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しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

アントニオ・マイレーナ「ヒターノ・イ・アンダルース」

2009-12-03 20:44:40 | カンテ
アントニオ・マイレーナ生誕百周年を記念して制作されたCDブック。
写真や系図などで彼の人生と功績を振り返る。
CDの方は未発表のライブ録音を8曲収録。
観客のハレオや拍手なども入り、スタジオ録音のアルバムとは全く違う臨場感が味わえる。

個人的には最後に収録されたマイーレナ・デル・アルコールのプリミティブなサエタ(今のサエタのようにシギリージャ/マルティネーテのリズムで歌われるものではなく、民族音楽系にちかいもの)を興味深くきいたが、
「もっと歌っていたいけど。これで72歳だよ」というしゃべりが入った81年のウトレーラのフラメンコ祭、ポタへ・ヒターノで歌ったブレリアも面白い。
でも歌なら最初のトナーや、ソレアがおすすめ。

12月10日にはセビージャのマエストランサ劇場でオマージュ公演が行われます。

エンリケ・モレンテ「モレンテ・フラメンコ」

2009-12-02 19:14:56 | カンテ
オープニングはナナ。このナナだけはスタジオ録音の新曲。
愛娘ソレアのやさしいボーカルではじまる。
ソレアの声は姉エストレージャをもっとやわらかくやさしくした感じだ。
ブレリアのリズムにのって聖週間の行進曲アマルグーラのメロディで
「おかあさんはみんな 悲しく、苦しい」
とはじまるこの曲は戦争で息子を失った母親たちに、母親を失ったこどもたちへの
やさしく強いフラメンコな反戦歌。心にしみてくる。
こどもたちのコーラスも自然でいい。

続くタンゴのノリの良さ!
伴奏のダビ・セレドゥエラはパコ・デ・ルシアのファルセータをパコよりも早く!弾く。
そのすごさ! これはギタリスト諸君絶対必聴!
エンリケの声ののびといい、コーラスの間の良さ、バランスの良さといい文句なし。
元気が出るタンゴだ。

続くソレアは長年伴奏をつとめていたペペ・アビチュエラの過不足ない素晴らしい伴奏での熱唱。モレンテというとモデルノ、という印象がある人もこれを聴けば、意見が変わるのではないだろうか。声をはり、そのあとの落ちて行くところの見事な感覚。
フラメンコの根っこの部分をきっちり押さえているからこそのできばえだ。

そしてファンダンゴ・ナトゥラレス。
ファンダンゴというとフラメンコ・フェスティバルで歌い手たちが好んで歌う、フラメンコ版都々逸的カンテ。
エンリケのライブでファンダンゴを聴いた印象があまりないのだがこれも素晴らしい。
かつてのファンダンゴの名手たちをほうふつとさせる出来。
昔ながらの歌詞を、これもめりはりをつけて、歌詞が心に届くように歌っているのだ。
テクニックのためのテクニックではない,心の表現のテクニック。
伴奏のペペ・アビチュエラも最高。

グラナイーナの伴奏はフアンとペペのアビチュエラ兄弟。
前奏の美しさといったら。グラナダの風景が目の前にうかんでくる。
朗々とうたいあげ、最後にモレンテ風というか、微妙な節回しをきかせてくれるのがまたいい。。。

アルハンブラ宮殿はカルロスキント宮殿で録音されたアレグリアスもペペ・アビチュエラの伴奏。
ストレートに歌い上げる正統派アレグリアスだが
これもレトラのメロディの載せ方などにモレンテ風な歌い回しがあるのもうれしい。

が、なんといってもこのアルバムの中で最も素晴らしいのはセラーナだろう。
伴奏は天才、ラファエル・リケーニ。
どこかクラシック音楽的な前奏からしてオレ!を叫ばずには聴かれない。
エンリケが親交あつかったカンテの名匠、師ペペ・デ・ラ・マトローナの歌っていたというセラーナをまっすぐ歌う
おちていくところのうまさといったらない。
それによりそうギターのすごさがこれまた。。。。鳥肌もんである。
こんなにアーティステッィクでオーセンティックなセラーナがかってあっただろうか。
これもギタリスト絶対必聴です。

