暖かくてびっくりする。
ただ、手袋をしないで原付乗るとやっぱり寒かった。
図書館に行く。
本を読むのもあるけど、なんだか土日疲れたのもある。
他に用事もあり、昼ご飯を食べてから「ゆっくり」するために出かけた。
1冊読みかけたが、途中でとめる。
借りずに蔵書を眺めてみたり、パラパラとめくってみたり。
土日は最近、本当に疲れる。
原因はわかっているし、割り切らないと駄目だ。
今日は、先週予告した通り「ショート・ショート」を。
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【缶コーヒー】
ある日、目覚めると部屋の様子が違っていた。
昨日までぬくもりがあった部屋の中は、どこか荒んだ雰囲気が漂いリビングのテーブルの上には食べた後のカップ麺がそのまま残っていた。
私は妻を呼んだ。
でも、返事がない。
そして部屋の中を見ると妻の持ち物が全部ない。
「熟年離婚」という言葉が浮かぶ。
私もあと数年で定年になる。
世間でよく聞く話を思い出す。
しかし、昨日の夕飯は二人で食べたしメニューも覚えている。
ビーフシチューだった。
「久しぶりに作ったのよ」と妻が言ったそれはとても美味しく私はお代わりまでした。
奇妙なのはそのビーフシチューを食べた「皿」までなくなっている。
妻とお揃いのカップは私のだけ残り、そして妻の衣類や嫁入りの時に持ってきた鏡台までなくなっていた。
妻の痕跡がまったくなくなっていたのだ。
1晩でここまで持ち出せる事は不可能だ。
私はパニックになって外に出た。
ご近所の奥さんにあったので挨拶をして、妻の事を聞こうと思ったのに奥さんは私の顔を見るとそそくさと家の中に入って行ってしまった。
何か隠しているのか!私は憤りもう一度家に入った。
スマホに登録してある妻の番号にかけようと思ったが、登録がない。
それに妻の親族や友人や知り合いの番号さえなかった。
よく考えると私の「知人」と言うのは妻の関係しかない事に気がつく。
極端に人付き合いが苦手というより嫌いな私は、友人と言える人もいなくまた1人っ子だったため兄妹もいない。
また親族との付き合いもなく、両親が亡くなった今誰も頼る人がいない。
それでも「妻」という存在があったため彼女を中心に彼女の妹や彼女の親族との付き合いがあり、また近所とも彼女がいたため上手くやっていたと思う。
子どもはいないが、仲の良い夫婦だと思っていた。
途方にくれた私は、唯一交流がある父の弟の叔父に電話を入れた。
「妻を知りませんか?」と。
ところが返って来た返事は
「お前、いつの間に結婚したんだ?連絡もよこさないで。」と。
おかしい、20年前の結婚式には叔父も来たはずだ。
それからも、自分の知っている限りの知人に妻の事を聞いたが、みんな知らないというばかりかとても冷たい対応をされた。
その日は、幸い休日だったためご近所にも聞きにまわるが、みな似たような返事や対応だった。
私を子どもの頃から知っているおばあさんは私が尋ねると途端に気味悪そうに言った。
「あんた、とうとう頭がおかしくなったのかい?あんたはずっと独身のはずだよ」
そして、少し話をしてくれた。
私は、ずっと独身で両親が亡くなってからは近所づきあいもまったくなくなり、家に居るのかどうかわからないぐらいの状態だったらしい。
そして、ゴミ出しなどはいい加減で再三注意されても無視をしてご近所ともトラブルになっていたそうだ。
頭の中が混乱する。
ゴミ出しなどしたこともなく、分別もわからない。
いつも妻がやっていたからだ。
フラフラとそのまま漂い、公園のベンチに腰をかける。
喉がかわき缶コーヒーを買い、半分ほど飲む。
そういえば、こんなに人付き合いが苦手な俺はどうして妻と知り合ったのか?
確か・・・確か・・・。
思い出せない。
ずっと私はいないはずの女性を頭の中で作り出していたのか・・・。
こんな時に相談できる友人もいない。
妻が中心に私の世界はまわっていた。
改めて痛感する。
会社での付き合いはどうか。
忘年会や飲み会などはすべて断りまっすぐ家に帰っていた。
進んで仕事をやる事もなく、毎日がそれなりに過ぎればいいと思っていた。
総務の仕事で真面目にさえやれば、いいと思っていた。
そして妻という家族さえいればいいと思っていた。
私は孤独を認識する。
気が狂いそうなほど。
1人で生きていくという孤独を。
公園の中で大きく叫んだ。
すると真っ暗な闇が訪れた。
光が入ってきて目をあけた。
「どうしたの、叫んで。大丈夫?」と心配そうにのぞき込んでいる女性がいる。
妻だ!
