスタティスティックスをご紹介しておこう。

それは、1990年以降TOPIXが2日連続2%以上下げた日以降のリターンである。
ちなみに今回は、昨日は-2.3%、本日は-3.5%と2日連続2%以上下がったわけだが。
1990年以降そういうケースは23回あった。そしてそれが起こってから5日後の事後リターン平均は+2.87%、そして20日後になると+4.83%と、なっているのだね。その事後翌日の平均でも+0.82%。
そして3日連続2%以上安かったケースってのは実は90年以降たったの1回しかないのだね。

現段階スイス時間23時、東京時間朝の6時だけれど、シカゴの日経平均先物は15350円と、大証での引けの15330円を上回ってきている。ナスダックが安いのは昨晩のNY引け後のインテルとヤフーの決算がコンセンサスより悪かったのが原因であろうし、さて90年以降2回目の3日連続になるのか否か、そういう視点でマーケットを見てみるのも一興である。

今日は焦点がややぼけてしまったが、これまで。また明日頑張る。










5 コメント

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いつも楽しく拝見させてもらってます (たろ)
2006-01-19 07:56:53
 なんとなくですが、全体の流れをまとめると、一つの流れに纏まりすぎてる感じがします。



 つまり、全体の意思がひとつの方向に動いたというより、誰かの意思で動いたような感じするのは気のせいでしょうか?



 ライブドアも、ここのところある意味、色々やりすぎた。そこで、力のあるご老人の方を怒れせてしまった・・のでは? というのは 考えすぎでしょうか?



 もしそうなら、その払った代償は、高くつく結果へ向かうのでしょうか? まあ、早晩、市場は、平静をツクロウだろうけど・・・も?



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Unknown (小鬼)
2006-01-19 08:06:06
たろさん、どうもです!



おっしゃる通り何かとてつもない力が動いた、と見ることは十分に出来ると私も思いました。

全く持って力のあるご老人を怒らせたってのはその通りでしょうね。それを示唆するようなネットでの記事もいくつか読みました。

そして仮にそれが本当であるならば、空恐ろしくてたまりません。だとしたら我が国の未来は本当に悲しい物になっちゃう気がしてならないのです。しかるに、私はその手のコネクション等は一切無いので、世の中に出てくる事象に対して自分の知識できちんと立ち向かって、そしてどちらを取るかは後はみなさん次第だなぁ、って思ってます・・・

今日の記事を書いたことによって、20年後のあっしの経団連入りは諦めました(自爆)
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東証社長の確信? (tsubaki)
2006-01-19 16:48:58
はじめまして。

クライン孝子さんのサイトにリンクをいただいている者です。



「東証社長の確信?」とタイトルに書きましたのは、以下のご意見板の私の考えによります。

お説には共感を覚えるものがございました。



http://www.janjan.jp/media/0601/0601177852/1.php

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Unknown (SAKAKI)
2006-01-19 16:58:38
トラックバックさせていただきました。

 今回のライブドアの件ですが、私は「力のある老人」というより、このような金融手法が「ネットヤクザ」と呼ばれるようになった事に遠因があるような気がします。もしかしたら廻してはいけない組織に黒いカネが流れたかも知れませんね。

 今なら言えることですが、最近のホリエモンは芸能人のようでした。信長とも呼ばれてました。私にとってそんな大企業グループの総帥が、なぜ芸能活動まで行える時間があるのか不思議でした。そんな会社の株なんか買えませんよ。恐らく、なんらかの違法に近い金の成る方法を得てしまったからと推測しました。

 さて、この事件を米中のスパイ合戦とみるのか、平成の黒幕がいると見るのか、いろいろ意見はあるでしょうが、事実はそのようなカンジではと思っております。
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Unknown (小鬼)
2006-01-20 08:27:05
TSUBAKIさま、初めまして!

リンクのご意見板、拝見いたしました。

おっしゃっていたように海外と国内では、特に株式関係者や投資家ですが、捉え方(東証のシステム停止、ライブドア問題にからんで、です)は違います。これは私もここに居てあの日は肌で感じました。

実際海外の投資家は相場の下落2日目にはほとんどが買いを考えて行動しました。ライブドアはあくまでも個別の問題、システムは由々しき問題、との捉え方がほとんどでした。どうも我が国はライブに重きが置かれすぎで、東証すらある種の被害者的論調もあったり・・・ちょっと恐いです、はい。





SAKAKIさま、トラックバック有難うございます!



貴BLOG拝見させて頂きました。とても鋭い記事が多くて、つい読みふけってしまいました。

確かに状況証拠ではないですけれど、そういうのを重ね合わせていくと結局胡散臭い結果に収束すると私も感じます。

ただ私はほんとそういう方面へのコネも無いし、まあ本業が本業なので(笑)余りその手の情報を収集する時間も無いし、ってことで、その辺の事に関しては正直分らないので、これからもまあ自分の得た「公器」を声高らかに謳う大マスコミから仕入れたネタで勝負していくかな、って思ってます(笑)。

なるほど最近の堀江氏はそうだったんですね。

実は拙宅には日本のテレビが入らないので、動いている堀江氏ってのを余り見たことが無いのです(汗)。

それはかえってラッキーなことかもしれませんね(笑)





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