kirekoの末路

すこし気をぬくと、すぐ更新をおこたるブロガーたちにおくる

ざぶりざばり9月16日

2008年09月25日 10時25分24秒 | 小説の感想と批評
敢えて火中の栗を拾うか@kirekoです。

>今日の感想と批評

( ゜д゜ )魚を焼くのに重要なのは遠火の近火…
( ゜д゜ )そんな加減わかるか!!

■企画の意図は、こちら
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/7e03a0212eb392c37028780a1c7f63d9

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)
:好き嫌い判定(kireko個人が好きか嫌いか)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

或る催眠術師の姦計について ジャンル 推理 作:M川

:あらすじ
俺は催眠術を利用して彼女を殺した。いや、殺してなどいない。彼女は自らの部屋で、自らの首をくくって、死んだのだから。

:感想
久々の推理物。催眠術師である主人公が殺人(殺人幇助?)を起こし、警察では自殺という判断で終わったはずの事件であったが、彼の元に一人の探偵がやってきて…という、切れ者の探偵と主人公の心理戦を描く作品。推理物というのは、ジャンル的に嫌われているのか、余り「小説家になろう」内では読むことは少ない。だから、推理とは名ばかりのドラマだったり、おチャラけたコメディだったりするのが関の山だ。しかし、この作品はシリアスタッチであり、すでに起こった事件の『トリックを解く』という推理物としての体裁を保っている事は評価できるところだろう。ただ、最初に主人公が犯人だとバレてしまっていて、なおかつ催眠術師であるというヒントがあるため、トリック云々よりも探りを入れる探偵との心理戦が旨味だと思われる。でも、なぜだか文章に旨味がない。ソレはなぜかというと、文章の合間に空気を入れる余裕が無いのだ。例えば本文中で探偵と主人公が、喋りっぱなしってのはどうなんだ。探偵が帽子一つ動かすでも、主人公が煙草一本くわえるだけでも、文章に隙間は生まれる。これは、言うならば遠泳で言うところの息継ぎだ。たぶん一人称のせいもあるのだろうが、ずっと場面が変わらないことも加味して、推理物に良くある登場人物たちの心理様相が場面によって変わるような展開も、終盤以外殆ど見えず、とにかく何かに切羽詰るような一直線な書き方は、息苦しくてたまらない。というより、実際読んだkirekoからしたら、これは窒息死に値する。これには、おそらく主人公と探偵の語調、そのキャラクター性が余りにも似通っている(差異が少ない)ため、心理面云々よりも、仕草、動きの描写など人物の表面的な面白さに欠け、続けて読むと気だるく感じてしまうからだと思う。このままでは、それこそ催眠術で強制的に眠くさせられているような感じも受けてしまう。kirekoの抱く推理物の醍醐味というのは、トリックを暴くことのほかに、心理面の揺さぶりをかけられて、犯人あるいは問題を暴く側が焦ったり右往左往したりするのが、良いんだと思う。
どうでもいい話だが、テレビドラマ相棒で、同じように催眠術で自殺に見せかけて殺すという話があった。なんだかその話と似通った感じを受けてしまったのも、もしかしたら面白く感じなかった点なのかもしれない。

:読める判定 眠くなる :好き嫌い判定 すっきりしゃっきりしてくれることを願う



古本屋 ジャンル ホラー 作:klon

:あらすじ
いわくつきの本を偶然に見つけてしまった……

:感想
オカルトファンには有名な、ヤバそうな本を立ち読みしてしまった主人公と、その友人のA氏が巻き込まれたオカルトホラー。まず最初に言っておきたいのは、最近の回りくどかったり、酷く稚拙だったりする騙し討ちのようなホラーと比べて、純正のホラーだと思わせる書き方には、とても好感がもてた。誤字もあり、音が切れる表現をローマ字で表したりと、文章校正的には決して褒められる出来ではないが、内容がとても背筋をゾクッとさせてくれる。とにかく『何処でもありそうな良くある話』というのが、キーポイントであり、リアルさを追求するkirekoが好きなところだ。読者の共感を沸かせ、なおかつオカルティックな謎(ある意味推理物のような雰囲気さえある)が渾然一体となっている作風は、正直言って感心に値するものだった。昔、kirekoも古書店めぐりをしていた時に、こういうヤバそうな本を見つけて手に取る時があったのだが、この作品を読んだ後に思い出せばアレも相当勇気有る行動だった気がする。オカルト的な存在は信じていないが、どうも謎めいていて精神的に不安にはなる。この作品で一番怖いのはやはり、そんな霊的なものを匂わせながら、主人公とともに本を読んだAの末路だろう。謎を残すAの容態と、それに苦労するような家族の様相の変化は、オカルトなホラーとしての完成度の高さを表している気がする。個人的には秀作!

