冬休み、小学4年生の勇樹がある男を探していた。
名前は、綾小路寿久。毎年、母親に真っ赤な薔薇と一緒にお年玉を送ってくれる男だ。中味は千円だが、母親と勇樹は嬉しかった。
その病弱な母親が入院している。
ただ一目でいいから寿久さんに会いたいと寝言の様に言っていたので、勇樹がこっそりと探しに来たのだ。
薔薇についているマンションの住所を探し出した。呼び鈴のボタンを押しても誰も出てこなかった。
「こまったな。」体育座りをして玄関で待っていると、買物帰りの可愛らしい女の人が話しかけてきた。
「どうしたの?」
「ここの人に会いたいんだ。」
「そうなの。一時帰って来ないと思うわ。多分カフェにいると思うけど、何かいつも忙しそうにしているから、どこにいるのか分からないけどね。」
「そのカフェを教えてください。」
「そんなに会いたいの。ちょっと待ってて、教えるから。外寒いでしょう。私の部屋に入る?」その女の人は、鍵をポケットから取り出して隣の部屋のドアを開けた。ネームプレートには、井上琴美と書いてあった。
勇樹が入ると、ヌイグルミがたくさんあって、桜の様な香りがした。
「ジュース飲む?」琴美が冷蔵庫からオレンジジュースを取り出して勇樹の前に出した。勇樹は、ゴクゴクと飲み干した。
「喉乾いてたんだね。」琴美は笑窪を凹ませて笑った。その後、勇樹は何も話さず俯いていた。
「えっとカフェだったね。ここから歩いて十分ほどで着くわ。信号から左に曲がってコンビニがあるから、そこを右に5分くらいで見えてくるよ。地図を描くから持って行きな。」琴美が小さな紙に地図を書いて勇樹に渡した。
「おねぇさん。ありがとう。」
「いえいえ。どういたしまして。私のサンタさんにヨロシク言ってね。」と言ってウィンクをした。勇樹はどういう意味か分からなかった。
地図の通りに信号を曲がり、コンビニがあって、確かにカフェらしい所に着いたが、誰もいなかった。
正月休みのようだ。
階段の所に座っていると、勇樹と同じ様に残念がっている女の人がいた。スラットした身長で、大きなビジネスバッグから書類を出していた。
「あら、坊やもカフェで飲みたかったの?」と言って近づいてきた。
「人を探してるんだ。」
「そうなの。探せるかどうか分からないけど、私一応弁護士しているから、話し聞いてもいいわよ。」
「それじゃ。この人を探して。」勇樹がリックサックから一枚の写真を取り出した。勇樹の母親と綾小路寿久が仲良くピースサインをしている写真だった。その写真を見た弁護士という女の人は、驚いて笑った。
「この男の人を探しているの?奇遇だね。実は私もとても探している人なんだ。」勇樹はまた分からなかったが、みんなこの男に会いたいと言っている不思議な感じがした。
「弁護士さんならすぐ会えそうなのに、何で探さないの?」
「それはね。大人になれば分かると思うけど、人には大事にしたい出来事ってあると思うのよ。誰も触れて欲しくないと思うような事。それを大事にしていつか語れる時が来れば自然と人は出会える気がするの。」
「何かよく分からないや。」
「ごめん。ごめん。お腹へってない?」
「俺腹へった。」
「おいで。」と言って近くにあるチェーン店のうどん屋に入って食べた。その間も綾小路の話しで持ち切りだった。
「入院しているお母さんが会いたいと言って来たんだ。親孝行なんだね。多分、私の考えでは、今頃お母さんと会っていると思うよ。あの人はそんな男なんだ。電話してみようか。」と言って携帯を勇樹に渡した。
病院の看護婦さんにお母さんの様子を聞くと、背が高い男と楽しそうに話していると言った。それを聞いた勇樹が急に泣き出した。
「まったく。男の子は泣いちゃ駄目だぞ。お母さんが会えたならそれでいいのか。」
「うん。だけど、俺も会いたくなった。」
「そっか。いつか会えるよ。ただ女を泣かせるような男になっちゃ駄目だぞ。」と言って勇樹の鼻を掴んだ。
勇樹はいつか綾小路寿久のような男になりたいと思った。
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名前は、綾小路寿久。毎年、母親に真っ赤な薔薇と一緒にお年玉を送ってくれる男だ。中味は千円だが、母親と勇樹は嬉しかった。
その病弱な母親が入院している。
ただ一目でいいから寿久さんに会いたいと寝言の様に言っていたので、勇樹がこっそりと探しに来たのだ。
薔薇についているマンションの住所を探し出した。呼び鈴のボタンを押しても誰も出てこなかった。