次のティエントも伴奏はリケーニ。セラーナと同じときに、グラナダのアラブ風呂で録音されたもの。
エンリケの声の使い方は名人技だが、これも伴奏がめっちゃフラメンコで素晴らしい。

ペペ・アビチュエラ伴奏のマラゲーニャ、そして重みと深みのあるソレアで心をふるわせ、最後に再び「ナナ」だ。
最初のバージョンとは別の 、前々作「ペケーニョ・レロッホ」のメロディもかおをみせる長いバージョン。


モレンテ・ファンはもちろん、モレンテ嫌いの人もぜひ聴いてください。
モレンテがどんだけフラメンコを愛しているか、知り尽くしているか、絶対これでわかるはず。
ギタリストにはギターを聴くだけでもおすすめと申し上げます。


MUJEREZ

2009-07-21 02:51:40 | カンテ
久々の新譜紹介でございます。
昨年、ヘレスの若手カンタオールたちを紹介する「ヌエバ・フロンテーラ・デ・カンテ・デ・ヘレス2008」を制作/発売したBBKという北スペインバスクの銀行の制作による「ムヘーレス」。女性たちという意味のMUJERESとJEREZ がかけてある、しゃれたタイトルにまずは座布団1枚。「ヌエバ・フロンテーラ」は、ヘレスの外ではほとんど知られていないような若手カンタオールたちが中心でしたが、こちらはすでに一家をなした、というか、ばりばりに活躍しているプロたち3人。若手は。。。いないのかなあ。。。男はけっこういるのに、やっぱいまだに男性上位、なんでしょーか。。。
でも考えてみたらわりとコンスタントにCDをだしているマカニータはともかく、ドローレスってソロ、たしか1枚しかないし、フアナにいたっては皆無? なんか、いつもアントニオ・ピパの舞台にでているからそんな気はしなかったけど、うーん、考えてみればこのアルバムの意義は思ったよりも深い。。。のかも。生の舞台とちがって、CDはより遠くまで届くし、後世に残るわけだしね。うむ。フアナのムイ・フラメンカな声、しゃがれた、男のようにもきこえる、力強く熱のある声はよいですねえ。でも、実はけっこう気にいったのがドローレス・アグヘータのシギリージャだったりする。。。自分でも意外。けっこう音とか外したりはするんですが、でもなんつーかけっこう本物の味、的な感じがするわけですな。曲の途中で急に「父に捧げます」ってのはあんまりないけどねえ。。。んでそのわりと愛らしい声と歌うときのちょっと悪魔的でもいえる声との対比もわるくない。。。ブレリアののりはちょっと苦しいかな。でもパルマのボーとチチャロのおかげでアグヘータ系がサンティアゴ系によってて面白い、ともいえるかも。なんか生でも久しぶりにドローレス、きいてみたくなってきました。ちょっとがっかりだったのはマカニータ。この中では一番若手だけど、CDもたくさんでているし、リサイタルもたくさんこなしている、ある意味一番プロでベテランなわけだけど、レパートリーのかぶりをさけるためか、マラゲーニャ屋レバンテなんて歌っているわけなんですが、こいつがちょっと、、、なわけで。得意なはずのソレアも、勉強してる感じはするんだけど、割と一本調子で音も外すし。熱はあるし、声は彼女もちょっとしゃがれたフラメンカ声。そういえば3人ともそうですね。ヘレスっぽい声っていってもいいんだろうか。。。
ちなみに伴奏はモライート。名手でございます。文句なし。やっぱ伴奏はこの人っすな。あ、ドローレスの伴奏は息子ディエゴがやってます。これもシンプルで古風なかんじでわるくないよ。ってかほんと上手になりました。
曲の合間にちょっとした話し声がはいったりしているのがいい雰囲気でございます。歌詞もついているし、ヘレス狂はもちろん、カンテ練習生にもおすすめです。
しかしこのアルバム制作がバスクの銀行ってのが、すごいよね。これも実はビルバオでペーニャをやってるゴンサロ君の尽力あってのこと、なわけですが。はい。その意味でもアフィシオナード、買って損のない1枚でございます。

