おはなしきっき堂

引越ししてきました。
お話を中心にのせてます。

ゴールのテープ

2007年06月30日 | ショート・ショート
その女(ひと)は走り続けていた。
子供の頃から自分がいつも一番でないと気がすまなかった。
結婚はあるエリートとしたが長く続かなかった。
彼女の一番でありたいと言う路線からそのエリートが外れてしまったからだ。
彼女は方向を変えた。
ある小さな会社に入った。そこでかなりの実力が発揮できた。
元からいた人達も蹴落としてとんとん拍子に出世して自分のプライドも保てた。
ただ、後から追い上げてくるものに異常なぐらい不安をしめした。
穴を掘って落としたり、行く先の矢印を変えたりしてその追い上げをかわした。
でもどんなに落としてもあとからあとから彼女を追い抜こうとするものは現れてくる。
彼女はそのうち背後から近寄るもの対して異常な反応を示すようになった。

その恐怖に震え後ろを振り向かないで走り続けた。
そしてゴールが見えた。
ゴールのテープを切った時、彼女はテープが切れる音を聞いた。
プツン。
そのテープはゴールではなかった。
正気と狂気の境目のテープだった。

彼女は狂気の森をまだ走っている。
まだ、後ろには何かがいるのだ。
後ろを振り向かず走り続けるがゴールが見えない。
ただ、ただずっと走り続ける・・・倒れてしまうまで。

画像




困っている。
実は友人と昨日飲んだのだけど・・・。
最近ちょっといろいとあって社内がもめている。私も巻き込まれそうになってはいるが、もう辞めるつもりなのでボーナス貰うまでは大人しくしておこうと思っていて放っている。
でも、昨日友人から
「一緒に戦ってほしい」と言われ少し困惑している。

本誌のぺんきっき≪戦え!ぺん編≫もそろそろタイトルを変えようかと思っていたところだ。
最近、離婚した友人は会社で今働くという事が一番重要な事なんだろうけど、私はもう自分の道を見つけようとしていて、今会社で一番しようとしている事は今まで10年間働いて来た事の整理だ。
先日は、気になっていた「未整理BOXその?」を片づけた。
あと何箱もあるのを片づけて行くつもりだ。
そして来月のボーナスのあと「辞表」を提出しようと思う。

トラブルの原因は・・・これはすごく難しい問題。
以前、ショート・ショートで会社です。と言うのを書いた。
会社はもちろん経営者のものではあるがそれを作っているのはたくさんの社員がいてからこそ・・・と言う事がいいたかった。
今回の件は会社の経営者の人の問題ではなく、ある1人の人物の問題。
表面では正気を保っているように見えるが、中はかなり狂っている。
それが今までは私にしかわからなかったのだが(と思うんだけど)他にも害が及んできて、人を傷つけている。
正気と狂気の境目は何なのか・・・私は最近わからなくなってきた。
自分が、まともだと思っていても他から見れば狂っているのかもしれない。
私はもうこの人とは仕事が出来ないと思うから、実は辞めたいのだ。
一緒にいるとこちらも変になりそうだ。

友人はその「狂気」と戦おうと言う。
・・・でもその人は普通ではないのだ。自分の位置を守りたいために普通では考えられないような考え方になる。
その狂気の牙は自分より下だと思っているものには決して向けられない。
でも「出る杭は打つ」のだ。
競争社会の中でそのような事は日常茶飯事だけど、その人は実力で勝とうとは決してしない。
卑怯な手を使ってくる。
ただ、それを会社が狂っていると思わず、重宝しているのなら私はそれはそれで仕方ないと思う。

一緒には戦えない。
でも戦えないけど手助けは出来るのかもしれないが。

上のちょっとしたショート・ショートはひとつのものにとりつかれすぎて自滅へ・・・という事がいいたかった。
普通に生きて楽しく生きるという事はなんと難しい事なんだろう。
たまには後ろを振り返って見るのもいい事だってあるのだ。


