kirekoの末路

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伊吹文科相が暴言だそうです。

2007年03月01日 17時34分33秒 | 末路話
あーあ、またやっちまったか@kirekoです。


>今度は伊吹文科相が暴言

http://news.livedoor.com/article/detail/3052761/


また閣僚の失言だ。「女性は産む機械」発言の柳沢大臣に続き、今度は伊吹文明文科相が口を滑らせた。

25日、長崎で行われた自民党支部大会で「大和民族がずっと日本の国を統治してきた」「日本は極めて同質的な国。悠久の歴史の中で、日本は日本人が治めてきた」と発言。86年に中曽根元首相が「日本は単一民族国家」と言って、アイヌ民族に厳重抗議されているから、歴史認識として間違っている。

さらに、「人権は大切だが、尊重しすぎたら日本社会は人権メタボリック症候群になる」と意味不明なことも言っている。人権よりも国に従う滅私奉公の心を持てということらしい。

「この内閣はタガが外れています。発言がどんな影響を及ぼすのかを考えず、勝手にしゃべっている。柳沢大臣が暴言を吐いてもクビがつながったため、ナメているのです」(永田町関係者)

また内閣支持率低下の原因が増えたが、結局は安倍の指導力、求心力のなさが原因である。

(ライブドアニュースより)



柳沢氏失言問題で揺れている安倍内閣なんですが、
前回の柳沢発言は、許される範囲を超えているとはいえ
現在の日本国民の状況が状況ゆえの例題として出したものとして
即座の謝罪をしたことと、国力と経済問題という難解な話題を
判りやすくするといった点をよく取り上げていたので
それほど内閣の基盤を揺るがすことにはならず、鎮火する様相さえ
見えていたのですが、今回の伊吹氏の失言はフォローのしようがないというか
記事を汲み取っていけばいくほど・・・ちょいと国民を統制すべくして
選任された者としてのタガが外れてる具合が判りますね。

柳沢発言以来、良い意味で厳しくなった政治家達の規律を乱すような
今回の発言は、ますますの政治不信と内閣不信任をまくし立てるには
十分な材料といえますな・・・。これが種火になって山火事になって
またマスコミと野党が結託して騒ぎ出して、議論すべき議会が
停止とかならないと良いんですがね。

伊吹氏の執り行っている現在のポジションにおいて、絶対にしてはいけない
歴史問題での失言だったことと、前回の柳沢問題において全く
復習していないということが顕になってしまったことに国民として
憤りを通り越して呆れるとしか言えないですな、これは。

認識不足を棚に上げ、事例を反復、復習することを学ばない内閣、
騒ぐ事が野次だと思っている野党とマスコミ、
法を盾に肥える巨大企業と、そして搾り取られていく労働者と
やる気を失った怠惰な国民。

一体、日本はどうなってしまうんでしょうかね。
中国のバブル崩壊の時期が来たとか騒いでる場合じゃないと思うんですが・・・。


■伊吹文明氏 WIKIより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E5%90%B9%E6%96%87%E6%98%8E

■文部科学省
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E7%A7%91%E7%9C%81

シナリオ【悪夢】-2

2007年03月01日 02時35分43秒 | NightmareWithoutEnd
PM11時24分 貨物用昇降機

クワァーッ!クワァーッ!

地下へと潜っていく昇降機の下からひどく甲高い奇声が聞こえる。
申し訳程度に設置された外壁の電灯に照らされて何かがギラッと光る。
バサッバサッと羽音のようなものが聞こえ、その音が聞こえると
あたりに広がる暗がりから幾つもの影が躍りだす。


「悪い冗談が的中したな・・・レンッ!」
人間達を取り囲むように羽音を立てて移動し始めた影めがけて
すかさずパッショーナは手に持ったG36Cのセーフティを外し
足をその場にガッチリと固定すると、影の見える方向へと乱射した!


ドドドドッ!ドドドドドドドドッ!!!


