恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

小説を検索しやすくするためインデックスを作りました

インデックス 茶倉譲二ルート…茶倉譲二の小説の検索用インデックス。

インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。

手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事


他にも順次インデックスを作ってます。インデックスで探してみてね。



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大切なひと~その6

2015-06-13 07:55:06 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。


☆☆☆☆☆

大切なひと~その6


〈アリサ〉


ジョージは意を決したように言った。

譲二「今の茶堂院グループの社長のままじゃ…、アリサを恋人にすることは簡単じゃない。
だけど…小さな喫茶店のマスターなら…アリサが恋人になっても誰も気にしない」

アリサ「それって?」

譲二「今の俺は心が壊れてるから…、普通の男のようにアリサを愛してはやれない…。
金で縛り付ける位しかアリサを俺のものにしておく手だてが無い…」


あたしはジョージの手をぎゅっと握った。


アリサ「いいよ…それでも」

譲二「こんな俺でもいいの?」

アリサ「うん」

譲二「いつか…いつか俺と一緒にあの喫茶店に戻ってくれる?」

アリサ「うん」

譲二「儲からないから…今みたいに贅沢はさせてあげられないけど…」

アリサ「あたしがジョージといたいから。あたしが欲しいのはジョージのお金じゃないから…」

譲二「…やっと言ってくれた…」


え?


譲二「俺の金じゃなく、俺が好きなんだって…アリサにずっと言って欲しかった」

アリサ「あたしは最初からジョージのことが好きだった。お金目当てじゃなく」

譲二「そっか…。それなら、最初からそれを確かめておけばよかったのか…」

アリサ「ジョージこそ…こんなあたしでもいいの?」

譲二「今の俺にはアリサしかいないんだよ…」


とても優しい目であたしを見つめてくれる。

でも…あたしには気がかりがあった。



アリサ「美緒さんのことはもういいの?」

譲二「美緒は…。もう、帰って来ない…」


ジョージは苦しそうに呟いた。

うん。分かってるよ…。

まだ、美緒さんはジョージの心の中を占めている。

だからあたしのことも「好き」とか「大好き」としか言ってくれないんだよね。

ジョージが愛しているのは美緒さんだけだから…。

でも、あたしは…ジョージを愛しているよ…。



☆☆☆☆☆

寝る支度をしてジョージの隣に滑り込もうとするとジョージに止められた。


譲二「アリサ、今日は自分の部屋で寝て」

アリサ「いいの? 一人で大丈夫?」

譲二「ああ…。アリサに俺の風邪を移したくない」

アリサ「ありがとう…。でも、ジョージのことが心配…」

ジョージは優しくあたしの手を握った。

譲二「ありがとう。だけどホントに…今日は大丈夫だから…ね?」


あたしはジョージの頬に軽くキスをした。


アリサ「おやすみなさい」

譲二「おやすみ」


☆☆☆☆☆


久しぶりの自分の部屋のベッド。

ジョージはもう寝付いただろうか?

離れていてもなんだか直ぐ側にジョージがいる気がする。

きっと私たちの心が寄り添い合ってるんだよね。


『大切な人』おわり


大切なひと~その5

2015-06-12 07:57:25 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。


☆☆☆☆☆

大切なひと~その5


〈アリサ〉


 紅一さんは帰って行った。


目が覚めたのか、ジョージの呼ぶ声がする。


アリサ「ジョージ、目が覚めた? 気分はどう?」

譲二「ああ、少し楽になったよ…。それより、アリサがどこかへ行ってしまったんじゃないかと心配した…」


あたしはジョージの額にかかる髪を掻きあげた。

熱も少し下がったみたい。


アリサ「あたしはどこにもいかないよ」



紅一さんが見舞いに来たことをジョージに告げた。


譲二「兄貴にはアリサのことばれちゃったか…」

アリサ「困る?」

譲二「いや…。もううるさく見合い話を持って来られなくて済むと思うとホッとした」


あたしたちはにっこり微笑み合った。


譲二「アリサ」

アリサ「何?」

譲二「俺…、アリサに話してないことがもう一つある…」


なんだろう? 少しドキドキした。


譲二「俺、二年前まで喫茶店のマスターをしてたんだ…」

アリサ「? !」

譲二「俺は昔から茶堂院グループの跡継ぎになるのが嫌でね…。
学生時代に通い詰めていた喫茶店のマスターが亡くなったのをきっかけにその後を継いだんだ。
気楽だし…俺には向いてたみたいで楽しく毎日を過ごしてた…。
あの美緒と恋人になって一緒に暮らしていたのもその頃のことだ」

アリサ「それがどうして?」

譲二「美緒にふられて…、彼女のいた店にそのままいるのが辛くなった…。
そして、ちょうど茶堂院グループも傾きかけてて…、兄貴からは戻って手伝うように頼まれてたんだ」