ギジェルモ・カーノ「シンコ・ベルソ・イ・ウン・コラソン」

2009-07-03 01:41:48 | カンテ
日本だとギジェルモ・カーノなんて初耳、っていう人の方が多いはずだ。この人を知っているというのは、かなりのフラメンコおたくか、最近スペインに滞在し、フェスティバルのおっかけでもやっていた人くらいじゃないだろうか。。。
1973年、ウエルバのボジュージョ・デ・パル・デ・コンダド生まれのこの人がフラメンコを歌いはじめたのは今世紀になってから、なんだそーなんである。正確には2002年。それまではセビジャーナスとかは歌っていたそーだが、フラメンコはぜーんぜん、だったそーな。その2002年に由緒あるムルシアはラ・ウニオンのカンテ・デ・ラス・ミーナスのコンクールの1部門で優勝しているのだからすごい。2003年もタランタ、カルタへネーラで各部門で優勝.2004年からは各地のフェスティバルで活躍。2006年にはビエナルにも初参加。07年にはCDデビュー、08年のビエナルではソロリサイタルを。。。と順風満帆。
この人の二枚目のアルバムはファンダンゴ集でございます。ウエルバだもんね。
きれいな声で朗々と歌うタイプの彼にファンダンゴはぴったり。アロスノのようなウエルバ系あり、ニーニョ・デ・グロリアなどのペルソナル(創唱者の名前がついているパーソナルなスタイル)系ありでけっこうバラエティにとんでいますな。新しい歌詞なので歴史的なものを勉強したい人にはむかないけど、ファンダンゴ好きにはおすすめかもです。

アントニオ・カンポス「エン・ディレクト・コラル・デル・カルボン」

2009-06-04 01:55:23 | カンテ
フラメンコのアルティスタがCDだすっていうと、あちこちから新曲あつめてきて、ってのが普通。
なんで、ライブではめちゃいい歌い手なのに、CDできくとそうでもない、ってことがよくおきる。
いつも歌い慣れた歌詞歌っているわけでなく、いわばお仕着せなわけだから、仕方ない。
ジャズのミュージシャンとか、スタンダードナンバーをいろんなバージョンで録音してるじゃん、
フラメンコだって同じ曲をいろんなバージョンで録音したっていいじゃん。
とか思うんだけど、ライブ盤って少ないんだよね。
カンテだとカマロン。あと最近スペイン国営放送からでているフェスティバルの録音くらい?
あ、フェルナンダとベルナルダやアグヘータのパリ録音ってのもあったか。
でもさっと思い浮かぶのはそのくらい。。。ってさびしくないかい?

いやさ、新しい歌詞も大歓迎、なのではあるけど、いつもの歌詞だって別にいーじゃんねー。
ま、いつも同じ歌詞を同じ順番で歌うアルティスタとかは、あきないでもないが、
同じ歌詞だって、そのときそのときの心がこもった歌い方だと、まったく同じってわけではないわけで。
カンテは歌詞よりも、そこにこめられたせんティミエント、心の叫びをきくものだぜ、なーんて,
歌詞がぜんぜんわからないとゆーところからはじめた我々外人ならではの?聴き方を講釈するわけではないけれど
フラメンコ録音には前からちょっと疑問もってたわけさ。