マズルフラッシュと共に数十発の特殊弾丸が直線に放たれ
スピードを得ると、降下していく昇降機の暗闇と化した天井を
滑空するかのように飛んでいく!


クワァーッ!クワァーッ!


放たれた特殊銃弾は、影に数発命中し小さな爆発を起こすと
爆発による閃光が暗闇に包まれているあたりを照らしだす。
人間とも動物ともわからない苦悶の声が構内中に聞こえる。


バサッ!バサッ・・・!ガンッ!ドスン!


「やったかッ!」
やがて苦悶の声を上げていた影の一体が昇降機の操作板に居る
パッショーナめがけて力なく急降下し、操作板に激突するように
その場に、その『奇怪』で『おぞましい』姿を晒す。



地面にずり落ちた翼の生えた化け物の全体は人間に酷似していた。
翼からは長細く伸びた腕の先の手首は三つ又に分かれていて
奇妙に繋がった指先は強固な物質組織を形成している。

胴体からは奇妙にスラッと伸びた足が不気味にピクピクと動いている。
その先には鋭利な金属を思わせる巨大な爪が生えていて、
暗がりのライトに反射すると鈍い光を放っている。

頭部には鳥で言うトサカの部分が形成されていて、
顔は人間に近いが、目が飛び出すように前に出ており、
人間でいう口の部分は硬く強固な金属のような嘴が生えており
獲物を狙うが如く、そこから汚い血液とだ液が混ざったものが零れている。

そして全身を覆う筋肉組織の白と赤の繊維が剥き出しになっており
銃弾で傷ついた部分から千切れた筋肉組織が見え隠れし、
見た目以上のおぞましさを煽り、再び隊員達に嫌悪感を催させる。



「汚え肢体しやがって・・・吐き気がするぜ!」
余りの醜さに、思わず押さえていた嗚咽の感すら言葉にし
硬いブーツに覆われている右足で化け物の胴体を思いっきり踏みつけると
次の化け物の影めがけて銃弾を発射しようとした…その時


クワァ・・グビャボオォォォォッ!


「…ッ!?!?!?!?!?」
絶命したと思われた化け物の死体の口から
まるで水流のような褐色の液体が放たれ、パッショーナの戦闘服に
シャワーのように浴びせられる。
全身が朱色に染まり、少し動揺したパッショーナだが
次の標的に向けてG36cを構え、マガジンを取替え
即座に操作板を離れ、射撃できる有利なポジションへと移動する。


ババッ!カツン!カツン…!


しかし、四角く薄い鉄製のケージしかない昇降機には
外にあった頑丈な壁も、盾になりそうな巨大なコンテナも存在しないため
無数の鳥の化け物から隠れられるような場所はなく
襲ってくる化け物に対して、どうしても背後を含める全方位から
攻撃を受けてしまうような不利な態勢に追い込まれるのは必死だった。

パッショーナの硬いブーツが床を激しく蹴り上げる音が空しく聞こえ
上空から際限なく襲ってくる鳥の化け物に弾丸と労力を消費したのだ。


ギャワーッ!ギャワーッ!!


ダッダダダダッダダダダダッ!!!


「多いな。目視でざっと20~30匹はいるぞ」
次第に軽くなっていくマガジンを確認しながら、上空から襲来する
鳥の化け物に対して的確な射撃を行うレン。

「全員密集隊形!360度!各個防衛空域を減らしながら化け物を撃退しろ!」
手ごろな遮蔽物が見つからず、圧倒的な不利に持ち込まれている状況だが
未だレンの目と命令する口調に冷静さは失われていない。


「貴美子こっちは私がやるわ!あなたはそっちを!」

「ケリーさん!Aチームの人たちがあっちに・・・」
ケリーが化け物に向けて散弾銃を向け警戒しながら、
中央に頓挫しているAチームのほうへ向かう貴美子を
こちらにくるようにグイっと強く手繰り寄せるように手を引っ張った。

「あの人達はあの人たちでやるでしょ!私たちはDチームなのよ!」
ケリーの怒号が窟内中を伝達するように大きく響く。
形相は未だ強張っていて、どことなく苛立ちさえ感じられる。


「そんな・・・ッて!?ケリーさん!後ろ!!」
貴美子が振り返ると、ケリーの背後の物陰から鳥の化け物らしきものが
飛び出すのが見え、とっさに声をあげる!