私は涙を流して「良かった!良かった!夢だったんだ」と彼女の手を取った。
「やだ、何気味が悪いわね」と妻が笑う。
二人で朝食を取り、その日は公園に散歩に出かけ公園のベンチに腰掛けた。
ベンチには半分飲みかけの缶コーヒーが置かれてあった。
私は悲鳴をあげそうになった。
夢で私が飲んだ缶コーヒーと一緒だったからだ。
妻が「始末が悪い人がいるわね」といい中身を水道で洗い流し、ゴミ箱に捨てた。
その後二人でそこでいろいろと話をした。
妻が言う
「あなた私がいないと何もできないでしょ。それが心配なの。そして誰もお友達がいないでしょ」と。
私は頭に稲妻が走ったような気がした。
それからの私は少し変わった。
自ら積極的に会社や地域の行事に参加した。
家事も積極的に手伝い、休日などは料理教室に通い、たまに夕食などを作るようになった。
料理も一度はまると面白いものだ。
それに喜んで食べてくれる人の顔を見るのが楽しい。
定年まであと少しの期間だったけど、私の変わりように最初こそびっくりした人たちも親しく「私」と付き合ってくれるようになった。
定年後は妻の勧めで高齢者大学に通い、そこで友達が出来毎日が楽しいものとなった。
自分や妻の親族との交流もちゃんとした。
70歳を過ぎた頃妻に悪い病気が見つかりあっけなくこの世を去った。
葬儀などは親族や近所の人、また友人たちが支えてくれて悲しみの中滞りなく終わった。
もし、この人たちがいなかったらと思う。
朝、目覚めた。
リビングにカップ麺があった。
ああ、妻はいないんだと思い昨日何も作る気がなくて食べた事を思い出した。
流しに残りの汁を残しゴミを分別した。
仏壇に手を合わせてから、コーヒーを飲もうと食器棚の中の私のカップを出した。
横にはまだ妻のカップがある。
ふと除くと一枚の紙が入っていた。
取り出して読むと妻の字で
「もう大丈夫」と。
あの夢は彼女が見せたものなのか・・・
それは、私が同じ場所に行った時に聞こうと思う。
インターホンが鳴った。
そこには、一人の私を心配して来てくれた「私」の友人がいた。
「ようこそ。来てくれてありがとう」
私はドアをあけた。
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まあ、どっかで読んだような話で、私もどこかで書いたような話。
久しぶりに考えたから、まあこんなものかと。
本当は少し他の話を書きたかったけど、もうちょっと「こなれてから」の方がいいかと。
この話は、最近おとーさんが変わった事と、以前少し他の人の事を心配していた時期があったのを思い出して。
おとーさん自身は、親族との付き合いもそれなりにあり、妹もいるしそれに息子もいる。
だから、一人になったとしても困らないかもしれない。
しかし、地元に住んでいるにも関わらず高校時代の友人とは疎遠になり、今「友達」といえる人がいるのだろうかとかなり前から心配している。
休みは私にべったりだし。
幸いにして、再就職した会社が地元の為、最近になてちょこちょこと会社の人と遊びに行くようにはなっていたんだが・・・。
でも、会社という枠が取れたらどうなるのかと今から心配している。
私たちももう目の前にそれが来ている。
それは私にも言えることで、何か行動をしなければと思っている。
この話、何通りかのストーリーを考えていて、ここに載せたのは一番「毒」がないもの。
1つは、この「夢」は妻がある所に依頼して夫に見せたもの。
これは、まあこのストーリーの隠れた話になる。
1つは、自分自身がそのある所に依頼し、「夢」だと思っているのが現実で、他の部分はすべて「夢」。
最後は孤独のまま終わる。
1つは、パラレルワールドで重なったまた違った世界に飛ばされるとか・・・。
その「ある所」というのもいろいろと考えられる。
例えば、引きこもりを改善するために国が立ち上げた「夢」を見せるという計画。
国って言うのもありきたりだから、何かの秘密の組織とか。
少子化や未婚率などの問題を解決するために見せるプログラムとか・・・。
あはは、どんどん話が広がる。
今回は、私の年代の話で書いたけど以前から一人っ子の息子の事をずっと考えている。
彼は結婚するのかしないのか・・・。
しかし、もし仮にしなくても1人で生きていけるように育ったと思うし、今は彼に関わる人たちはたくさんいる。
今度のゴールデンウイークは、地元の友達がまた東京の方に遊びに来るらしい。
結局、これなんだよな・・・親として本当に心配するのは。
本当は、この話を「親の視点」で書きたかったんだが・・・。
もうちょっと頭の中で熟してから。
少し前にご近所の奥さんが少しの期間別居された。
結局、戻って来られたのだけどそこの家は奥さんが居てこそ、そこの旦那さんの出す騒音が我慢できていたことに気がついた。(土日、夜関わらず何か作業していて音がすごい)
奥さんが気を使って、「迷惑かけます」とか言ってこられていたので「大丈夫」と言えていた。(旦那さんは、しゃべらない)
音が限界!と思っていた時に奥さんが帰ってこられた。
もしかすると奥さんも音が限界で出たのかもしれない。
そういう事なのだ。
良く寝ているコブちゃん。
写真撮ると起きるのでこっそりこんな小さい写真を。
次は普通の絵日記を。
久しぶりに「おはなし」を考えて楽しかった。