東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

秋のヤゴ調べ

2024年10月09日 | ヤゴ
ここは7月にカトリヤンマの棲家の記事で掲載した水辺環境。その時よりもだいぶ減水が見られ晩秋には渇水に至るシステム。渇水する前が最大のチャンスで、この時期は何が捕れるのか調査を楽しんだ。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
水深が浅い溜まりを網でガサガサ。すると...


Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ギンヤンマのヤゴの天下。その他の水生昆虫はマツモムシ、キベリヒメクロゲンゴロウ。それと、どう言う経路で侵入するのかが気になる、ここでは珍しいアメリカザリガニの幼体も。1匹でもアメリカザリガニがいたら生息数は100匹以上と言う説があるけれど、それは残念な都心部の公園池。ここに今100匹以上いるのはギンヤンマのヤゴ。
また、ギンヤンマの終齢幼虫ならこのサイズのアメリカザリガニを捕食できるはず。本当にギンヤンマのヤゴがアメリカザリガニを食べるのかを見たいので実験用に持ち帰った。

これだけ多数のヤゴが生息しているのであれば、希少な水生昆虫がいても不思議では無いと思い、
もう一箇所、似たような環境下で気になっていた水辺に入ってガサガサした。すると、お!いた。

ミズカマキリとギンヤンマの終齢幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
比較用にギンヤンマの終齢幼虫を入れたけれどヤゴ以外で大型の水生昆虫のミズカマキリに出会えるとは最高に嬉しい。ミズカマキリが生息すると言う事は近縁種のタイコウチ、コオイムシ、東京都絶滅とされているタガメの可能性にも期待できるかも知れない。雨でも来た甲斐あり。冬場に水が無くなる事により外来種の繁殖が断たれる。そんな数少ない水辺こそが在来水生昆虫の棲家。ただ、彼らの外敵は水中に棲む外来種だけでは無い。

野生動物の足跡

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
岸辺には渇水を待ち望んでいる魔の手の存在あり。アライグマやイタチ等の野生動物の足跡が点在していた。飛翔移動可能なミズカマキリ、キベリヒメクロゲンゴロウ、マツモムシ以外のヤゴ達の運命は...残念ながら野鳥や雑食性野生動物の餌食になってしまうだろう。助けてあげたいけれど、自然の摂理に手出ししてはいけない。

※ フィールドでヤゴを撮影する場合は予め白いトレーとペットボトルに水道水を入れ持参して使用しているが、ここは水質がクリアだったので水辺の水を使用した。トレーに入ったゴミはスポイトで取り除いている。また、晴れているとトレーの周りとヤゴの下に影が多く出てしまい映えないので、天気が悪い日の楽しみにしている。

撮影日:10月6日