クワァーックワァーッ!


上空に群がる鳥の化け物達が一斉に甲高い奇声をあげると、
物陰から狙い済ましたかのように、死角であるケリーの背中目掛けて
一匹の化け物が飛び込んできた!


「まったくウザったいわね!!」


ドンッ!ババシューッ!


ギャワァァー!ギャワァァーッ!


「話してるときに横槍いれないで頂戴ッ!」
肩と腕を曲げると散弾銃を後ろに向け、小うるさい鳥の化け物に対して
散弾銃を容赦なくお見舞いするケリー。散弾に当たってその場に崩れる
鳥の化け物には目もくれず、まるで鬼のような形相で貴美子の腕を引っ張る。


「完全にキレちまってるなぁ・・・まあコイツが利く分キレる余裕もでるって話か!」
突撃銃を高く上げながら、次に襲来する鳥の化け物に対して
フィクシーがお得意の余裕をたっぷり含んだ声をあげる。
圧倒的不利な状況に追い込まれはしたが、たしかに用意された
銃器武器が利くという点では、先ほどの化け物よりは
まだ希望が持てると思える展開だった。



…だがそんな希望、その余裕さえもこの暗闇は飲み込むのであった。



カツッカツッタッタッ・・・バタン!!


「・・・ぐ!!!!」
中央で鳥の化け物を迎撃していたパッショーナが移動しようと走ると
走っているうちに何か全身に纏わり付くような感覚がし
次の瞬間、思いっきり躓くと、そのまま体勢を崩してしまった!


クワーッ・・・クワーッ・・・!

それをまるで見知ったかのように、ギラリと鉄のような大きな牙を
鈍く光らせると、暗がりから奇妙な声を上げ
数匹の鳥の化け物が群れを成してパッショーナに向かって
まるで円を描くように陣形をなし、ゆっくりと降下してくる!


「くそったれ!!」
すかさずパッショーナが鳥の化け物の群れに向けて
転んだままの射撃体勢を取ろうと突撃銃を構える!


ヌチャァ・・・ベトォ・・・


「・・・ッ!!」
パッショーナはその時、何か全身に違和感を感じる。
転んだときにも感じた違和感と同じもの。
体全体に纏わり付くような感覚が全身に広がる。
視界をそらすといつの間にか真っ黒であった戦闘服には
赤いスライムのような凝固したものが、所々くっ付いているのが見えた。

「こ、これは!!」
そう、さきほど全身に浴びせられた化け物の血が、
いつの間にか凝固剤のように体の各関節を縛り
パッショーナの体の自由を奪っていたのだ!


ダダダッダダダダダッ!!


「チッ、こんなところで死ぬわけには・・・!」
フルオートでけたたましい弾丸を放つ突撃銃だったが、暗闇から迫る
無数の鳥の化け物たちは、すでにパッショーナを取り囲むように
襲い掛かってきている。
体全身に渾身の力を込めて思いっきり体を反転させようと力を入れるが
動けば動くほど化け物の体液はスライムのように纏わりつき
戦闘服を通してパッショーナの関節を固め、身動きを取らせない。


クワァーーーーッ!


化け物の群れの中の一匹が、パッショーナ目掛けて
奇声を上げながら恐ろしいスピードで急降下してくるのが
パッショーナの肉眼に確認できた。
金属のように鈍く光る嘴は、真っ直ぐにパッショーナの心臓部分を狙う!