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ほくろクラブ株式会社15≪孫の代まで・・・その3≫

2007年06月26日 | ほくろクラブ
運動会当日。

僕はお父さんに連れられ松葉杖で学校に行った。
テンちゃんややまさんみずっち・・・皆驚いて集まってきた。

「今日は見学なんだ」と僕が言うと皆シーンとしてしまった。
「大丈夫だよ。一生懸命応援するから、よかったよ応援する事にして・・・出れなくても応援だけは参加できるからね」
と僕が出来るだけ元気に言ってもしばらく皆は黙ったままだった。

「ごめん。ウッチー僕が下でしっかり支えなかったから」
みずっちが下を向いて言った。
「違うよ、僕がちゃんと上がれなかったから落っこちたんだ」
僕が言うとまた皆シーンとした。

しばらく皆で黙っていたが急に
「応援頑張ろうな!」とテンちゃんが言った。
「そうだ!そうだ!ウッチー僕らが走るのをしっかり応援してくれよな!」とやまさん。
「任せとけ!」と僕が言うとやっとみんなで笑った。

僕が出れなくなったせいで赤城先生をはじめ他の先生も大忙しだ。
僕の代わりに急遽ピラミッドの上に登る事になった生徒やプラカードを持つ生徒を指導している。
僕は申し分けなくてちょっとだけ情けなくなった。
その時音楽の先生が通りかかった。
「あらあら内田君。災難だったわね。でも運動会の前日に捻挫して出れなくなるなんで、内田君の孫にまで思い出話として語れるわよ!」
そう言ってケラケラ笑うと去って行った。
なんて事を言うんだ・・・こんなに情けないのに。

いよいよ開幕。
皆が並んで僕は見学席に1人っきりになった。
やっぱり情けない。
体操をやっているのをぼーっと見ていると保護者の見学席にいるお父さんとお母さんの姿が見えた。
自分の子供が出ないのに朝からちゃんと見に来てくれている。
僕は少しだけ涙が出そうになった。
皆が体操から戻ってきて慌てて涙を拭いた。

短距離走・リレー・玉入れ 。
他の学年の時は皆と一緒に応援し、僕ら6年生の出番の時は一人ぼっちになったけど僕1人で応援した。
「行け行け!6年1組エイエイエオー!僕らの力で青組優勝!がぁーーーんばれぇ!」
僕が1人で応援していると下級生で仲のいい子が一緒に応援してくれた。
少しだけ気持ちが晴れてきた。

午前中の部が終わった。
僕はずっと見てくれていたお父さんとお母さんと一緒にお弁当を食べた。
お弁当はお正月のおせち料理を入れる入れ物にいっぱい入っていた。
お母さんが朝早くに起きて作ってくれた僕の大好物ばっかりだった。
「皆、頑張っているな、特に天童君なんか走りは全部一位だな」とお父さんが言うと
「そうね、勇気のお友達がすごく活躍してるわ。このまま行けば青組優勝ね。」とお母さんがうれしそうに言った。
「勇気も応援頑張ってるな。お父さんはちょっと感動したぞ」そう言うとお父さんは僕の頭をちょんと小突いた。
食べ終わるとほくろクラブの皆が来てくれた。
皆と一緒に児童席に戻ろうとすると
「ほら、おぶって行ってやるよ」と言ってやまさんがしゃがんだ。
僕がためらっているとテンちゃんが僕の松葉杖を持ってくれてみずっちが僕の水筒を持ってくれた。
僕は僕よりかない大きなやまさんにぶら下がるようにしておぶってもらって児童席に帰った。
友達っていいな・・・僕はまたやまさんの背中で涙が出そうになった。

お昼からの一番の目玉は6年生が出る騎馬戦と組み体操だ。
騎馬戦で勝敗が決まる。
僕はドキドキした。
なんと言っても赤組に超手ごわい大将がいる。
練習の時はいつもこの1人のせいで青組は全滅したんだ。

いよいよ騎馬戦が始まった。
やっぱり赤組の大将は強い。
でも、青組の大将のテンちゃんもたくさん帽子を取っている。
最後は・・・一騎打ちになった。
僕は一生懸命旗を振って応援した。

「行け行け!テンちゃん!テンちゃんの力で青組優勝!がぁーーーんばれぇ!」

赤の大将の長い手が延びてテンちゃんにかかる!少しテンちゃんがぐらついたように見えた瞬間テンちゃんの手が赤組の大将の帽子にかかった!

