牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月5日(日) 「世界文化少史②」 H・G・ウェルズ著

2014-01-05 14:49:53 | 日記

 ユダヤ人と聖書について述べたあとに続いて著者は近代世界の文化を形成するもう一つであるギリシャ文化について書いている。ホメロスの叙事詩(文学作品)「イリアス」「オデュッセイア」や最初の歴史書といわれているヘロドトスの「歴史」、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの哲学などがあらわれ、人類の精神活動や芸術活動がとても盛んになった。

 著者は、紀元前6世紀が、人類史上どんなに重要な1世紀であったかを記述している。ユダヤ人預言者の中心的人物であるイザヤが活動し、ギリシャ文化が全盛期をむかえ、インドのブッダが教えを説き(のちの仏教)、中国の孔子が教えを説いている(のちの儒教)。本書の訳者が予言者と訳しているが、これは正しくない。正確には預言者である。予言者は未来について話す人で、預言者は(神から)言葉を預かって話す人のことだ。

 そのあとアリストテレスを家庭教師にむかえたアレクサンダー大王が広大な帝国を築いた。

 著者は世界史を簡潔に分かりやすく書いているが、特に近代文化に強く長い影響を与えた事がらを中心に選んで記述しているようだ。