東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

バチ抜け

2010年03月03日 | 東京湾
出勤時に外へ出た瞬間 お、暖かい!と体感気温でも春を感じるられる日が多くなってきた。

そろそろ毎年恒例の海の虫が騒ぎ出す頃なのであるが何故か大潮周りになると悪天候になり楽しみにしているバチ抜けが観察できないでいたのだが 今日、ようやくチャンスが訪れたので このタイミングを逃すまいと会社から帰宅後、軽く夕食を済ませ近海である東京湾奥の一角に訪れた。

東京湾奥には多摩川、隅田川、荒川、旧江戸川の河川と細かく入り組んだ運河で形成され、他県よりも海に流れ込む淡水の量が多く、塩分濃度が低いのが特徴であり、その汽水域を好む生物が数多く生息している。その中の一種であるゴカイ類が今まさに産卵の時期を迎えている。
普段は海中にある泥や砂の中の巣穴に生息していて観察できる機会は少なく釣具店などで釣り餌として売られている物だけだろう。
ところが潮の干満の差が大きい満月(大潮)の日の夜の満潮時あたりに海底の巣穴から水面付近まで抜け出して、下げ潮の流れに乗せて産卵を行うのである。この産卵行動を“バチ抜け”と言う。湾奥では今時期から6月頃まで色々な種類のバチ抜けが観察できるのだ。

満潮時付近にはチョロチョロとその姿を見せ始めた。

AF-S VR Micro nikkor ED 105mmF2.8G(IF)+内臓フラッシュ

下げ潮が効きだして30分後にはどこからともなくどんどん湧き出てきて辺り一面バチだらけに!

AF-S VR Micro nikkor ED 105mmF2.8G(IF)+内臓フラッシュ

東京湾で見られる一般的なゴカイ類はこのヤマトカワゴカイ(全長、約10cm)であるが、世界中の海では数えきれないほどの種類が生息し、魚類、甲殻類、鳥類などの重要なエサとなっている。また底質の環境指標生物としても注目されているようです。


Sigma MINI ZOOM MACRO 28-80mm F3.5-5.6 ASPHERICAL+GYOROME-8+SB600

このバチ抜けを狙ってマルタ、ボラ、スズキ(シーバス)などの魚達が外海から湾奥へと回遊して来る時期でもある。

それを知っているシーバスアングラー達もそろそろ出動開始。

Sigma 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro

今年も無事に東京湾奥に春到来を意味する神秘的な光景が観察できた。


撮影地:都内運河筋



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