「ピッーーーーー!青の勝ち!」

先生の声が上がった!

誇らしげに帽子を高く掲げたテンちゃんの手が見えた。
その瞬間に青組の優勝が決まった。
わーーーっと言う声とともに皆が立ち上がって喜んでいる。
僕はうれしかったが・・・あの中にいない自分が少し悲しかった。
座ったままなのに足が痛くなった。
痛かったんだ・・・足が・・・一粒だけ涙がこぼれた。

興奮した皆が帰ってきた。
口々にさっきの騎馬戦の活躍の話をしている。
女子はもう修学旅行の話をしている。気が早いったら・・・まだ運動会終わってないぞ。
僕も笑いながら聞いた。笑っていようと思った。悲しさを悟られないように。

その時テンちゃん、やまさん、みずっちのが赤城先生と何か話していた。
僕の代わりにピラミッドのてっぺんに登るテンちゃんとの打ち合わせなんだろう。

そして最後の組み体操が始まった。
自分が練習している時はわからなかったけど、皆がきっちっとそろって演技しているのはきれいだ。
最大の見せ場のピラミッド。
こっちから見てたらまたみずっちがグラついたけど運動神経ばっちりのテンちゃんがなんとか持ちこたえた。
僕もああやればよかったんだ。
今更ながらそう思う。
テンちゃんが上に立つと会場からは盛大な拍手が起こった。
僕も大きく拍手をした。

大成功だった。
演技が終わり6年1組の皆が輪になった、するとその中心から赤城先生とテンちゃん、やまさん、みずっちが僕の方に駆けて来た。
赤城先生は僕を抱きかかえると輪の中心に連れていった。

そして・・・
「青組、優勝ばんざーーい!6年1組ばんさーーい!そして僕らの応援団長、ばんざーーーい!」
そう言って僕を中心にしてバンザイをした。
僕はもう何がなんだかわからないぐらいうれしくなってバンザイをした。
足がまた痛いような気がしたがもう気にならなかった。

こんなうれしい運動会は初めてだ。
最初に音楽の先生に言われた時は腹が立ったけど、僕に孫が出来て運動会に出る時、聞かせてやろう。
僕の大切な思い出話として・・・。

「おじいちゃんはね、運動会の前日に捻挫してね・・・」なあんてね。

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ほくろクラブ株式会社14≪孫の代まで・・・その2≫

2007年06月17日 | ほくろクラブ
僕らは毎日運動会に向け、学校も家でも大忙しだった。
運動会の練習と応援の練習。
帰る前は必ず
「運動会で勝つぞ~!エイエイオー!」
と僕ら4人が中心になって勝どきをあげる。

帰ってからはどのような応援をするかの相談だ。
「行け行け!6年1組エイエイエオー!僕らの力で青組優勝!がぁーーーんばれぇ!」
旗も海賊のマークを書いた。
大きなホクロのある変なガイコツになってしまったが・・・。

朝からずっと一生懸命なので晩ごはんを食べながら居眠りをしてしまう毎日だった。
ご飯を口にいれたまま寝てしまってお母さんにすごく笑われた。
びっくりして起きてご飯を噴出してまた笑われた。

他の皆も一緒だと思う。
テンちゃんは運動神経がよくてクラスの期待の星だ。
走りも早い。だからもっと早くなるようにと練習を毎日公園でしている。
みずっちは走るのが遅いけどやっぱり皆に迷惑をかけたら駄目だからとテンちゃんと一緒に走っている。
やまさんは騎馬戦で上になるので帽子をとる練習だ。
僕は生徒の前をプラカードを持って歩く役に選ばれて、その歩く練習もしないといけない。
こんな光栄な役に選ばれたのがとてもうれしい。
体が小さい僕にとってプラカードは重いけどしっかり持って歩けるように頑張った。

