きらくなたてものや2

楽しむ、楽しい、いえづくり、まちづくり

当時は壁より柱

2016年01月27日 | 神田え邸

神田え邸にて。

 

引き続き、

構造の傷んだ水廻りを中心に

解体工事が進行中です。

 

ところでこの家の柱は、

多くは4寸角以上。

 

中には5寸角近い

柱もあります。

 

床下に潜ると

土台も5寸近くあって、

家の規模と比べると、

全体的に太い感じがします。

 

関東大震災直後に建てた建物なので、

地震に強い建物を作ろうと、

当時の大工さんの意気込みを感じます。

 

そう考えると、

その頃地震に強い建物を作るには、

現代のように「壁」ではなく、

柱の太さが大事!

という考え方だったように思います。

 

確かに柱が4寸角以上あるあたりは

まだまだ健在、

 

引き続きそのまま使う方針です。


朝十三度

2016年01月27日 | 家づくりの理念2

暦どおり、大寒の頃から

たいへん寒い日が続きます。

 

そんな日々の中、

今朝仕事机の上にある

温湿度計を見たら、

13.6℃でした。

 

我が家の壁は、

厚さ約7.5cmの土壁だけで

断熱材は入っていませんが、

 

それでも一晩寝ている間に

足の裏が凍りつくほど

家が冷めきるということはありません。

 

その点はむしろ、

以前住んでた

現代的な工法で作られた

賃貸マンションのほうが

辛かったです。

 

こうして土壁は、

熱を蓄えてくれるのですが、

 

この特長を活かして、

断熱材にむっちゃ頼らんでも

心地よい住まいを

作っていきたいものです。

 

そりゃ手厚く断熱材を入れたほうが

もっと冷めづらいのは分かってます。

 

だけどこの温度を見ると、

土壁だけでも必要にして十分という

着地点を見つけることが

できるんじゃないかと思っています。

 

一方で住んでて

正直寒いなーと思う箇所は、

木建具の周辺。

 

当時駆け出しの私は、

木建具の気密を高める

納まりの工夫を考えなかったのが

原因と思います。

 

 

それと吹抜け周辺。

いわゆる冷気が降りてくる

コールドドラフト現象ですね。

 

断熱云々ではなく、

いやそれも大切かもしれませんが、

 

縁側などの緩衝帯を設けたり、

 

障子を取り付けたり、

 

吹抜けを閉じたり開いたり

できるようにしたり、

 

あるいは先ほどの

土や木の特長を活かしたり、

 

建築計画上の工夫が

むっちゃ大事と思ってます。

 

というのが、

木と土の家に

15年住んでる実感です。

 

長年自分で住むことにより、

見えてくることがあります。

 

理論を学ぶとともに、

この体感も

大事にしていきたいと思います。