きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

発声と車の運転

2008年02月14日 | 音楽のこと
私はロンドンにいながら、ピアノはロシア奏法を、
そして発声法はイタリア・ベルカント唱法を学んだ。

各国から優秀な人材を集めているロンドンならではの教育を、結果的に受けたことになる。

私の声楽の先生はイタリア人のメゾ・ソプラノ。
あのチェチーリア・バルトリを教えたこともあり、世界各国のあらゆるオペラハウスに優秀な歌手を送り込んでいる、実に優秀な先生である。

その先生から学び、一番今でも面白いと思うのが、発声を車の運転に例えること。
それをふと、分析してまとめてみたくなった。

マニュアルを運転している人にしかわからないが、(ちなみにイギリスでは車といえばマニュアル車が普通である。もちろんオートマも存在はするが。)

エンジンをかけても車は動かない。
そこでアクセルを押す。それでも車は動かない。
ギアをいれる。
それではじめて車はゆっくりと動き始める。

そしてさらにアクセルを踏み込む。でもある一定までしかスピードは上がらない。
そこでギアを1速から2速へあげる。アクセルを踏み込むとスピードが上がる。。。(以下略)

これと発声は一緒だというのである。
もちろん私も、またおそらく先生も、車の仕組みについて詳しいわけではないから、あくまでも車の操作方法との共通点であるが。

息を吸う(ガソリンを入れる) 
腹筋を使って息を吐く(アクセルを踏む)
と、同時に音程を想定して声を出す(ギアを入れる)

息が多いと声はハスキーになる。(ガソリン浪費・・・)
息が少ないと、声は金切り声になる。(エンジン・・・声帯に負担がかかる)

久々に、マニュアル車を運転したくなった。