きらくなたてものや2

楽しむ、楽しい、いえづくり、まちづくり

動かない、きらくな網戸

2016年05月25日 | 鎌倉大町ほ邸

 

おじいさんの歳以上のたてものは、

窓に網戸を入れるという発想がなかったようで、

敷居鴨居に網戸用の溝がないことが多いです。

 

おじいさんが子どもの頃、

昔の日本人は、蚊などの虫が

へっちゃらだったのでしょうか。

 

いや、大昔から日本人は、

蚊に刺されてかゆくなるのは

やっぱりいやだったようで、

 

目の粗い繊維を利用して

蚊帳というものを発明し、

対策をとっていました。

 

一方で網戸が普及したのは、

実に戦後のこと。

 

高度成長期に

雨ざらしになっても大丈夫な

化学繊維による防虫網が現れ、

さらにアルミサッシの台頭に伴って、

網戸の設置は

ようやく当たり前のこととなりました。

 

というわけで、

戦前に建てられたたてものは、

その後窓の改修を行ったり、

アルミサッシに交換したりすることがないかぎり、

網戸の取り付く余地はないのです。

 

とはいえこの時代、

蚊帳で寝ている間だけ

部分的に虫を除けるよりは、

網戸を付けて家全体、虫を除けたい。

 

しかし、

敷居鴨居の溝を足す仕事は、

とてもおカネがかかるし、

 

かといって、

アルミサッシにするのもなあ。

 

そこで古民家に暮らす

建主さんが思いついたのは、

四枚建ての硝子戸の外側の溝に

二枚の網戸を挿入するということ。

 

これにより、

外側の溝では二枚の硝子戸と二枚の網戸を

動かずことができない状態となりますが、

 

窓から外に出るという

ことさえあきらめれば、

光と風を入れることに関しては、

何ら困ることはありません。

 

むしろ、

網戸を格子付きの「きらくな網戸」にすれば、

夜うっかり硝子戸を開けっ放しにして

寝てしまっても、

外からの侵入は困難なので、

常に防犯性は効いていることになります。

 

こうして今の状態を嘆くのではく、

むしろ逆手にとって

活かそうという考え方は、

 

古民家に暮らすうえでの

心構えの一つと言えそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 


小さなしゃかんやさん

2013年12月22日 | 鎌倉大町ほ邸
昨夕のできごと。

食堂ぺいすの胎内の壁に
土を塗る小さなしゃかんやさん。

すごく熱中しています。

家づくりで大切にしたいのは、
大人も子どもも関係なく、
「好き」とか「楽しい」という思いが
積み重なること。

この壁の作り方は、
塗り継ぎ、塗り足し、塗り重ねがきくという
きらくさもよいです。



あるもので生かす竹小舞壁

2013年07月24日 | 鎌倉大町ほ邸
鎌倉大町ほ邸にて。

みんなで作り上げた竹小舞が
あまりにも美しかったので、

これをデザインとして残す方法は
どうにかないものかと考えた末、

竹小舞の外側に既存の古い建具を
はめ込むことにしました。

その結果、
この時集まっていただいた
皆さんの顔と手を思い出しつつ、

光の入り方がとても楽しい
土間空間となりました。




再開

2013年07月05日 | 鎌倉大町ほ邸
鎌倉大町ほ邸にて。

先週末の土間打ちで
エネルギーを発散して以降、

逆にエネルギーを充電するかのように、
現場は静かでしたが、

今日から大工が作業を再開し、
再び活気が戻ってきました。

今月末完成に向けて、
あと少しです。