染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
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シャツのボタンをつける。

2022年03月13日 | 店主の一日
シャツのボタンが取れたので針と糸をとって付け直した。
ふと見ると、並んだ上のボタンも外れそうになっている。こちらも付け直した。
どうも最近のシャツはボタンが取れやすくていけません。
まあ、もっともそれほどの値段でないシャツを何年も着ているので、作る側もそこまで考えていないのかもしれません。
「一年着たら、捨ててね」くらいの感じなのかも。
きはだやでかつて作っていたシャツがあります。
100番単糸の綿糸を撚り合わせて作った唐棧シャツ。
値段は安くなかったけれど、根強いファンの方に支えられて1000枚単位の数を何度か作りました。
今でも時々、御要望をいただくが残念ながら既に生産を行っていないのでお断り申し上げるしかない。
「二十年近く着たけれど、ボタン一つとれていない。」
「着るほど馴染みがよくなる。生地も傷まない。」
そんな声をよくいただきました。
二十年間ボタンが取れなかったのは多分、たまたまかもしれないけれどボタンにも縫製にも相当に気を使いました。
原綿も最高級のもので繊維が長い。
短い繊維の綿を撚って似たようなものを作ることはできるけれど、使って馴染む前に生地が傷んでしまう。
世の中、様々なモノの値段がや安くなったので、唐棧のシャツは次第に値段を見ただけで敬遠されてしまいました。〜そこまで高いものではなかったけど〜
高いけれど着なければわからないよさを「先ず買ってみてください」というのは、それなりに難しいのかもしれません。
新しいものを次々買っていく方が今の世の中にあっているのです。
少し残念ですが仕方がないのでしょう。
それにしてもシャツのボタンはもう少ししっかりつけてもらいたいものです。


(画像は拾いものです)





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