キツネノマド

松岡永子
趣味の物書き
(趣味とはなんであるか語ると長くなるので、それはあらためて)

冷えた椅子

2010-01-16 05:50:30 | 500文字の心臓
 さあどうぞ、とにっこりする。でも腕はたらしたまま、ぼくに落ちつく場所を指ししめすことはない。
 あいつはもういないのに。
 気づかぬふりで立ち話をつづける。冷えきって、あたためてくれる体が欲しくなるまで、ぼくは立ったまま待つつもりでいる。

「500文字の心臓」投稿作

最新の画像もっと見る

コメントを投稿