食いしん坊ケアマネ の おたすけ長屋!

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赤ひげ福音

2009-10-23 | 映画
今日明日は今月唯一の連休です。


予約しておいた床屋に朝一番で行きました。
行く店は決っていて、私の頭をやる人もいつも決っています。

三十代半ばくらいの比較的無口な青年なんだけど、今日は良く話しかけてきました。
「文七さんは、老人ホームに勤めてるんですよね」
もう二年半以上、毎月通ってるんで、名前も仕事も覚えてもらいました。
「そういうとこでは、トコヤとかはどうしてるんですか?」
やっぱり関心あるんだな…、と思いました。
「訪問してくるんですよ」
「あ、そうか。今は出張って多いですよね」
「はい。でも、お客さんは女性ばかりだから、どちらかといえば美容師さんかな」
「あ、そうなんですか…」

床屋さんや美容師さんにとって、これからは高齢者施設や自宅への出張というのは大きな市場になるでしょう。
彼はそれからもいくつか質問をしましたが、私があまり世間話を得意としてないのを知ってますから、半ばからは黙々と髪を刈ってくれました。


それから、整骨院でマッサージ。今月から始めて、四回目です。
うつぶせになって電気をかけてもらっていると、私の隣のベッドでマッサージされているご婦人が、喋る喋る。
「息も継がせぬ」という通り、ズーッと喋り続ける女性がしばしばいますが、まさにそういうタイプで、とにかくひたすら言葉が出てくる。
ベッドはカーテンで仕切られているので姿は見えませんが、きっとエネルギッシュな「患者さん」に違いありません。

「そういえばあなた、今週いっぱいだったっけ?」
「いえ、来週までです」
ご婦人の質問に、受付と施術助手をやっている女性が答えました。
「そう、残念ねエ。で、式はいつなの?」
どうやら、いつもニッコリ微笑んでくれる若い受付さんは、近く結婚退職するようです。
それからも矢継ぎ早に質問してくれるので、私が彼女が教会で式を挙げることや相手の男性が最近インフルエンザに罹ったことまで知りました。
恐るべし、井戸端情報収集力。これだから、女性のネットワーキングを軽視する男性はイタイ目を見るんだよなア…。


午後からは黒澤明の『赤ひげ』を観ました。
三日前にDVDを借りたのですが、三時間以上の長尺なので連休初日の今日まで取って置いたのです。
スゴク良かったですよ!
人間ドラマの濃密さ、江戸の大セットを初めとした画像の力強さ、豪華な俳優陣の熱演。
どれをとっても超一級で、さすがは「世界のクロサワ」という作品でした。


加山雄三がまだ若く痩せていて、ストイックな青年医師にぴったり。加山雄三って俳優としてこんなに魅力あったっけ?…と思ったくらいです。
それと「赤ひげ」役の三船敏郎が素晴らしい。
「酔いどれ天使」「野良犬」「七人の侍」「用心棒」…。黒澤映画の三船敏郎はどれも良かったけれど、「赤ひげ」のようなヒューマニズム溢れる役もきっちり演じられる人だったと改めて知りました。
タフで誠実で献身的に「どん底」に生きる人たちの命と魂を救う姿は、まさに「聖赤ひげ」という印象です。

「赤ひげ」に感動して医学部に入ったばかりの学生に見せている教授がいるそうですが、「赤ひげ」で描かれているのはむしろ福祉の領域に近いのだから、我が業界の若い人たちにこそ見てもらいたい。
近頃のラクなドラマ、ラクな画作りに慣れきっていると、ちょっと重荷かもしれませんが…。

でも、久しぶりに「やっぱ一流は良い!」と思いましたよ。
45年くらい前の映画だけど、全く古びず、心を揺さぶってくれるのです。


10月18日は、私の守護聖人「聖ルカ」の祝日でした。
感謝!!





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