出久根達郎著 河出書房新社
ISBN4-309-01654-5 p136より引用
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「組み立て付録」
昭和三十年代の「少年クラブ」「冒険
王」「面白ブック」といった、マンガ
雑誌の本誌ではなくフロクの話題であ
る。そのころ、大抵の雑誌に組み立て
フロクというものがついていた。モー
ターボートだの、ジェット機、カメラ
や幻灯機、映写機、ピストル、機関車
などであった。(中略)
「フロクの話をしましたらね、蔵の中
の段ボールで十箱ほどあったというん
です。昔のフロクの未使用品が。(中略)
「どうしました、それ?」
「ひと足違い、書店さんは処分に困っ
て地元の小学校に寄付しようとしたん
ですって、ところがほら、四十年も昔
のいわばガラクタでしょう?断られた
そうです」「もったいない」
「仕方なく燃やしてしまったそうです」
「四十年も保存しておきながら、ねえ」
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▼↑によると「そうですね、おそらく
目の玉が飛び出るとうな値になると思
います」と私。
とあり、組み立て付録の未使用品はそ
うとうな値段がつくみたいです。当時
は確かに組み立て付録がついていまし
たね。私の記憶にあるのが「エンパイ
ヤーステートビル」の紙の模型で高さ
は、そう1m以上あったと記憶していま
す。また日光写真が大流行していまし
た。日のある日はお日さまにかざして
ワクワクしながら出来上がりを楽しみ
にしていました。あるいは幅5㎝くら
いの紙を1メートルくらい巻いてライン
を数本引いて、最後までたどり着ける
かを楽しむ手作り遊び。新刊マンガの
印刷の匂いを嗅ぐのがとてもうれしい
時間でした。