恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

譲二さんの愚痴(一護本編13話)

2015-02-07 08:25:40 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(一護本編13話)

 

放課後のクロフネ、ハルとりっちゃんがいるところに、一護と百花ちゃんがやってきた。


何日かぶりの百花ちゃんの顔を見て、安心する。

なんか元気そうでよかった。

俺はいそいそとコーヒーを淹れながら、みんなの話に耳を澄ます。

話題はカフェの話になり、百花ちゃんは「いっちゃんはカフェに出すケーキの練習をしているんだ」とうれしそうに話した。

百花ちゃんのうれしそうな様子から、一護は一人ではなく、百花ちゃんを助手に練習してるだろうことは容易に想像がついた。


春樹「へえ、一護、ケーキ作りの練習してるんだ」

一護「ああ。やるとなったら中途半端なことはできねぇしな」

理人「いっちゃんのケーキ楽しみだなー」


一護もいつものふてくされた様子ではなく、覚悟のほどが窺える。

ま、百花ちゃんにいいところを見せたいからなんだろうけどね。


理人「ていうかさー。いつの間に、百花ちゃんもいっちゃんって呼ぶようになったの?」


百花ちゃんの顔が赤くなる。


百花「えっと…それは…」


百花ちゃんは助けを求めるように一護を見た。

しかし、一護はわざと気づかないフリでメニューを眺めている。


春樹「りっちゃん、そーいうのはわざわざ聞かない」

理人「えー…やっぱりそーいう関係なの?」


だよね…。好きな男の子と一緒に暮らしてるんだし…。

二人の間はかなり進んでるよね…。


百花「違うよ」

理人「本当? じゃあなんでいきなり呼び方変えたの?」


りっちゃんはさらに追求する。


百花「それは…。ほら、もともと一護ちゃんって呼んでたじゃない? でも、それがどーしてもダメって言われたから…」

理人「それで、いっちゃんになったの?」

百花「そう」

理人「ふうん…」


りっちゃんは納得してないようすだ。

たまりかねたのだろう一護が口を挟んだ。


一護「そんなこと、どーでもいいだろ、理人」

理人「えー、よくないよー。だって大事な百花ちゃんだもん」


りっちゃん…もう、それくらいにしてあげとこうよ…。

やれやれと思いながら声をかける。


譲二「また百花ちゃんの取り合い?人気者だねぇ」


俺の言葉に百花ちゃんはますます真っ赤になっている。可愛い。


百花「マスター」


俺がちょっと浮かれているのには、実はわけがあるんだ。


譲二「みんなに恨まれちゃうかもしれないけど、お知らせ。明後日には床の修理終わるよ」

百花「そうなんですか?」

譲二「うん。だから明後日以降なら戻れるからね」

百花「はい…」

う…。ちょっと残念そう?


春樹「寂しそうだね。佐々木」

ハル、お前もそう思うんだ。


百花「う、うん…佐東家のみんなにはよくしてもらったから…」

一護「けど…直ってよかったな。百花」

百花「いっちゃん…」

一護「ずっとウチじゃ百花の両親も心配するだろうし。早く直ってよかったな」

百花「うん」

ああ、2人だけの世界だ…。羨ましい…いや。とにかく。


譲二「焦らなくていいけど、戻って来る日が決まったら教えてね」

百花「はい」

 やっと、やっと二階の修理が終わるよー。長かった。

 これでやっと百花ちゃんがクロフネに戻って…きてくれるよね?

 少し不安だ。



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