アリサ「そう…。それで社長になったんだね」

譲二「ああ…。それからは仕事、仕事で美緒のこともあまり考えずに済むようになった」


それは…、単に美緒さんを好きな気持ちを押し込めてただけだったんだね…。


譲二「月に一度…、アリサに内緒で俺はどこかへでかけていただろ?」

アリサ「うん」

譲二「あれは…その喫茶店の風通しと掃除にでかけてたんだ」

アリサ「それって…」

譲二「ああ、俺はまだその喫茶店に未練がある。
…いつか…、茶堂院グループの経営をちゃんと立て直して…俺無しでも大丈夫になったら…。
そしたら…またその店のマスターに戻るんだって…」

アリサ「そんなに大好きなの? そのお店が…」

譲二「ああ…」

アリサ「そうなんだ…。あたしも見てみたいな…。そのお店」

譲二「ちょっとレトロな喫茶店で…とても居心地がいいんだ。きっとアリサも気に入ると思うよ…」


ジョージは少し微笑んだ。


しばらく沈黙があたしたちの間に流れた。


その6へつづく


大切なひと~その4

2015-06-11 08:22:40 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。


☆☆☆☆☆

大切なひと~その4


〈アリサ〉


点滴と医者にもらった薬が効いたのか、ジョージはぐっすりと眠っている。

目が覚めたら、おかゆを作ってあげよう…。

☆☆☆☆☆

ジョージは食欲がなくて、おかゆも二口くらいしか食べられなかったが、あたしの手を握ってにっこり微笑む位には回復した。


☆☆☆☆☆


夕方、珍しくチャイムが鳴る。

インターホンに出るとジョージの兄の紅一さんだった。

紅一さんの第一印象。

ジョージにはあんまり似てないなと思った。

髭はなく、もっとがっしりして厳しそうな感じの人だった。


アリサ「今日はすみませんでした」

紅一「連絡が早かったので助かったよ…。譲二の具合は?」

アリサ「今は薬が効いて眠っています。熱も少し下がりました」

紅一「そうか…。よかった…。じゃあ、起こさなくてもいい」

アリサ「でも…。顔だけでも見てあげてください」


紅一さんはしばらくジョージのそばにいて、寝室から出て来た。

あたしがコーヒーを出すと

紅一「じゃあ、遠慮なく」
とソファーに座った。


紅一「これは…。君が淹れたのか?」

アリサ「はい…。ジョージ…さんに教わった通りに淹れてみました」

紅一「そうか…」


しばらく気まずい沈黙が続いた。


紅一「ところで…、君はここに住んでいるのか?」


少しためらったが、思い切って答えた。


アリサ「はい…」

紅一「そうか…。君が譲二の新しい恋人か…」


胸がちくりと痛んだ。


アリサ「…いえ」

紅一「ん? 違うのか?」

アリサ「あたしは…恋人じゃありません」


涙が溢れそうになるのを必死で堪えた。


紅一「どういうことだ?」

アリサ「あたしは…ジョージ…さんにお手当をいただいて…お金で雇われた愛人なんです」

紅一「譲二が君に愛人になれと言ったのか?」

アリサ「いいえ…。あたしが頼んだんです…」

紅一「そうか…」


紅一さんはしばらく考え込んだ。


アリサ「あの…。だから、あたしの存在が邪魔なら…いつでも出て行く覚悟はあります…」


紅一さんはあたしをじっと見つめた。


紅一「君はそれでかまわないのか?」

アリサ「あたしは…お金で雇われただけですから…」


紅一さんはとても優しい笑みを浮かべた。

あたしは「あっ」と思った。

笑顔はジョージにそっくりなんだ…。


紅一「譲二は子供の頃から恋愛ごとに不器用なんだ。ま、俺も人のことは言えないが…。
ただ、俺と違うのは…いつもそれで辛い目にあって来たということかな」


紅一さんは少し考え込んだ。


紅一「君は聞いているかどうか知らないが…、少し前にも辛い別れを経験したばかりだ…。
それで今はますます心を閉ざしている所がある。
譲二の心がほぐれるのは並大抵のことではないだろうが…あいつの支えになってもらえたら、ありがたい」


紅一さんが頭を下げたのであたしは慌てた。


アリサ「そんな…あたしなんて…」

紅一「だが、君は譲二を好きなんだろう?」


あたしの目からはまた涙が溢れそうになる。


アリサ「…」

紅一「隠さなくてもいい。君を見ていると恋愛に鈍感な俺でも、譲二を好いていてくれるのがよくわかる。譲二のことを頼む」

アリサ「それは…もちろん。ちゃんと看病します」

紅一「いや、病気の間だけでなく…、これから先もね」


その5へつづく


大切なひと~その3

2015-06-10 08:04:41 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。


☆☆☆☆☆

大切なひと~その3


〈アリサ〉
目を覚まして時計を確認する。

(今日はジョージのために朝ごはんを作ってあげよう)