んでこのアルバム。(前置き長過ぎましたね、ごめんちょ)
グラナダのコラル・デル・カルボンでのライブ録音。毎年夏、若手中心のフラメンコやってるところです。
1972年タラゴナ生まれのグラナダ育ちのこの人、舞踊伴唱でおなじみ。でもこうしてソロできいてみるとまたなかなか。
ギターはダニ・メンデス。パルマにカルロス・グリロとカンタローテ。
昔ながらのレトラを中心に。パワフルにまっすぐにしっかりと歌っていて好感もてます。
ソレア、シギリージャ、マラゲーニャ、ティエント、ブレリア、カンティーニャとレパートリーも幅広いし。
一聴の価値ありです。

アントニオ・レジェス「ビエント・スール」

2009-01-25 03:22:30 | カンテ
若手実力派のデビューアルバムでございます
75年カディス県はチクラナ生まれ。ベテラン歌手ランカピーノの故郷でんな。
こどものときから舞台に立って歌っていたという若きベテラン。
2001年5月にコルドバのコンクールで優勝してるのし、30代だし、今頃若手とかいったら変かもだけど。

このアルバムはヘレスのフラメンコ評論家ホセ・マリア・カスターニョがプロデュース。
伴奏はアルフレド・ラゴスとモライートとヘレスの、全く異なる個性の二人。
アントニオはなかなかの実力派で、このアルバムでもソレアやシギリージャ、マルティネテといったフラメンコの基本、根本であるところの曲をしっかり歌っておりまする。

そんでもってギターがめちゃいい。
モラオのすごさはいまさらいうこともなかろうが(シギリージャの伴奏させたらこの人世界で一番である)、アルフレドがこりゃまたいいのである。
あー、ソロが聴きたい、ってかんじ。
マラゲーニャのイントロ。アレグリアスのイントロのたえなる美しさ。ひゃ~であります。
この人、イスラエル・ガルバンの伴奏でも活躍してるし、
日本にも叔父アギラールつながりで、弟ダビ・ラゴスとなんども、舞踊伴奏でいってるんだけど、
どうも地味なのか、あんま知られてないみたい。
でもほーんとにすごいです。オリジナルなメロディとかもいやー美しい。
マノロ・サンルーカルやヘラルドの影響もうけているのかな、なーんて分析はともかく。
ぜひぜひ聴いてくださいまし。


第104回 チャノ・ロバート

2009-01-20 19:42:38 | カンテ
昨年、入院し、緊急治療室に入るなど、かなり具合の悪いときもあったチャノ。
でも秋には元気になって、またラジオにも1回だけかもしれないけど、出演してました。もう80歳だし、糖尿病でずっと薬のんでるし、最近みるたびに、おじいさんになっていく感じで、心配だったのでほっと一息です。。。
チャノ、セビージャ派フラメンコ舞踊の大御所マティルデ・コラルといっしょに、数年前からカナルスールの午後のラジオ番組に毎週火曜日だったかな。出演してるんです。おふざけ連発の楽しいおしゃべりでフラメンコなんて知らない人たちにも人気。倒れてからはチャノの代わりにナノ・デ・ヘレスやマリアナ・コルネホがでてますが、やっぱ、チャノが面白かったよなあ。。。ペリコンにも通じる、いかにもカディスなおふざけ精神。

その彼の初期の録音を集めたCD2枚組みがマドリードのフラメンコ専門ショップ、エル・フラメンコ・ビーベから発売になったのはもうかなり前のことです。
チャノって、録音、80年以降でも数枚あるんだけど、どれもなぜかいまひとつ。
だな、って思ってたみなさん! チャノを1枚だけ買うなら絶対これです。
マノロ・サンルーカル伴奏のがめちゃよいのです。

そ、80年以降のって、伴奏がパコ・デル・ガストールだったり、ペドロ・バカンだったりするんだけど、(最新?盤はペドロ・シエラだったよね)なんかいまいち。それぞれにすばらしいギタリストなんだけど、歌伴奏って呼吸が大切。
息が合わないとどんな名手同士でもがたがた。。。なんですよね。
昔、パコ・デ・ルシアがアントニオ・マイレーナの伴奏をしたときに、「マイレーナの好きそうな、古風な感じでやった」といってたけど、歌い手を気持ちよく歌わせるためには、そういうテクも必要なんですよね。

