虹の国へ-日々を楽しんだり嘆いたりしちゃったりして-

平成21年度3次隊青年海外協力隊として
南アフリカ共和国での活動記録

カリキュラム改訂について

2011-10-30 18:56:28 | 南ア-その他-

今日は、南アのカリキュラム改訂について。

カリキュラムとは教育課程のことで、
各学年で何を教えるかを具体的に定めたことです。

南アでは、CAPSと言います。
(SAPSではありません。SAPSについてはこちら)

CAPSとは、
Curriculum and Assessment Policy Statementの略です。

このCAPSが来年から変わることが、昨年発表されています。
そこで、今日は来年からどう変わるかを紹介します。
※来年赴任の後任隊員は、ぜひご覧ください。

今回の改訂の骨格は、
「Back to basics(基礎に立ち帰れ)」ということです。

では具体的に見ていきましょう。

・Individual work(個人学習)→Group Work(グループ学習)
・Learning Area, Learning Programmes→subject
※呼称が統一されます。
・Learning Outcomes, Assessment Standards→Topics
※呼称が変わり、各週に教えるべきことを具体的に示します。
・IntermediatePhase(Gr.4~6)の教科数が8→6に減る。
※1 Technology+NaturalScience→NaturalScienceに吸収
※2 Art&Culture+Life Orientation→統合されLife Skillsに
※3 Economic and Management Science→廃止
・英語科がGr.1から必修に。
・2012年より順次変更開始。

このなかで、私が特に気になる点は、2点。

一つは、・Individual work(個人学習)→Group Work(グループ学習)。

これは、南ア政府のカリキュラム作成者が諸外国の主流となりつつある、
問題解決学習を取り入れるために行った変化と言えます。

ただ前にも書いたとおり、
GroupWorkは、各教員がその意図をきちんと把握して取り入れないと、
単にできる生徒の回答を写すだけという最悪の結果になりかねません。
(詳しくはこちら)

次に気になったのは、・IntermediatePhase(Gr.4~6)の教科数が8→6に減る。

南アはGr.4から教科担任制です。
そのため、教科数が変わるのは、現場にとっては、かなり大きな変化と言えます。

教員の数を変えずに、教科数を減らすことは、
誰がどの教科を教えるか混乱することは必至です。

これで各教員の負担減につながればいいと思いますが。

また今回は詳しく取り上げませんが、
南アのカリキュラムは、3~4年ごとに大きく変わるのも問題です。
(おそらく担当者が変わるたびに新しいカリキュラムになっているからかと。)

日本は10年ごとに教育課程を変更することで、
それぞれの教育課程の結果を分析する時間がそれなりにあるのですが、
南アのように3~4年に一度だと、分析時間も成熟期間もなく、
現場が混乱して、どうしても教育がぶれてしまいます。

ともあれ来年には変わる南アのカリキュラム。

南アの将来のために、大きな変化になることを祈っています。


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