テーブル天板取り付け、チギリ、仕上げまでの作業工程

2019-03-28 | 家具・小物
 
脚部の吸い付き桟を滑り込ませる。桟、溝にロウソクをすり込んで少しでも滑り良くし叩き込みます。
勾配をつけているのでここからの締まりがきつい。そして天板の動きを吸収します。


 
二分割の天板を吸い付き桟の両側から滑り込ませるため、吸い付き桟の両端とも中心より1ミリ程巾を狭くし勾配をつけています。二枚の天板が中心に寄った時、天板と脚がぴったり密着する構造です。
天板の片方がおさまったところ。
吸い付き桟の裏側から一点だけコーチスクリューボルトで天板とつないでいます。あとの部分はアリ溝が滑って天板の動きを吸収します。


吸い付き桟は、脚と固定されているため遊びがほとんどなく、もう一方の天板との組み合わせがひやひやでした。うまく吸い付きながら寄ってくれました。
鈴の穴形には、六角レンチを締め込むと後から天板同士を寄せられる金物を入れました。

 
細かい作業には老眼鏡がなくてはならないです。
チギリ材を糸鋸で抜いて、墨線通りノミで削り揃えます。きもち下の方をノミを深く入れて勾配をつけます。

 
接ぎ面には普通チギリは入れません。この天板の場合、木目が入り組んでいてほとんど木口方向の面どうしなのでチギリを入れました。
ノミで墨線のきもち内側に鑿がかりをつけておきます。

 
トリマーを使って、鑿がかりを残して荒彫り。
5ミリずつ三段階で約14ミリの深さの穴を掘りました。
手応えで抵抗が少ない量削るのが安全です。

 
チギリを合わせながら、叩き込んだときにぴったり納まるように少しずつ現物合わせで削ります。
接着剤を入れてチギリを入れ終わったところ。


入り組んだ杢は鉋がけに苦労しました。ひたすら刃を研ぎ、鉋台を調整しながら逆目を止めながら平面を出す地道な作業です。


紡錘形の空間が際立つ


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テーブル脚部組み立て

2019-03-25 | 家具・小物

片側の仕口の込み栓は横腹から打ち込むので、頬杖が邪魔して打ち込めないのであらかじめ柱にヌキを挿し、コミセンで締めてから組みました。

 
もう片方はホゾを通し、くさび形の栓を打ち込んで固めます。


木が痩せてきて緩んだときにこのクサビを打ち込むとまたがっちりします。

 
脚部組み上がり

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ブックマッチダイニングテーブル加工工程

2019-03-24 | 家具・小物
ブックマッチダイニングテーブル
キハダ材
w1800×d650〜850×h680

 
全体の形、大きさを考慮しながら水糸を張って検討中。
真ん中に紡錘形の空間を残すのでどこで落とすか重要です。ここでほぼ天板の形が決まります。
厚さ三寸のキハダ材、反り、部分的に多少の割れがあります。
プレーナーにてまずは裏面の平面を出します。2mの定規を当て当て高いところ、反り上がったところを削り、だんだん平面が出てきます。
裏面が完全な平面になったら、次にケヒキで厚さを決め、この場合は90ミリだった厚さが70ミリに。
そして表面をケヒキを頼りにひたすらプレーナーにて平面出しします。
米袋6、7個くらいぎゅうぎゅう詰めでプレーナーくずが出ました。

 
脚部の部材を木取り平面出しまで
左に立てかけてある2枚の板が天板です。木が生きていた時が想像できる大きな枝が生えていたところが見えます。
脚を組むイメージで置いてみたところ。

 
脚と脚をつなぐヌキは家の梁を思わせるむくった板を使って見た目の安定感を出しました。
片方は上からカンヌキを打ち込み固める形、もう一方は貫いたホゾを出すと邪魔になってしまうので脚の中でホゾを込み栓で締め込む形の仕口を使いました。
吸い付き桟の位置決め。
天板の裏はまだ仕上げ前。
仕上げ鉋がけと銑による削り出しで部材それぞれ仕上がりました。
後は接着剤を使い組み上げます。



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ブックマッチテーブル、ダイニングチェア、カウンターチェアを納品

2019-03-19 | 家具・小物
今日はダイニングセットとカウンターチェアを納品させていただきました。

大町市内の旧家の敷地にキハダの大木があり、あんまり大きくなり過ぎて切ることになり、丸太をいただいたのが24年ほど前になります。
製材、乾燥し、カウンター、椅子などいろいろに使わせてもらったのですが、このブックマッチの板はこんなテーブルに、と始めから頭の中ではできていました。
長い年月を経てもうそろそろテーブルにしてもらってもいいよとキハダの木が許可してくれたんだと思います。
いろいろなご縁がつながり、形にすることができました。

 
長年の知り合いの大工さんが、親友の家を建てることになり、この家の家具はぜひ山形さんにと紹介していただき光栄です。
始めにテーブルのデザイン画を見ていただいた時、ご夫婦ともに「これ」と意見が一致し作らせていただくことができました。

 
大工のかっちゃんは木が大好きで大切に扱い、心のこもった仕事をやり通す素晴らしい職人さんです。

 
いろいろな種類の木を使いこなし、無駄にすることなく活かしたとても手間のかかる仕事が随所に見られ、そして暮らしやすいというお施主さんの気持ちを一番に考えて作り上げた感動的な家です。
ブックマッチテーブルや椅子も皆さんに大満足いただき本当に嬉しい時でした。

 
本当に可愛いそうちゃんはテーブルに近づいて行ったと思ったら、まずはがぶーっとかじって味わってきゃっきゃっと笑ってくれました。
なめても問題ないオイルフィニッシュなので大丈夫。
普通の大人は多くても四感でしか普通味わえないけれど、五感で味わってくれたそうちゃん!流石だ、負けました。
本当にありがとうございました。

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お春でございます

2019-03-18 | 日記
素晴らしい大好きな季節が過ぎ、みんな活発に動き出す春ががやって来ました。

 


カラマツ三兄弟も青空を突き刺すように元気

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