「ここまでか・・・ッ!」


ダダダッダダダダダダッ!!


「フィナーレには早すぎますよ隊長!!!!」
けたたましい銃撃音と共に、人間の声と化け物の絶叫が聞こえる。
絶望銃弾が来た方向をパッショーナが向くとAチーム最後の一人である
レナがこちらに向かって走りながら体を起こそうとしているのが見える。

クワァ・・ク・・ワァ・・

Aチームのレナが放った弾丸は化け物の頭部を突きぬけ
化け物は衝撃の勢いにそのまま流されるように、パッショーナの横の床を
地面を引きずるように吹っ飛び、気色悪いうめき声を小さくあげている。


「隊長、立てますか!?」

「だ、だめだ・・・化け物の体液が・・・かたまって・・」
戦闘服の関節部を通り越し、すでに床にひりつくように固まった
化け物の体液をどうにか振り落とそうとするが
まるで強力なゴムのように引っ張る力を吸収され、力の分だけまた戻る。
まさに暖簾に腕押しといった様相である。


グビャボォォォッ!


「・・・あっ!?」

「しまっ・・・!」
それまで床に頓挫していた化け物の死骸から体液が吐き出される。
警戒していなかった方向からの攻撃になす術も無く、ゼリー状の液体が
レナとパッショーナに降り注ぐ。


その瞬間、液体が当たった時の衝撃に耐え切れず
バランスを崩したレナは、その場に勢いよく倒れこんだ。


…クワァーックワァーッ…


薄暗い閉鎖された空洞内を飛び回る化け物の姿が粘着液に包まれて
身動きの取れず横たわるAチーム二人の目にチラッと映ると
銃を構えることも忘れたレナとパッショーナは再び絶望を眼にする。

空腹を満たすための餌を見つけたように飛び出す貪欲な瞳、
我先にと飛びつくように羽ばたかせる翼の音、ギラリと鈍く光る爪と嘴
そして化け物が二人目掛けて向かってくる、恐ろしい奇声をあげながら。



クワァァァーッ!クワァァァーッ!



ガリガリッ!バキバキッ!グシャグシュ!・・・・ゴトン・・・・


熟れた果実を貪るように化け物たちが横たわる餌2匹に群がり
薄暗い闇の中、赤と黒と肌色の化け物達の一方的な悦楽の世界が広がった。
地獄と表すには余りにも過酷、残酷と表すには余りにも無碍。
少し経ち悦楽の世界は終わりを告げ、興味の無くなった化け物は
再び暗闇へと飛び去る。


後に残ったのは、薄汚れた戦闘服の破片と、無残に手首だけに握られた突撃銃と、褐色に濡れた床だけだった。


「・・・ッッッッッ!!」
冷静なはずのレンの表情がその光景を見るに一瞬にして歪み、
その目に映った全てを否定するかのように声無き声がこだまする。
陣形を乱すまいと思わずその場に足を思いっきりけりたてるが
一度溢れ出した衝動はまだ押さえきれないといった感じだ。


「…全員、神経を集中させろ…死ぬぞ…あいつらみたいにな!!」
フッと冷静さを取り戻すように静かに言い放ったレンだったが
口調、表情共に震えていた。冷静さを事欠くことなく
任務を達成してきたDチーム隊長のあのレンが、眉間に皺を寄せて
感情が噴出すのをガマンしているのだ。


『イエッサー!!』
三人の生存者の場違いな大きな声が張りつめた空気にこだまする。
これが隊長の辛さに対しての思いやりだと思っていたからだ。


(俺たちは踏み込んじゃいけねえ、とんだ楽園に迷い込んじまったみてえだな)
レンの表情を見つつ、フィクシーは思い出していた。


『俺たちが進んできた道は、
  命ある者が狩られ、命亡き者が栄える
    絶望と地獄が調和する化け物の楽園』だと。


…昇降機は未だ下降を続けている。