恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

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ハルくんの独り言(本編3話)

2014-12-18 08:09:08 | 吉祥寺恋色デイズ 種村春樹

ハル君ルート本編をハル君目線から妄想してみた。
o(〃^▽^〃)o

ハル君の独り言(本編2話)へ


☆☆☆☆☆
種村春樹
身長:177cm 体重:60kg
 血液型:A型 特技:勉強・空手
性格:明るいしっかりもの。
優しくて明るい爽やか少年。
小さなころからしっかりもので泣いているとお花をくれた思い出がある。
4月25日生まれ

☆☆☆☆☆

ハルくんの独り言(本編3話)

 今日は町内の防災訓練。

 高校生になってからは、こういうのも俺の役目なんだよね。

 集合場所の公民館に行くと、佐々木がボーッと立っている。
 俺は思わず声をかけた。

春樹「佐々木! 何でここにいるの?」

百花「あ、ハルくん。マスターがお店を空けられないから、代わりに来たの」

 ちょっと微笑ましく思って俺は言った。

春樹「そっか、えらいな」

百花「でもハルくんだって、参加するんでしょ?」

春樹「うちも、親が店で忙しそうだったから」

 休みの日に佐々木と会えるなんて、超ラッキーかも。


 二人で話していると声をかけられた。

一護「…お前も来てんのかよ」

理人「こんな朝っぱらから訓練なんて、お互いついてないね…」

百花「あ、一護くんとりっちゃん。みんなも来てたんだね」


 リュウ兄にタケも来ていて、結局全員集合になってしまった。

 俺たちがワイワイ話していると、町内の人にバケツリレーを促された。



 俺たちは男だからなんでもないけど、佐々木は大変そうだ。

百花「こんなのテレビでしか見たことなかったのに…おいしょっ…はい、リュウ兄」

竜蔵「遅いぞ! 百花、もっと早く持って来いよ!」

百花「ええっ!?」


 俺は無茶をいうリュウ兄に文句を言った。


春樹「リュウ兄、一人だけペース早すぎだろ」

竜蔵「何言ってやがる、火は待ってくれねーんだぞ! 俺の大事な店が燃えてるかと思うと居ても立っても…」

 一生懸命なあまり、自分の妄想にのめり込んでるリュウ兄にため息をついた。

春樹「大丈夫だよ、燃えてないから」

竜蔵「バカ! こういうのはイメージが大事なんだよ!」

百花「ふふっ…」

 佐々木が笑ってる…。

 リュウ兄に言われたことを気にしてないなら、まぁ、いいか。



☆☆☆☆☆

 バケツリレーの後、町内会の人に言われて倉庫に防災具を取りに行く。

 みんなめんどくさがってしないから、結局「俺がするよ」ってことになるんだよね。

 ま、いつものことだから慣れてるけど。

 ヤレヤレと思いながら倉庫に行った。



☆☆☆☆☆

 倉庫で防災具を揃えていると声をかけられた。

百花「ハルくん」

春樹「うわっ! ビックリした…佐々木か。もしかして、ついてきたの?」

百花「1人じゃ大変でしょ? 手伝うよ」

春樹「ありがと。でも、いいよ。重いからたぶん佐々木じゃ無理だし」

百花「任せといて。これ持って…わっ」

 袋を持ち上げようとした佐々木がよろける。

春樹「だから言っただろ? 貸して」

百花「あ…ありがとう」


☆☆☆☆☆

 二人で戻ろうとしていた時、アナンの声がしてガチャッと扉のしまる音がした。

 慌てて戸を開けようとしたが、ご丁寧に鍵までかけて行ったようだ。

 俺は叫んでみたが、倉庫の回りには誰もいないみたいだ。



春樹「まあ、そのうち誰かが気付くだろ。余計な体力消耗するのもイヤだし、おとなしく助けを待ってようか」

百花「う、うん」

 佐々木はちょっとビビっているのかおとなしい。二人で突っ立ってても仕方が無いので、俺は床に座り込んだ。


春樹「佐々木も座りなよ。…って、なんでそんな端っこに行くの?」

百花「な、何でもない…」

 やっぱり女の子だなぁ。閉じ込められたのが怖いみたいだ。

春樹「もしかして、暗いところ怖い?」

百花「そ、そんなことないよ。大丈夫」

春樹 「ははっ、強がってる。こっちおいでよ」

百花「えっ!? い、いや、ほんとに平気だから!」

春樹 「強情だなぁ…じゃあ、いい」

 俺は佐々木の隣に座った。

春樹「俺が来てあげた」

 そっと隣の佐々木を見下ろした。佐々木は覚えてるかな?