そしていよいよ運動会が明日になった。
僕達6年生は最後の練習を学校でしていた。
組み体操でピラミッドを作る。
僕は小さくて軽いから一番上になる。
ただ、僕の下がみずっちなのだがどうも僕を支える力がなくて僕が登ろうとするといつもガクッとなる。
何回も僕はピラミッドから転がり落ちた。
毎日、打撲だらけになっていた。
この日また上がろうとした時にみずっちがガクッとなった。また僕は転がり落ちたのだが、その時みずっちの体に僕の足が引っかかった。

「いってっぇ~~!」

僕は大声をあげた。なんだか足の付け根が変な感じがした。
すごく痛かった。涙が出そうだったけどなんとか我慢した。

次はリレーの練習だった。
足は相変わらず痛くますますズキズキしてきた。
僕にバトンが回ってきたけど・・・もう僕は走れなかった。
痛さで涙も出てきた。こんな痛みは生まれて初めてだ。

「痛くて走れない・・・」
僕は情けなさも手伝ってボロボロ泣いた。
赤城先生が走ってきて僕をおぶって保健室までつれていってくれた。
そしてしばらくすると僕を病院まで連れていってくれた。
診察の順番を待っていると先生の知らせを受けお母さんが会社を早退し駆けつけてきた。
先生にお母さんが
「後で連絡しますので、ありがとうございました」と言うのが聞こえ先生は学校に戻って行った。

そして・・・診察を受けた。
レントゲンをとったり足を動かしたりしてまた僕は少し涙が出た。
僕は右足の付け根の捻挫だった。
「股関節捻挫です。」と先生は言った。
骨折とかではないからお母さんはほっとした様子だ。
僕は・・・僕は・・・痛さをこらえながら聞いた。

「明日、明日、運動会なんです!明日までに治るんですか?」

先生はちょっと悲しそうな顔して言った。
「残念だけど、しばらく痛みが収まるまで松葉杖をつこうね。明日は残念ながら参加は出来ないよ」

NO-----!

僕は暗闇に吸い込まれるような感じになった。
小学校最後の運動会。なんでこんな事になるのか!

痛い・・・。また涙が出てきた。痛いのか悔しいのかわからなくなって僕の涙はなかなか止まらなかった。

松葉杖を病院で借りた。
痛いほうの足をあげて松葉杖に体重をかけると痛みがましになった。
「松葉杖をついてしっかり治そうね」と先生は言った。
家に帰るとちょっとした段差が登れない。
お母さんが「ほら」と言って背中を向けてしゃがんだ。
僕は仕方がないのでお母さんにおぶさった。何年ぶりなんだろうお母さんにおんぶされるのって。
お母さんの背中は小さかった。
でも、暖かかった。僕はまた涙が出た。

「しっかり明日は応援しようね。お母さんもお父さんも行くから」とお母さんが言った。
そうか・・・まだ運動会に出れなくても応援がある。
僕はちょっとだけ希望が見えた気がした。

                             ≪その3へ続く≫

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ほくろクラブ株式会社13≪孫の代まで・・・その1≫

2007年06月14日 | ほくろクラブ
長かった夏休みが終わった。
そして新学期が始まった。

最初の一週間、夏休みぼけ(お母さんがそう言った)が治らず、学校に行ってもなんだか調子が出なかったけど、運動会の練習が始まってやっと僕らの調子が戻ってきた。
運動会は今月の終わりにある。
今、体育の時間は練習ばかりだ。組み体操って難しいけど格好いい!

そんな僕らが運動会で盛り上がっている中、女子の話題は運動会ではなく修学旅行の事ばかりだった。。
修学旅行は11月にある。
そんな先の事が何で気になるのかと思ったら誰と班が一緒になるかが問題なんだって。
「そんな誰と一緒になっても楽しいんじゃない」とみずっちが言ったら女子に袋叩きにされたと言ってた。
女の子ってなんでそんな事が気になるのかよくわからない。
僕ら男子は休み時間は皆一緒にドッチボールとかして遊ぶ。
「ドッチボールやろうぜ!」って掛け声で皆が集合するんだ。
そう言えば女子は皆3人から5人ぐらいでいるのが多いよな。
僕は一番の仲良しはもちろんほくろクラブの仲間だけど、クラスの男子は皆仲良しなんだ。

