メルツのドネルケバブログ

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旅行に行けない今だからこそ…イスタンブールのオススメ観光名所を紹介したい 3/3

2020-07-27 21:31:09 | トルコの話題

※開館日や入館料の情報は『地球の歩き方 イスタンブールとトルコの大地 2019~2020』から引用しています。実際に訪問される際は最新かつ確実な情報をご自身にてご確認くださいますよう、お願い致します。

個人的にオススメなイスタンブールの観光名所を紹介する企画。続いては「イスタンブール現代美術館」です。



■私の趣味

たまに「ケバブ以外の趣味はあるんですか?」という質問を頂きます。いろいろあるのですが、その中で「現代美術の鑑賞」があり、ケバブ遠征で海外に行くときは、時間があればその土地の現代美術館に行くようにしています。

現代美術の中で、どのジャンルが好きか、どのアーティストが好きかというのはありませんが「いま、この現代社会の中で作品を製作されている方」の作品を好んで見ています。作品自体を鑑賞して楽しむとともに、作品を通してアーティストの視点、つまり自分ではない視点から、現代社会を見ることが出来る・考えることが出来る感覚が好きです。

そんなわけで、2017年の2度目のイスタンブール訪問時に念願叶って、イスタンブール現代博物館に行くことが出来ました。

■イスタンブール現代美術館とは

日本には公立・私立を問わず、各都道府県ごとに現代美術館または現代美術を収蔵している美術館があり、またトリエンナーレ・ビエンナーレなどの展覧会も盛んに行われています。

一方、トルコでは日本ほど、現代美術を鑑賞できる施設はありません。例えば、過去の『地球の歩き方』で「イスタンブール現代美術館」の説明書きを読んでみると、“トルコ唯一といってもいい、モダンアートの美術館。”と記載されています。

イスタンブールでは、1987年「第1回イスタンブールビエンナーレ」の開催をきっかけに「現代美術館を作ろう」という数々の活動がありました。

2003年、第8回イスタンブールビエンナーレにおいて、その会場だったボスポラス海峡沿いの税関倉庫を美術館として永続的に使用できることとなり、2004年にトルコ初の現代美術館としてイスタンブール現代美術館が設立されました。



日本とトルコは、2年ごとに「日本におけるトルコ文化年」、「トルコにおける日本文化年」を開催し、互いの国の文化を紹介しています。例えば、2019年は「日本におけるトルコ文化年」として、国立新美術館などで「トルコ至宝展」が開催されオスマン帝国の財宝が紹介されました。

2010年は「トルコにおける日本文化年」として、イスタンブール現代美術館で集英社による「少年ジャンプ展」が開催されました。このように日本とも縁がある美術館です。

■おすすめポイント
-絶景


先述の通り、元は「ボスポラス海峡沿いの税関倉庫」だったイスタンブール現代美術館。つまり建物から、ボスポラス海峡の絶景が見られるのです。現代美術に興味がない方も、この点は心に刺さるのではないでしょうか。

現代美術館という独特な雰囲気から眺めるボスポラス海峡は、旧跡から眺めるそれとはまた違った印象があります。海峡に面した側にはカフェが併設されていて、腰を落ち着けて景色を眺めることができます。

-トルコの現代美術作品が見られる


日本で海外の現代美術作品が紹介されるとき、どうしても欧米やアジア圏の作品が多く、トルコの作品を目にする機会はほぼありません。この記事を書くにあたって調べたところ、2003年に「日本におけるトルコ文化年」の行事の一環として、埼玉県立近代美術館で展覧会が行われたのみでした。

ただトルコの(あるいはトルコ人の)作品だからといって、旅行者が期待するようなトルコらしさというのは、その時の展覧会の内容にも依りますが、あまりないと思います。

日本で紹介される機会がないアーティストの作品を鑑賞することが出来る。そして、新しい視点や考えを得ることが出来ることへ、個人的に意義を感じています。

-グッズが豊富
美術館のグッズは、展覧会のカタログをはじめポストカードや文房具、書籍やレプリカなどがありますが、イスタンブール現代美術館はとりわけ種類が豊富な印象があります。ショップにはメガネや鞄、財布などがあり「こんなのも?」と驚きました。

市中のお土産屋では手に入らない、イスタンブール現代美術館だけでしか手に入らないグッズが数多くあります。見ているだけでも楽しいのでショップはおすすめです。


なお、どのようなグッズがあるかはオンラインショップが参考になります。トルコ国外への発送は担当者へメールで問い合わせる必要があります。

■注意
さて、ここまでイスタンブール現代美術館について書いてきましたが、1つ皆様に申し上げなければならない点があります。

実は2018年より3年間の建て替え工事が始まっており、現在は別の場所へ一時的に移転しています。しかしながら、建て替え先は元々建っていた場所です。

ボスポラス海峡沿いにカフェ・レストラン、屋上には展望台が設けられることが決まっているので、景色自体は変わらないと判断し、記事を書いた次第です。

建て替えを担当している設計事務所は、日本では銀座にあるエルメスのビルや関西国際空港のターミナルビルを手掛けた「RPBW(レンゾ ピアノ ビルディング ワークショップ)」です。

RPBW イスタンブール現代美術館のウェブページはこちら


私たちが海外旅行を考えられるようになるだろう、2021年の完成予定です。ご興味を持たれた方はアンテナを張って頂き、イスタンブールを訪れる際には状況をご確認頂ければと思います。

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■マルシェル

私がイスタンブール現代美術館を訪れた際、コレクション展「ARTISTS IN THEIR TIME」が開催されていました。



「アーティストが、作品と自分を時間の概念の中で個人としてどのように位置付けるか」に焦点を当て、 109人のアーティストによる193作品が展示されました。海外の有名作家の作品の他、トルコの現代作品も多数展示されていました。



今回は193作品が一冊になった図録をマルシェルに出品致します。トルコ語がわからない方でも大丈夫、英語対訳付きとなっております。先述のオンラインショップでも手に入らない一冊。ぜひご検討ください。



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