サキちゃん

2018年05月22日 | 日記
息子はジャンケンで負けて、学生委員会に入っている。

昨日は委員会活動の日だった。

委員会の日は夜9時まで活動がある。

昨日、仕事から帰り、その時間に合わせて夕飯の支度をしていた。

すると息子から電話がきた。

「今日は委員会のサキって人とラーメン食べていくからゴハンはいらないよ」

え。

なんと。

ゴハンはいらないよ、のとこではない。

ラーメンってとこでもない。

一緒に食べていく「サキ」に私の気持ちが注目。

サキちゃん!

中学校も高校も、息子に女の子の影はなかった。

女の子と食べに行くなんて!

おお!いよいよ息子も若者らしく、大学生ライフが華やいでいくのだ。

女の子と夜にラーメンデートだなんて。

ムフフ

なんだか母は嬉しい。

息子よ、

プッ…

あの息子が…

ヒュー

ふふふ

いろいろ二人でラーメンを食べてる様子を想像しながら、焼いてしまってた二人分のアジを食べる母。

そして、また息子から電話。

今ラーメン屋を出るんだけど、○○まで歩いてるから迎えに来てちょうだい。

夜になるとなかなかちょうどいいバスも電車もないので、しょっちゅう私が車で迎えに行っている。

めんどくさいがちょっとウキウキ気分の母。

そして息子を見つけ、車に拾った。

そうしてなるべくさりげない口調で聞きだす母。

「サキちゃんて子、どこの出身の子なの?」

「サキちゃん?」

「うん」

「サキちゃんったって、サキって男だよ。ヤマザキっていってアダ名がサキ」

「え・・」

「愛媛から来てるらしいよ」

「へー、そーなんだー、そんな遠いところからー」


サキ…紛らわしいアダ名のサキ、サキくん。


サキちゃんは幻と消えた夜であった。


あー、でもサキくん。はるばる四国からようこそ。










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