チャノは古くはグラン・アントニオの伴唱で長年活躍してたし、コンパスのよさと、生きのよさで、のりのよさがまずは売り。これをいかせるような、ギターが必要。でマノロ、さすがの伴奏です。カディス県人会ゆえ? それもありうり。
とにかく聞き比べてみてください。
あ、このCDには、コルドバの広場のソレアではじまる鐘の音を録音した、フアン・セラーノの伴奏のも収録されておりまする。珍しい録音だよね。でもやっぱこれはのりがいまいちで、やっぱ、チャノ+マノロで決まり。
ちなみにマノロって、ニーニャ・で・ロス・ペイネスの伴奏もしてるんだよね。
歴史。。。

第103回 アウレリオ・デ・カディス「最初で唯一のSP録音

2009-01-17 01:52:36 | カンテ
どうも。ご無沙汰です。あっという間に2009年に突入してしまいました。。。
スペインでも毎日、経済危機、危機と連呼していますが、それよりもこの寒さをなんとかしてほしい。。。
雪こそ50数年降っていないセビージャですが、最低気温が0度なんていうのはけっこうあるんですよん。
ご旅行の際はあったかくしておいでくださいまし。

正月、といってもスペインはお休みは1日だけだし、いわゆる正月気分は皆無。
ともいえるのですが、1月6日レジェス(セビージャではレージェと発音してますな)の休日までなんとなくお祭り気分。
日本でも今年は暦の関係で9日間の連休を満喫したお勤め人の皆様も多かったと聞きますが、
セビージャでもけっこう連休にしちゃった人いたみたい。
で、わたしもなんとなく正月気分で呆けてたんですが、いや、ゆっくりしたせいか、古い録音などききたくなってきてまず手にとったのがこれでございます。

アウレリオ・デ・カディス、というよりも、日本ではアウレリオ・セジェスの名前の方が知られているかと思いますが、
はい、カディスの古典。正統本格。今もマラゲーニャにその名を残すメジーソを直接知っていた、つまり、その薫陶をうけた、この人のSP録音復刻版。今は廃盤になってまする。
CDの解説によると1929年、43歳のときに、ラモン・モントージャの伴奏で録音した10枚のSPが原盤だそうで、
ソレア5曲、マラゲーニャ3曲などカディスの人らしい選曲の中に、グラナイーナが2曲あるのが面白い。
反対にアレグリアスが1曲しかないのも、ん? かな。
とにかくよいです。
この人の録音はほかに、イスパボックスのもの、コロンビアの58年録音59年発売のものなどがあり、
私も最初に聴いたのはイスパボックス盤でございます。
これはもうほんと晩年の録音でありまして、声のかれたかんじとかもすごーくよいのですが、
このSP盤もできればぜひきいていただきたい1枚でございます。
声がなーんともあったかい。やさしいのです。
歌い回し、レトラとも晩年の録音に共通するとこありますが、
しみじみ、きけまする。
モントージャのギターもよいですし。。。

うーん。いろいろきいて結局はカディス、ヘレスにかえっていく、そんな気がする今日この頃でございます。



第102回「ヌエバ・フロンテーラ・デル・カンテ・デ・ヘレス2008」

2008-08-04 23:33:12 | カンテ
いや、ヘレスはすごい。てごわい。あなどれない。

って感じさせてくれるのはこのアルバム、でございます。
へレスの若手の歌い手たちを集めたCD2枚組。

その中で、スペインの一般フラメンコ・アフィシオナードにちょっとは知られた存在というのは、ヘラルド・ヌーニェスのグループで活躍し、昨年のマラガ・エン・フラメンコや今年のアル・グルグー(アラアルのフェスティバル)でソロもやってたパケーラのおいっこ、へスース・メンデス(どーでもいいけど、背の高い二枚目です)と今マドリーにすんでいる、昔ビエナルのコンクールに出たエセキエル・ベニテスくらいか?
あとは知る人ぞ知る、の存在ばかりかと。
フアニジョロやトロも、鍵田真由美さんの公演で日本に行ったりしてるし、パコーテはなんといってもアンダルシア弁講座
http://www.youtube.com/watch?v=kJyTXevQrtQ
で人気あるし(ラジオでものまねとかもしてる)、日本でも知っている人、いるかもしれんけど。

