しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第104回 チャノ・ロバート

2009-01-20 19:42:38 | カンテ
昨年、入院し、緊急治療室に入るなど、かなり具合の悪いときもあったチャノ。
でも秋には元気になって、またラジオにも1回だけかもしれないけど、出演してました。もう80歳だし、糖尿病でずっと薬のんでるし、最近みるたびに、おじいさんになっていく感じで、心配だったのでほっと一息です。。。
チャノ、セビージャ派フラメンコ舞踊の大御所マティルデ・コラルといっしょに、数年前からカナルスールの午後のラジオ番組に毎週火曜日だったかな。出演してるんです。おふざけ連発の楽しいおしゃべりでフラメンコなんて知らない人たちにも人気。倒れてからはチャノの代わりにナノ・デ・ヘレスやマリアナ・コルネホがでてますが、やっぱ、チャノが面白かったよなあ。。。ペリコンにも通じる、いかにもカディスなおふざけ精神。

その彼の初期の録音を集めたCD2枚組みがマドリードのフラメンコ専門ショップ、エル・フラメンコ・ビーベから発売になったのはもうかなり前のことです。
チャノって、録音、80年以降でも数枚あるんだけど、どれもなぜかいまひとつ。
だな、って思ってたみなさん! チャノを1枚だけ買うなら絶対これです。
マノロ・サンルーカル伴奏のがめちゃよいのです。

そ、80年以降のって、伴奏がパコ・デル・ガストールだったり、ペドロ・バカンだったりするんだけど、(最新?盤はペドロ・シエラだったよね)なんかいまいち。それぞれにすばらしいギタリストなんだけど、歌伴奏って呼吸が大切。
息が合わないとどんな名手同士でもがたがた。。。なんですよね。
昔、パコ・デ・ルシアがアントニオ・マイレーナの伴奏をしたときに、「マイレーナの好きそうな、古風な感じでやった」といってたけど、歌い手を気持ちよく歌わせるためには、そういうテクも必要なんですよね。

チャノは古くはグラン・アントニオの伴唱で長年活躍してたし、コンパスのよさと、生きのよさで、のりのよさがまずは売り。これをいかせるような、ギターが必要。でマノロ、さすがの伴奏です。カディス県人会ゆえ? それもありうり。
とにかく聞き比べてみてください。
あ、このCDには、コルドバの広場のソレアではじまる鐘の音を録音した、フアン・セラーノの伴奏のも収録されておりまする。珍しい録音だよね。でもやっぱこれはのりがいまいちで、やっぱ、チャノ+マノロで決まり。
ちなみにマノロって、ニーニャ・で・ロス・ペイネスの伴奏もしてるんだよね。
歴史。。。

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