:読める判定 校正的に気になる点はあり :好き嫌い判定 オカルトホラーとはこういうの



昨日、夕日の公園で ジャンル ホラー 作:榊 渉

:あらすじ
昔は良く遊んだ公園。でも、年を重ねていくうちにその存在は忘れ去られて行く。そんな公園に再び足を踏み入れたとき、その公園は取り壊しが決定した。そのとき私は……。

:感想
謎だ。察しようとすればするほど、とにかく謎な話だ。主人公は幼い頃、それが何なのかわからなかったのか、弱っていた生きているカラスを砂場に埋めた。そして年月がたった今、公園が潰される間際に、彼は公園で遊んだ。そしてブランコが解体される日に、公園の近くで物思いに浸りながら倒れる…といった風なのだが、これが何故ホラーなのかがわからない。一応作者の言い分としてはテスト投稿という事なのだが、一応ジャンルホラーとなっているので、kirekoの中で解析し、ホラーと思える成分を抽出すると、本編で主人公が最期に語る「忘れてしまうという不安」が怖いと言う意味なのか、それとも幼き頃「カラスを生き埋めにした事実」が怖いのか、どちらにせよ、本当に謎が多い話だった。読めるかどうかは置いといて、謎ばかりの書き方が後味を悪くする。

:読める判定 うーん? :好き嫌い判定 謎すぎる。



宴は楽しく。 ジャンル コメディー 作:た~

:あらすじ
こーいうノリの宴会は、みてると楽しい。書いてても案外楽しかったので、読んでてもそこそこ楽しいかもしれません。

:感想
呑めや謡えの宴の話。これは誰々のアレで、これはどれどれのどうだとか、そういう野暮で無粋なことは考えず、とにかく楽しさを強調している作品なので、あえて感想も野暮で無粋な事は言わないことにする。なんというか、漫画めぞん一刻の五代君を巻き込んだ四谷さんとか周囲の奴等と話をしてたら、いつの間にか宴会が始まっていたみたいなノリは嫌いじゃない。この小説で面白かったところは、とにかく出てくる奴の設定が何ら脈絡が無いというか、年齢二桁未満から三桁までの有象無象という表現が面白かった。ただ、それを実際本文の中で描写できているかと言うと余り出来てない気もするが、そういうのは野暮だねっ。

:読める判定 読める読めないは野暮 :好き嫌い判定 楽しめと言われれば楽しむのも人間



まあいいや ジャンル その他 作:出口 常葉

:あらすじ
適当に生きている適当な大学生の適当な話

:感想
自堕落な大学生のある日を描いた作品。うーん、実体験なのか、この危機感の無さといい、書き方の適当さといい、とっても自堕落だ。「本場の博多明太子に焼酎なんて贅沢な大学生だ」なんて思ってたりすると、アルコールで酔いながらも、錯乱した記憶の中で「もしかしたら自分達は死んでるんじゃいか」と主人公たちが冗談めいて言うところなんかは、ちょこっとホラーに感じたし、意外と読者側の想像力を揺さぶられる。ただ、そこは自堕落な大学生の日常を描いた作品なので、何処を探しても答えなど無いし、本文中に絶対と言える確証など無い。この適当さが好きな人は、読めるかもしれない。

:読める判定 読める :好き嫌い判定 適当な内容が好きな人は


============終わり================


>流石に眠い

( ゜д゜ )不眠不休というのは、ある意味拷問だが
( ゜д゜ )乗り越えた先に快感があると信じることも出来る
( ゜д゜ )その確証は無いがな…!

■素っ気無くなったWEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


web拍手を送る
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パトラッシュ僕はもう9月15日 | トップ | 改稿作業は疲れるな »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様です (一読者)
2008-09-25 18:45:25
不眠不休ご苦労様です。

今回、推理小説ありましたけど……そう言えば、小説家になろうでは推理もの少ない気がしますね。やっぱり難しいんでしょうか?自分も書ける気がしないしなぁorz

ところで、ブログの背景リニューアルしました?一瞬、ここどこだと焦りましたよf^_^;
でも、凄くいい感じです(^O^)/
では、睡眠ちゃんと取って頑張って下さいm(_ _)m
返信する
ありがとございます (kireko)
2008-09-25 23:23:46
>推理小説
短編にはなかなか無いジャンルというか、短編の短さじゃ表現できないって奴だと思うんですが、だからこそ短編で本格的推理ゲームを挑戦する人は尊敬しますわー。

>ブログの背景
( ゜д゜ )してないっていうか、これがデフォになりつつあります。
( ゜д゜ )テンプレの仕様上、行間の隙間が0なので、読みにくかったりしたら言ってください。
返信する

コメントを投稿

小説の感想と批評」カテゴリの最新記事