ある帰りの会をしている時、女子の1人の子が赤城先生に
「先生、修学旅行の班分けは先生が決めるんですか?それとも自分達で決めるんですか?」と質問した。
赤城先生は言った。
「君らは最近、寄るとさわるとその話題ばかりだな。昨日も放課後、職員室に来て同じ事を言ったのがいたぞ。そんな事より今は運動会の練習が先だ」

僕ら男子は皆「へー」って顔で女子達を見た。
なんだか女子は皆怒った顔をしている。

「先生、そんな事が私達にとっては大切な事なんです!早く決めて貰わないと運動会の練習も出来ません!」
別の女の子が席を立って言った。

赤城先生は少しだまって考えてそれから・・・
「よし、こうしよう!運動会で青組が優勝したら、自分達で班を分けてもいい事にしよう」

「エーーッ!」
クラス一斉に声があがった。
そして女子の目が一斉に僕ら男子に向けられた。

「頑張って優勝するのよ!」
クラスで僕らの間で「ボス」と呼ばれている女の子が言った。
ひえーーー!大変な事になったぞ!

放課後、僕らほくろクラブが帰ろうとしていると「ボス」が近づいてきた。
「ほくろクラブってクラスの為になる事をするんでしょ。だったらやる気のない男子達にやる気を出させてよね!」
そう言うと「ボス」は去って行った。
僕ら4人は唖然として立ち尽くした。

「どうする?」とやまさんが言った。
「僕なんか足が遅いからきっとボスにボコボコにされちゃうよ」とこれはみずっち。
「とりあえず赤城先生に依頼されたって言いに行く?」とテンちゃんが言ったので僕らは職員室に向かった。

赤城先生は僕らの話を聞くと
「うーん、女の子達があんまり修学旅行の事ばかり言うので運動会に集中させようと思ったんだけどな・・・。そうだな・・・」
赤城先生はちょっと考え込んでから
「ほくろクラブで応援団を作るか?練習の時も皆を盛り上げるために応援を頑張るんだ。今回のことは君らに無理を頼むからハンコを2個あげよう」

僕らはそれで了解した。
ハンコ2個って言うのは中々いい。これで今9個になっている。
クラスの皆の手伝いやらでためているけどなかなか20個までにはほど遠い。

帰ってから「いつもの公園」で集合した僕らは相談した。
応援団を作るからには本格的なのを作ろうと言うことになった。
普段の練習の時は、僕ら4人が中心になって声を出して応援し、本番の運動会は旗とかも作ろうと言うことになった。
明日から放課後は声を出す練習だ。
練習場所は「いつもの公園」
旗も材料を持ち寄ってここで作る事にした。

ちょっとわくわくしてきたぞ。

帰ってから僕はお母さんにこの話をしたら
「女の子はグループを作りたがるからね。そんな事が結構重要で心配なのよ。勇気たちの心配って『今日は何して遊ぶ?」か『今日の晩ごはんは何?』だもんね」と言ってケラケラ笑った。
失礼な!と僕は思ったけど今僕の心配事って・・・。
晩ごはん食べてもう寝るだけだから今のところ何にもなかった。

当たってるかもしれない。

                            ≪その2へ続く≫

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作文

2007年06月10日 | 雑記
今日は、ほくろクラブもショート・ショートもお休みして「雑記」を書きたいと思う。
ほくろクラブがちょっとまとまってないせいもあるんだけど。
そしてこの事はずっとどこかに書き止めておきたかったので。

先々週30日~1日の間王子の学校でオープンスクールがあった。
始めは月末・月初めで仕事の都合がつかず行かないつもりだったが王子がなんとクラスの代表で「人権作文」の代表で意見を発表すると聞いたので、こんな「発表」なんて王子の中学生活の中で一回あるかないかだと思うので聞きに行った。
時間も丁度昼の休憩時間だったので・・・(実は会社から中学校までバイクで2分だ)