隣に眠るジョージを起こさないようにそっとベッドを抜け出した。



この頃、ジョージはあたしに添い寝してもらいたがる。

だから、その気がないときでも、あたしに軽い抱擁とキスをしてそのまま眠る。

仕事は相変わらず忙しいみたいだし…、身体が疲れて辛いのではないかと気になる。

朝も急ぐからと食べずに出勤することが多いし…。




朝食の支度に一生懸命で時間の感覚がなくなっていた。

時計を確認して慌てた。

ジョージはまだ起きて来ないみたいだ。


アリサ「ジョージ! そろそろ起きて…。遅刻しちゃうよ!」


エプロンを外しながら寝室に入る。

ん? 何だかジョージの様子が変。

顔色も赤いよね。

ジョージの額に触って驚いた。

すごい熱。


アリサ「ジョージ、熱があるみたい…。体温計を持ってくるから待ってて」


急いで体温計を探して戻ってくると、ジョージは起き上がって着替えをしようとしていた。


アリサ「だめだよ、ジョージ。熱があるから今日は仕事は無理だよ」

譲二「…今日は…大事な会議が入ってるんだ…。どうしても…俺がいかないと…」

アリサ「じゃあ、とりあえず熱を測ってみて?」


8度6分もある!


アリサ「ジョージ、やっぱり無理だよ。このままじゃ会社にだってたどり着けない…」

譲二「…れんらく…」

アリサ「え?」

譲二「…連絡…しないと…」


机の上のジョージの携帯をとる。


アリサ「会社に連絡すればいいの?」


譲二「…いや…。兄貴…兄貴に連絡…したら、すべて手配してくれる…」

アリサ「お兄さん?」


茶倉だよね? あわててタ行を探す。


譲二「茶倉…こういち」


あった! 『茶倉紅一』

とりあえずその携帯の番号を押してジョージに渡す。


紅一「譲二か。なんだ朝から?」

譲二「…兄貴…俺…今日の会議なんだけど…」

紅一「どうした? 具合でも悪いのか?」

譲二「ああ…」


話すのもしんどそうだ…。

あたしはジョージから携帯を受け取ると覚悟を決めて話した。


アリサ「すみません。ジョージ…さんは朝から高い熱が出てて、仕事は無理だと思います」

紅一「!!!  君は?」

アリサ「あたしはジョージ…さんにお世話になってるもので…。
ただ、今は詳しくお話しできません。本人がとても苦しそうで…」

紅一「そうか…。譲二は今一人ではないんだな?」

アリサ「はい。あたしがついているので、ちゃんと看病します。
お医者にも連れて行きますから、心配なさらないでください」

紅一「それでは譲二のことは君に任せたよ。譲二のキャンセルの手配はすべて俺がやっておこう」

アリサ「ありがとうございます」

紅一「譲二を…頼んだよ」


電話が切れた。


アリサ「ジョージ。お兄さんが仕事の手配は全部してくれるって」

譲二「…よかった…」

アリサ「とりあえず…お医者に行こう?」


あたしは財布の中身を確認すると、タクシーに電話をした。


その4へつづく



大切なひと~その2

2015-06-09 08:04:38 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。


☆☆☆☆☆

大切なひと~その2

〈鈴音〉

譲二さんと急に連絡がとれなくなった。

打ち合わせのために茶堂院グループに行くと、別人が担当者として現れた。

譲二さんは他の仕事が忙しいから、うちの会社の担当から外れたのだという。


どうして?


私は初めて仕事以外の内容でメールを送った。


しかし、譲二さんからの返信は無かった。



〈譲二〉
仕事の合間に携帯を確認する。


メールが3件。どれも鈴音さんからだ。

あれから、鈴音さんには連絡をとっていない…。


アリサと言う愛人がいて、美緒のことを未だに思っていて…、そんな俺が彼女と付き合うわけにはいかない。


鈴音さんとは気があいそうだった。

こういうタイミングじゃなかったら、すんなり恋人にだってなれていたかもしれない…。


だから、余計にそんな人を今の俺と付き合わせるわけにはいかないと思った。

彼女を巻き込んじゃだめだ…。


冷静なもう一人の俺がささやく。


「アリサはもう巻き込んでしまっているじゃないか」

「うるさいな!」

「アリサは巻き込んでもいいのか? 彼女にだって心はあるだろう? 鈴音さんはダメでアリサはいいのか?」

「だって…アリサがいないと俺が困る」

「アリサは元娼婦だから巻き込んで哀しませてもかまわないのか?」

「ほっといてくれ!」




社員「社長。大丈夫ですか? 顔色が真っ青ですよ」


部下に言われて、曖昧に微笑んだ。


譲二「いや。大丈夫だよ。いいから…説明を続けてくれ」


その3へつづく