ラインベク城館は16世紀の後半にオランダ式ルネッサンス様式で建造されました。17世紀の中頃から19世紀の後半までは当地の王家の代官所でしたが、役所が移転した時に売りに出され、その後はいろいろなことに使われて来ました。まずホテルになり、そして教会が運営する保養所になったのです。1939年にハンザ同盟都市ハンブルクが お城を手に入れてからは、〈海外と植民地における林業の国立研究所〉が城内の部屋を利用するようになりました。その後20世紀の後半にラインベク市が購入して原型に忠実な修復を施して以来、お城はこの地方の住民のための文化及び情報センターとして役立っているようです。
お城の遠景 1 ・ お城の遠景 2
お城の遠景 3
門を入って並木の登城路を歩いて行くと、レンガ造りのコの字型建造物があります。これがラインベク城館なのです。すぐ横には小さな湖があります。
登城路 ・ 城館 1
城館 2 ・ 城館 3
入場料を払うためにカウンターに行くと、どういう風に見学したいか訊かれます。ひとつは携帯音源を借りて各部屋を見学しながらお城の歴史を学ぶ。もしくは音源なしで自分勝手に見て歩く。もちろん入場料が違うそうです。私は自分で勝手に見て歩く方にしました。
階段と吹き抜け
内部の部屋 1 ・ 内部の部屋 2
内部の部屋 3 ・ 内部の部屋 4
城内には 2、3 の味わい深い小部屋の他に、コンサートや会合などに使える大小の、内装がシンプルな部屋がたくさんあります。ちょうどアンネ・フランクに関する展示会を開催しているし、立食パーティーをしているグループもいます。ラインベーク市はこれらの部屋を短期賃貸ししたり、お城の図柄が印刷された雨傘やカップを売っています。活気のある運営がなされている城館のようです。
記念品の販売 ・ レストラン
さて、お城の一角に城館レストランがあります。
特に窓ガラスに歴史を感じる、簡単な内装の空間です。モダンジャズが流れていて、若い男女の給仕が良い感じでサーヴィスをしてくれます。
まず、野菜がほんの少し入った、ほのかにトマト味がする生チーズが出て来ました。旨い。同時に供されたオリーブの実を焼き込んだパンは特に美味しいというわけではないのですが、変わっていて面白いですね。
生チーズとパン
喉が渇いていたので、ノンアルコール・ビールを特に美味しく飲みました。
前菜は、〈白色のトマトクリームスープ、ジャガイモの巣の中の海老、バジル油〉。バジル油の風味は感じられませんが、全体的にかなりの美味です。海老をひも状に切ったジャガイモでぐるぐる巻きにして揚げてあり、これが特に美味しいのです。
前菜 ・ メインディッシュ
メインディッシュは、〈イノシシ肉の焼きソーセージ、ポテトのネギ入りピューレ、肉汁〉です。ソーセージは野生臭はないものの、残念ながら肉の旨味がさほど感じられなくて塩辛いのです。でも、肉汁ソースをピューレに絡め、肉と一緒に食べると旨い。私は本当はピューレはあまり好まないのですが、、、、、。付け合わせとして茹でた根菜と生のサラダ菜が添えられています。根菜はヤワヤワやグチャグチャではなくて程よい硬さを保っているのがよろしい。さらに、上にのせた揚げ玉葱が肉にとても良く合うのです。
日曜日なので誕生会などがあり、テーブルはほとんど予約で埋まっていましたが、私は開店と同時に入店したので、混み始める頃には食事を終えました。
ラインベク城館には催し物用の部屋やホールがたくさんあって、室内の装飾や家具類はあまりたいしたことはありません。例えばコンサートか何かの催し物に参加して、その後レストランで食事をし、庭と湖岸を散歩するというのがいいかな、と思います。残念ながら古城としての魅力には欠けます。
[2020年3月]