戯(そばえ) 2012-12-09 15:36:33 | 掌編 「あっ、しまった」 蓋が緩んでいたのだろう、落とした缶からドロップが飛び出した。色とりどりの雫がにぎやかに石段を跳ねていく。ぽかんと眺めていると、足下で声がした。 「きれいねー」 「きれいだねー」 「ねー」 こどもがふたり、さらにちびっこいのがもうひとり、ドロップのかけらを拾っていた。 「いいなー、きれいだなー」 「いいねー、きれいだねー」 「ねー」 掌一杯の七色のドロップと、僕の顔を見較べ . . . 本文を読む