与太話はともかく。
つまりへレスにはまだまだ世間には知られてない、すごいやつらがうようよいるよ、ってことなんですわ。

トルタのおいっこはトルタじゃん、ってすぐわかるかんじだし、
ホセ・カルピオは、なんとセビージャ万博のタブラオで歌っていたおこちゃまの成長した姿でありました。
ちなみにギターもへレスの若手ばかり。中ではフアン・マヌエル・モネオ(マヌエルの孫だっけ?)がおきにいりです。

7月はじめにヘレスで開かれた新譜発表記念のコンサートもよかったよ~
最後にモライートとトルタ、30数年前の、元祖「ヌエバ・フロンテーラ・デル・カンテ・デ・ヘレス」に録音した先輩も登場して。

はい、こうしてフラメンコの伝統は綿々と続いていくのでありました。。。

ちなみにこのCD、制作がバスク地方はビルバオの貯蓄銀行ってどーよ。。。



第101回 マイテ・マルティン「デ・フエゴ・イ・デ・アグア」

2008-08-04 22:55:12 | カンテ
お、マイテの新譜だ、こりゃ買い~と早速買ってきてびっくり。
なんとラベック姉妹との共演なんですね。

ラベック姉妹、皆様覚えていらっしゃいます? あの人は今、に登場しそうなこの美女姉妹のピアニスト。今ぐぐってみると彼女らが人気だったのは80年代前半らしい。あ、20年前。。。なんかついこの間のような気がするんだけどね。
つーのはともかく。(年の話をすると長くなるのが中年の特徴。。。)

つまり、クラシックのピアニストと、フラメンコ歌手であるマイテの共演というわけですわ。
ま、マイテはボレロ(ラテン・バラードですな)を歌ったアルバムも2枚あるし、デビューアルバムでも自作のカンシオン、すなわちフラメンコのうたであるカンテ以外の曲もはいっていたし、そーれほど、びっくり、な組み合わせってことはないんですけどね。はい。
興味津々きいてみました。
はい。きっとフラメンコのコアなファン以外の人には、わあ、フラメンコだぁ、となるんだろうけど、コアな人には、ふーん、で終わっちゃうかもな選曲。
スペインだけどフラメンコじゃない曲がけっこう多いわけですね。
そのフラメンコ曲もビダリータやソロンゴという、メロディアスなものというのは、やっぱ、クラシックピアノという楽器ならでは、なのでしょーか。
リズムよりメロディ重視?とゆーわけでもないんだろーけど、フラメンコのリズムのもつ圧倒的な力みたいなものとは無縁なとこにあるような。

なんかこれならいっそのこと、ロルカの民謡集でもやれば?とかも思わせたりもするわけだけど、ま、クラシックとフラメンコの間にスペイン歌謡や、小曲、なんてゆーのがあるんだなあ、とか思ったことでした。違うかもだけど。

パコ・デ・ルシアの愛のうた、カンシオン・デ・アモールをピアノでひいているのは、なるほどねえ、って感じ。いや、うまくいえないんだけど、クラシック化するとこーゆーふうになるんだわねえ、って感じ。

けなしているようにきこえるかもしれませんが、そーではありません。面白いと思う。クラシックとフラメンコって、ありそーでなさそーで、だし。

いつもながら、ではありますが、マイテの思い入れたっぷりな歌い方も、いやあ、やっぱうまいし、いいし。アランフェス交響曲で知られるロドリーゴ作のアデラとかいやあ、いいですねえ。。。


http://www.labeque.com/news/view.asp?ID=84&TPE=1&LEVEL=1