染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

越後上布の里帰り

2023年02月02日 | 店主の一日
この季節になると「里帰りをする越後上布」の依頼がきます。
映像でご覧になったことがある方も多いかと思いますが、上布の雪ざらしの季節です。
上布も着ているうちに黄ばんできたりしますので、それを解いて好天の日に雪の上に晒してあげると、黄ばみが取れて
元の鮮やかな色が蘇ります。
薬剤を使わずにあんなにキレイになるって実に不思議な作用です。
今回、お預かりしたきものはそれほどではなですが、数年前に雪ざらしをしたものには随分と茶に近いくらい汚れた部分もあったのですが、雪ざらしの後にすっかりキレイになって、随分喜んでいただきました。

昨日はスタッフの小泉さんが解いた生地を巻いていたのですが、毎回、不思議に思うのはかなり離れていてもその反物が「その辺にあるものではない」雰囲気を持っているのが判ることです。

苧麻でないラミーのもの、手括りでない絣のものと似たようなものはあるはずなのですが、遠目に見たら具体的に表現することは難しいのですが、上布独特の輝きのようなものを感じるのです。

雪ざらしを終えるとさらに色が冴えてきます。
これをお求めいただいたお客様からはきっとご満足をいただけるでしょう。


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