オジサンのナイショ話

これは、ナイショの話ですよ。





ここ数日はかなり激しい日々が続いてましたが、それに比べれば今日は穏やかでした。

私は、入院をされている方のお見舞いに行きました。

いっしょに行った運転手さんは、私より七歳上の男性です。





お見舞いに行くと、看護婦さんから「シャンプーがあると良いのですが」と、言われました。

そこで、病院の売店に二人で買いに行きました。

すると運転手さんが、「ちょっとお茶してきませんか？」と、誘ってくれたのです。

本当はマズイんですが、まあ、ちょっとなら…と、思いました。





二人で黙ってアイスコーヒーを飲んでいると、運転手さんが、

「モトイさんは、ケアマネージャーはずっとやってるんですか？」

と、尋ねました。

「そんなことない。ここが初めてですから、まだ四年ちょっとですよ」

「フーン」照れ屋の運転手さんは、節目勝ちに頷きました。

それから少しずつ、各職種や、給料の話になりました。





「みんな、給料安いよねエ」

「そうですよ。だいたい、ずっと雇おうって気がないんだもん。給料上げませんよ」

「そうだね。いくら働いても給料が上がらなきゃ、やる気でないよね」

「業界全体が、使い捨て体質なんですよ」

「うんうん。去るものは追わず…だよね」

「去るものは追わない代わりに、残ったやつはコキ使う…ト」

「ハハハ、本当、本当」

「最近、ずいぶんと若い子たちが増えたけど、知り合いには勧めないなア」

「…ウン。勧めなれないねエ」

なんて、オジサン二人、どんどん寂しい話になって行ったのでした…。





これはナイショですよ！