ただ、「人権」という言葉に少し反発を覚えた。こういった学校の授業は自分が学生の頃から少しイメージが悪かった。
私の当たった先生が悪かったのかもしれない。中学3年生の時に転校したがその学校の一教師にすごく怒りを覚えた事がある。なんて世間知らずな意見を堂々と言うのだと。
(担任の先生はとてもいい先生だったんですけど。その他の先生の印象があまりにも悪かった)
私の転校した学校はその時市で一番の「優秀」な学校だったんじゃないかと思う。
校内暴力がなく、皆裕福な家の子で帰国子女が多かった。高級住宅地の中の学校だったためだ。
でも、大半が高級住宅の学生で占めていたがもちろんそうでない地域もあった。どういう表現をすればいいのか・・・いい方はよくなのかもしれないが「普通」の地域である。
そんな中ある教師がまったくもって失礼な質問を生徒に投げかけた。
市で1・2を争う風紀の悪かった学校から来た私はすごく反発を覚えた。こんな質問を前の学校でしたらきっと袋叩きにあうぞと思った。
教師の意思にあわない回答をしたんだと思う。
当たり前だが問題になった。(これは私の知らないところでだが)
私は今になって思うがその学校はすごく歪んで感がするし、またそこで教えている先生達もすごく歪んでいた。
かえって風紀が悪かった元いた学校の方がストレートでよかった。

私の「先生」のイメージは一気にそこから悪くなった。高校でもあまり心に残る先生とは出会えなかった。
社会に出てからもその感はぬぐえず、店に買い物にくる教育者とその家族は堂々と「非常識」な事を言う人が多いためますますイメージが悪くなった。
正直に言うと教師になる人はまず大学なりでもっと「社会」の経験をつんでくるべきではないかと思っていた。
そんな人達に教えて貰う「人権」なんて・・・とずっと反発を覚えていたのだけど・・・。

昨年、王子の小学校で役員をしてから少しイメージが変わった。
学校の先生と言うのも大変な職業なのだと思い、頭が下がる思いをした。ただ、世間との繋がりが薄過ぎるような感じがするのも否めない。

話を元に戻すが8人の生徒達が「人権」について語った。
王子を覗いてほとんどの子が「いじめ」「自殺」などについてだった。
王子は自分が松葉杖をついただけで、どれだけ不自由だったか、それとどれだけの人に助けて貰ったかを子供らしい文章でストレートに書いていた。
中にはこけそうになるような文章もあった。
多分、それが選ばれた理由なんだろう。
それはまあいいとして・・・
「いじめ」や「自殺」について語った子達の意見の中で数人は自分の身に起きた事を中心に書いていた。
自分がいじめられた事や友達がいじめられてた事について。

疑問を感じた。
中学校はほとんど小学校の延長で来ている。自分が小学校の時に受けた「いじめ」を発表している。
その子が「いじめ」と感じた「いじめた方」の子もいるのだ。
1人の子がある日自分が急に『無視された』と発表している中、肘をつつきあいクスクス笑う子の姿が印象的だった。まず間違いなくその発表した子を『無視した』子達なんだろう。
後ろにいるから見えたことだ。
教師は見えたんだろうか。

何の為にこういった発表を「学校内」でさせるのだろうか?もっと別の方法があるのではないか。
すごく疑問に思った。問題視するのはいい。生徒達に討論させるのもいいと思う。別のところで発表するのもいいかもしれない。
でも・・・。

文中に出てきた子だが「強くなることが大事」だと言っていた。本当にそうなる事を願ってやまない。彼女は「発表した事」によってもうひとつ何かを乗り越えてくれるのだろうか。

最後の校長先生の感想が長かったらしく、王子達は5分で弁当を食べなければならなかったらしい。
王子達の学校での最大の楽しみのひとつは「弁当の時間」である。
そんなところはもっと融通は利かないのだろうか?食べれなかった子もいるはずである。

学校を出る時アンケートの用紙に書きたかったが私自身昼も食べずに会社に帰るので急いでいたため書けなかった。
なんとなく心にもやもやが残りどこかで書きたかった。

次もこういうのがあったら聞きに行くのか?
・・・聞きに行って是非感想を書いて帰ってこようと思う。
また自分が中学生の頃のように問題発言をしてしまうかもしれないけど。
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