 不安そうな佐々木を元気づけようと、子供の頃の思い出話をする。

春樹「昔、公衆電話のBOXの中で佐々木と二人で雨宿りしたことあっただろ? なんか思い出した」

百花「うん…」

春樹「もう暗くて、きっと母さん達、怒ってるんだろうなって、一緒にビクビクしてたよな?」

百花「そんなこともあったっけ…」

春樹「あの時も佐々木、不安そうな顔してた。だから、ずっと一緒に手を繋いでたの、覚えてる?」

百花「…そうだっけ」

 まだ、不安そうな佐々木のことが気になる…。なんとかして元気づけたい。

春樹「…怖い? 手、繋ぐ?」

百花「じゃあ…繋いでほしい…な」

春樹「ふふっ。やっぱ怖いんじゃん」

 ちょっと微笑ましく思いながら佐々木の手をぎゅっとにぎる。

春樹「ん…佐々木ってこんなだったっけ?」

百花「こ、こんなって?」

春樹「なんか、手、ちっちゃくなった? 俺の手に、すっぽりおさまってる」

百花「…ハルくんの手が、おっきくなったんだよ。あっ、あそこ、上に小窓があるよ」


 佐々木が指差す方をみると確かに小窓がある。


春樹「ほんとだ。でも、俺が抜けるにはちょっと小さいかな」

百花「じゃあ、私が外に出てカギを開けるよ!」

春樹 「危ないからやめとけって。心配しなくっても、そろそろ誰かが…」

百花「やれる事はやってみないと」

 一生懸命な佐々木に説得されて、俺も手伝うことにした。佐々木が踏み台に上って行く。

百花「よいしょっ、と・・・」

春樹「足元気をつけろよ。ぐらついてる」

百花「あ、窓はカギがかかってないみたい」

 そう言った途端、踏み台と一緒に佐々木が降ってきた。

 慌てて抱きとめようとしたが、佐々木共々俺も倒れてしまった。

 しかも、佐々木はなんだか痛そうな顔をしてる。

 俺の受けとめ方が下手くそで、佐々木は足をくじいてしまったみたいだ。



☆☆☆☆☆

 結局、倉庫からは、妹の紗枝が俺たちを見つけ出してくれたので出ることが出来た。

 そして、足をくじいた佐々木をおんぶしてみんなのところに戻った。

 佐々木は随分遠慮してたけど、「おんぶが嫌なら抱っこしようか?」と脅したら、あっさりおんぶを選んだ。


 みんなからは色々からかわれたけど、佐々木を怪我させたのは俺だからね。

 学校でもそうだけど、佐々木は危なっかしくて目が離せない。

 そして、そんな佐々木を守ってあげれるのは俺しか無いって思うんだけど…。



☆☆☆☆☆

 解散になり、佐々木をおぶったまま帰ろうとした。

紗枝「早く帰って一緒にテレビ見ようよ、お兄ちゃん」

一護「ハル、こいつ重いだろ? ふてー足してるし」

春樹「ははっ、おっきくなった証拠だよ」

一護 「何ムスッとしてんだよ、百花」

百花「重くてごめんねっ!」

 うわ、そんなつもりじゃなかったのに…。

 俺が慌てて謝ると佐々木は直ぐに許してくれたけど…。

 つい、幼なじみの気安さで言い過ぎてしまった。佐々木は女の子だから、もっと気を使わないとダメだな…。

 俺が佐々木をおんぶしているせいか、紗枝がせらって自分もおんぶして欲しがる。

 佐々木は怪我してるからって言い聞かせたけど、日頃から甘やかしてるせいだろう…「おんぶ、おんぶ」と騒いで抱きついてくる。

春樹「こら、危ないって・・・抱きつくな」

一護「…ハル。俺が代わってやる」

春樹「えっ、いいのか?」

一護「紗枝くっつけたままじゃ動けないだろ」

 一護の申し出に甘えて佐々木を下ろす。

春樹「サンキュ。紗枝、おいで」

紗枝「わーい!」

 紗枝は喜んで俺の背中に飛び上がって乗ってきた。

百花「一護くん、私、重たいかもよ?」

一護「見てればわかる。さっさと乗れよ」

百花「うん…」

一護「…やっぱ重いな」

百花「ご、ごめん」

一護「おい、あんま動くと落とすぞ」

百花「わわっ、やめて!」

理人「…なんか」

一護「何だよ」

理人「いっちゃんがおんぶすると、やらしいね」

百花「ぶっ…! ちょっと、変な言い方しないでよ!」

理人「そうやってると、仲いいカップルに見える」

 りっちゃんの言葉に、なぜか胸がズキンとした。

一護「…こんな色気のないヤツ、俺パス」

百花「私だって一護くんみたいにイジワル言う人はやだよ」

一護「…投げ捨てるぞ」

百花「じょ、冗談だって!」


 一護も佐々木も、お互い言いたいことを言いながらとても楽しそうだ。

 俺はなんでこんなに嫌な気持ちになるんだろう?


理人「あははっ! いるいる、そういうカップル」

 りっちゃんの言葉に俺はますます焦った。

春樹「…やっぱいい」

百花「え?」

春樹「やっぱ俺がおぶる。紗枝、一護におんぶしてもらいな?」

理人「あれっ。ハルくん、もしかしてヤキモチ?」


 図星なだけに必死で言い訳する。


春樹「だって、一護に頼んだら佐々木にイジワルするし」

一護「つーか、こんな重てーヤツ、くれてやる」

春樹「だから、女の子にそういうこと言うなって!」

紗枝「一護ちゃん! おんぶー! おんぶー!」

一護「だから、ちゃん付けで呼ぶなって!」

紗枝「キャッキャ! 一護ちゃんの前髪、カマキリみたいー!」

一護「だーっ、引っ張るな!」


 紗枝と一護のやり取りを尻目に佐々木に声をかけた。


春樹「じゃ、佐々木も乗って?」

百花「うん、ありがとう」


 佐々木が素直に俺の背中に乗ってくれたのでホッとした。

 うん、やっぱり佐々木のことを守れるのは俺しか無い…はず。


 佐々木をクロフネに送りながら、俺は自分に言い聞かせた。


ハルくんの独り言(本編4話)その1へ