「こまったな。」体育座りをして玄関で待っていると、買物帰りの可愛らしい女の人が話しかけてきた。
「どうしたの?」
「ここの人に会いたいんだ。」
「そうなの。一時帰って来ないと思うわ。多分カフェにいると思うけど、何かいつも忙しそうにしているから、どこにいるのか分からないけどね。」
「そのカフェを教えてください。」
「そんなに会いたいの。ちょっと待ってて、教えるから。外寒いでしょう。私の部屋に入る?」その女の人は、鍵をポケットから取り出して隣の部屋のドアを開けた。ネームプレートには、井上琴美と書いてあった。
勇樹が入ると、ヌイグルミがたくさんあって、桜の様な香りがした。
「ジュース飲む?」琴美が冷蔵庫からオレンジジュースを取り出して勇樹の前に出した。勇樹は、ゴクゴクと飲み干した。
「喉乾いてたんだね。」琴美は笑窪を凹ませて笑った。その後、勇樹は何も話さず俯いていた。
「えっとカフェだったね。ここから歩いて十分ほどで着くわ。信号から左に曲がってコンビニがあるから、そこを右に5分くらいで見えてくるよ。地図を描くから持って行きな。」琴美が小さな紙に地図を書いて勇樹に渡した。
「おねぇさん。ありがとう。」
「いえいえ。どういたしまして。私のサンタさんにヨロシク言ってね。」と言ってウィンクをした。勇樹はどういう意味か分からなかった。
地図の通りに信号を曲がり、コンビニがあって、確かにカフェらしい所に着いたが、誰もいなかった。
正月休みのようだ。
階段の所に座っていると、勇樹と同じ様に残念がっている女の人がいた。スラットした身長で、大きなビジネスバッグから書類を出していた。
「あら、坊やもカフェで飲みたかったの?」と言って近づいてきた。
「人を探してるんだ。」
「そうなの。探せるかどうか分からないけど、私一応弁護士しているから、話し聞いてもいいわよ。」
「それじゃ。この人を探して。」勇樹がリックサックから一枚の写真を取り出した。勇樹の母親と綾小路寿久が仲良くピースサインをしている写真だった。その写真を見た弁護士という女の人は、驚いて笑った。
「この男の人を探しているの?奇遇だね。実は私もとても探している人なんだ。」勇樹はまた分からなかったが、みんなこの男に会いたいと言っている不思議な感じがした。
「弁護士さんならすぐ会えそうなのに、何で探さないの?」
「それはね。大人になれば分かると思うけど、人には大事にしたい出来事ってあると思うのよ。誰も触れて欲しくないと思うような事。それを大事にしていつか語れる時が来れば自然と人は出会える気がするの。」
「何かよく分からないや。」
「ごめん。ごめん。お腹へってない?」
「俺腹へった。」
「おいで。」と言って近くにあるチェーン店のうどん屋に入って食べた。その間も綾小路の話しで持ち切りだった。
「入院しているお母さんが会いたいと言って来たんだ。親孝行なんだね。多分、私の考えでは、今頃お母さんと会っていると思うよ。あの人はそんな男なんだ。電話してみようか。」と言って携帯を勇樹に渡した。
病院の看護婦さんにお母さんの様子を聞くと、背が高い男と楽しそうに話していると言った。それを聞いた勇樹が急に泣き出した。
「まったく。男の子は泣いちゃ駄目だぞ。お母さんが会えたならそれでいいのか。」
「うん。だけど、俺も会いたくなった。」
「そっか。いつか会えるよ。ただ女を泣かせるような男になっちゃ駄目だぞ。」と言って勇樹の鼻を掴んだ。
勇樹はいつか綾小路寿久のような男になりたいと思った。
私にも今度バラ下さい(笑)
薔薇を送る男の人の本名です。
薔薇の様に刺がある男になっていきたいのでございます。
今年もヨロシクです♪
だんだん男の事がわかってきて、ドキドキしますっ!
薔薇の様にトゲのある…ツンデレですか?(笑)
綾小路寿久。難しい名前ですが、皆さん応援してくれたら、素晴らしいキャラクターになるかもです。
よろしくお願いします。
ツンデレではなく、私はデレデレです。
そんなわけでヨロシクね。
かっこよ過ぎです(~o~)
こんな素敵な男性、
わたしの周りにいたろうか・・・?
あ、自分を磨けば
それに見合った人が寄ってくるのか^^;
・・・今年は磨かないとね。。。
最近、自分を磨くだけじゃ駄目だなと感じました。
それをアピールしないといけないなと。
自分を知ってもらう為に。
私も薔薇が似合う男性になりたいですね。
リチャードギアのような(笑)