池田晶子著 講談社 P62より引用
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「そんなに景気が気になるの」
景気がようやく上向きになっているそうだ。
と知ったふうに言うけれども、それがどう
いうことなのか、じつは私はまるきり理解
していない。(中略)
お金に全く関心がないのではない。むろん
お金は欲しいと思う。しかし、そのお金を
増やすためにどうこうする気があるかとい
うと、これが完全にないのである。面倒く
さい。(中略)
なるほどお金は人生の大事なものである。
けれども、人生には、お金より大事なもの
がある。景気が悪くなれば人はそれを考え
始めるのではとも言われたが、さて、どう
だろう。何のために自分は生きているのか
ここらでちょっと考えてみては、如何でし
ょうか。
「初出」「産経新聞」2004年4月15日大阪夕刊
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▼名古屋地方ではお中元、お歳暮はけっして
景気に左右されない。常に悪くなった時の事
を考えて、それを基準にして品選びをする。
と昔聞いた事があります。普段は質素倹約だ
がいざという時の為に貯蓄をして立派な道具
で嫁入りさせる。伝統でしょうか。
景気の良い時は身体の倍ほどの毛皮のコート
に身をつつみ、両手の指に余るほどの宝石を
つけていた某社長夫人を見かけたことがあり
ます。自動車メーカーのH社ではボーナスが
当時100万円以上でたとかで「へ~」でした。
先日も相棒との茶飲み話で、「我が家では全く
いいめをしていないね」「そんな贅沢したこ
とがないね」…と「バブル」とは無縁の我が家
でした。
確かに成り金さんたち、特別な贅沢をされてたのでしょうね。私も縁が無いです。
でも、手放さなくてはならない、それも惨めでしょう。
絶頂期を過ぎると必ずと言っていいくらい、下り坂が待っていますね。世の習いです。あまりお金に拘るのも考えものですね。