去る9月21日、アズキ火山灰層についてちょっと紹介したが、解説資料が
用意されている万博記念公園内の自然観察学習館へ行って見た。
『90万年前、厚さ40cmの火山灰が降った』
90万年前のある日、大阪の空はにわかに曇り、夕方のように暗くなりました。
西からやってきた火山灰が降り始め、降灰は何日も続きました。当時の大阪は
火山灰に埋め尽くされ、灰色の世界となりました。アズキ火山灰が降ったのです。
(吹田地学会資料より)
この灰の層は地質学的に大変重要なもので、遠く隔たった地域に分布する
地層中に「時間目盛り」を刻み込む「鍵層」とよばれるものだそうである。
万博記念公園の最南端に位置するホテル阪急エキスポパークのちょうど
対面で外周道路に沿った竹やぶの中にある。しかし車道の外側にもう1本ある
自転車道路ぎわなので、ゆっくり観察することが出来る。
タケノコ泥棒よけも兼ねてフェンスが張られているので、写真を撮る場合は
レンズの小さなカメラを持っていくことをお勧めする。
http://kansai-concierge.nikkei.co.jp/kansai-culture/index.asp?wrt_cd=5501&bk_p_no=1
この火山灰層が発見されたいきさつや、万博記念公園内の自然観察学習館
に展示されるようになったときのエキサイトした様子は上記のURLホームページ
日経関西コンシェルジュ 07年1月10日号と1月30日号に詳しく書かれている。
全く余談ではあるが、この火山灰に興味を持ったのは我々家族が体験した
恐ろしい地すべりを思い出すからである。
1985年当時信州・長野市で山腹に造成された住宅団地に住んでいたが、背後
の山が大規模な地すべりを起こし、260戸ほどの住宅と老人ホームが甚大な被害
を受けた。その地すべりの原因となったのが「モンモリロナイト」と呼ばれる極く微細
な粒子の粘土鉱物で、水分を吸収すると膨張して滑りやすくなり、大崩落を引き起
こしたのである。火山灰ではないがやはりピンク色をしていた。当時いやというほど
聞かされたこの言葉を忘れることは出来ない。