恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

思わぬ居候~その11

2016-04-21 07:53:40 | 譲二の~勝手に3年後編(吉祥寺恋色デイズ)

前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。

久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。


『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。

そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。

航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。


だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。





☆☆☆☆☆


思わぬ居候~その11

〈譲二〉
貴志がクロフネに迎えに来た。

貴志は明里の夫で俺の親友でもある。

2人は小一時間ほど話し合った。

明里も納得したので、2人でこのまま帰るという。


俺はほっとした。

百花ちゃんと同じ部屋で暮らせるのは嬉しいけど、百花ちゃんは明里に気を使ってなんだか辛そうだ。

これ以上明里に居座られると、百花ちゃんの方が参ってしまいそうに見えた。


(それにしても…)


俺はふっと笑みを漏らした。

明里がもうすぐ帰るだろうと伝えた時の、百花ちゃんの嬉しそうな顔が思い浮かんだのだ。


(百花ちゃんが明里にヤキモチを妬いたのは可愛かったな)


もう、明里とはただの友だちに過ぎないんだけど…。

やっぱり百花ちゃんは昔のことを気にしているのかもしれない。

妬いてもらえて俺自身は嬉しいけど、百花ちゃんに辛い思いをさせるのはね…。



〈百花〉
店の前に見かけたことのない男の人がいる。

……。


(男…の人だよね)


肩までの明るい茶髪で、とてもきれいな人…。

そっとクロフネの中を覗いている。


百花「あの…、お店だったら営業中なのでどうぞ…」


思い切って声をかけてみた。


???「あなた、この店の人なの?」

百花「はい。時々手伝っています」

???「ふーん。昨日とかは休みだったと思うけど…バイトが雇えるくらいは儲かってるんだ…」


その言い方にちょっとムッとしたけど、我慢して聞いてみる。


百花「昨日は休みだったけど、今日は開いてます…。お店に来られたんじゃないんですか?」

???「お客ってこと?」


私が黙って頷くと、その人は顔いっぱいに笑みを浮かべた。

薄茶色の瞳がとても綺麗で、思わず見とれてしまう。


???「んふふ。違うわよ。そうねぇ……敵情視察ってとこかな…。じゃ、またね」


艶やかな笑みを残して、その人は去っていった。

 


『思わぬ居候』おわり



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