こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

スタンドアップ (2005)

2006年01月07日 | ふつーMovie
こっちゃんポイント ★★★
鑑賞環境 試写会 
上映時間 124分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (ワーナー)
初公開年月 2006/01/14
ジャンル ドラマ
映倫 R-15

子供を連れて故郷に帰ってきたジョージー・エイムズ(シャーリーズ・セロン)。鉱山の町としての伝統を育んできた町の住人たちは、10代で息子を産んでシングルマザーとなり、父親のちがう娘を連れて、戻ってきたジョージーに“身持ちの悪い女”と冷たい視線を向ける。そんな中、ジョージーは子供たちのために、自立を目指して、鉱山で働きだす。だが職場では、男性社会に進出してきた女性に対する会社ぐるみの厳しい洗礼と、屈辱的な嫌がらせが待っていた。

(goo映画より抜粋)

新作映画に出るたび確実に老けてゆくシシー・スペイセク
「あやや~。また一段と年老いてしまったにゃ~。」とおもわず感慨深げに思ってしまいます。

「キャリー」の頃が懐かしいね。
まだ、ガラス割ってますか?

そんなわけで(どんなわけ?)、タイトルの『スタンドアップ』は原題ではありません。これは邦題のために用意された言葉であり、劇中ウディ・ハレルソンが語るセリフの中に含まれる言葉でもあります。

簡単な単語ですので今さらその意味を言うまでも無いのでしょうが、
日本語で「よっこらしょ」という意味ですね。ヾ(ーー )ォィォィ
別な意味に「どっこいしょ」という・・・(*o☆)\バキッ! その辺にしときなさい!

つ、つまり、この映画の原題は何故かしら『North Country』でして、映画のモトとなった原作本は『集団訴訟』だということでして。へー、てなもんです。だからどーしたってことじゃないんですが。


で、この映画なんですが・・・これが結構暗い。

上映前の紹介で、某TV局のアナウンサーさんが、「打ちのめされても立ち上がる女性のサクセスストーリーでぇぇぇぇぇぇすッ♪」なんて陽気におっしゃってましたが、あのね、あのね。
チョットそんな「でぇぇぇぇっすッ♪」的なノリじゃないじゃない!

この映画の中における「現在」は、シャーリーズ・セロン演じるジョージーが法廷に立っている場面。そして、その前後にイメージショットのように亭主との離婚の原因となった家庭内暴力のシーンが刺し込まれ、自分の力で立ち上がろうとする子連れの女性の姿もまた描かれていくのです。「女手ひとつで...」なんて言葉を良く聞きますが、まさにそれです。

そして映画を観ているうちに、ジョージーが何故法廷に立っているのか?誰に対して訴訟を起こしたのか?というのが分かってくるという寸法です。

この手の役どころは、もはやシャーリーズ・セロンにとっては”お手のもの”といったところでしょう。映画を観始めるとスゥ~ッっとすぐに彼女に感情移入出来るので、それは感じてとれます。

ある時は美しいシングル・マザー。

そしてまたある時は鉱山で油まみれの顔で働くガッツのある労働者。

かくしてその実態は・・・。

ハニーフラーッシュ!!

・・・って、おおっと! 変身しない変身しない。


確かに「この頃流行りの女の子(?)」かもしれないけど、特に空中では変身はしない。
「変るわよ」ってそこまで変んない。
勝手に脱線しておいて何ですが、話を戻します。

この映画の主人公ジョージー・エイムズは、自分の力で子供を守るためにグローリー(フランシス・マクドーマンド)の紹介で鉱山の仕事に着きます。愛する息子と娘に向かって「お前たちのためなら何でもするわ」と言う彼女は、実に芯の通った良き母親。しかしながら、不運にもその働き先の環境は最悪もイイトコ。ここでは女性労働者は歓迎されない。「お前らが男の働き口を奪っている」とまで言われてしまうのですから。

しかしまぁ、この映画に出てくる男たちっていうのはどいつも、こいつも・・・。

ガキ以下の野郎ばかりぢゃないですかっ!

なんてラベルの低いイヤがらせなんだ!
毎日がセクハラ天国か!
これだったら女性だけじゃなくてオトコだって怒りたくなりますっ!

壁にヒワイな言葉を落書きしたり、また面と向かって女性に言ったりする労働者ばかりかと思いきや、直属の上司に至っては「イヤなら辞めてもらって結構」の連発攻撃。オマケに良い人と信じてた社長まで・・・。あああ。ぬぅあーにが「困ったことがあったら言いなさい」だ!こんにゃろめッ!

だいたい実のお父さんだってちょとヒドすぎやしないかい?暴力亭主に殴られ目にアザを作って帰ってきた娘に「浮気がバレたのか?」も、あんまりだ。あんまりだ。傷ついてんだよッ、セロンちゃんはよっ!少しはいたわんなさいよっ!

それに、あの高校時代に付き合いかけた男のボビー・シャープ(ジェレミー・レナー)。自分の弱さを隠し、真実を捻じ曲げてまでジョージーを中傷するその態度。見上げたものです!
男の風上にもおけませんっ!よってアナタを風下に置いちゃいます!(つ´∀`)つ ヨイショっと。

あ。置いちゃった。( ̄∀ ̄*)

 

そんな中、ジョージーの味方であるカイル(ショーン・ビーン)とビル(ウディ・ハレルソン)がやたら輝いて見えてくる。この映画の中ではまるで神様。

後になって思えば、主人公ジョージーはこの映画の女性の中で一番メソメソした人。それでも逆風に立ち向かうような芯の強い母親でもあります。映画は、そんな彼女に感情移入をシッカリさせてくれるような、あくまでジョージーの側から見た作りになっています。

この映画の監督はニキ・カーロという人。過去、『クジラの島の少女』などを撮っています。本作品はトータルではまずまず良かったですよ。要所要所に差し込まれたBGMがこれまた良いセンスだったのも個人的には好印象につながりました。ボブ・ディランを中心に、キム・カーンズなども流れます♪

さて、この映画を実話がモトになっていると知った世の女性の方々は、もしかするとこの映画が公開になると同時に「やる気」を起こし、そこかしこの自分達のポジジョンで振るい立つのかもしれません。反面、男性が見ると、オトコという生き物のしょうーもなさに、へなへなと立ち上がれなくなってしまうかもしれません。

この映画は、女性へ捧げた賛歌なのだと感じ取りました。 

最後に。

グローリー役はフランシス・マクドーマンド。その存在感はさすがです。
その揺るぎない貫禄は、「出てるだけでOK!」と言わせるものがありますね。

《2006.08.04記事一部改訂》

【作品】スタンドアップ

集団訴訟―セクハラと闘った女たち

竹書房

原作

 

クジラ島の少女

アミューズソフトエンタテインメント

監督の代表作