ほぼ衝動☆日記

戦略コンサル修行中~東京の中心でコソコソ暮らすのにはもう飽き飽きです・・・

ボトム・ビリオン

2008年03月10日 14時08分54秒 | よみもの
ここしばらく記事の投稿が疎になって、ご無沙汰をしておりました。

ひとつには、非常に忙しい時期が続いていて仕事以外の活動が低下していたということと、最近アンテナの感度が鈍くなっていて、何を見聞きしても心を動かされることが余りなかったからでした。生活の中だるみでしょうか。

僕はもともと、あえて洋書を読むタイプでは無く、日本語に翻訳されたものがあったらそちらの方が余程スピーディに情報が入手できるので、日本語の本ばかり読んできたのですが、最近は英語の勉強のために、少しずつ興味のあるテーマの洋書を読むようにしています。

The Bottom Billion: Why the Poorest Countries Are Failing and What Can Be Done About It

Oxford Univ Pr (T)

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現在世界には10億人もの貧困層がいると言われているそうですが、彼らをいかに救い出すかというテーマの本。
貧困層を多く抱えるいわゆる貧困国には、そんな状況に陥って抜け出せない原因となったいくつかの「トラップ(罠)」が存在するというのが著者の研究結果です。
こうした貧困国がトラップから抜け出して豊かになっていくためには、ただ援助するだけでは根本的な問題の解決にならず、援助のやり方次第ではむしろネガティブな効果をもたらしかねないので、もっとよく考えて様々な角度から包括的にアプローチしよう、というのが趣旨。
また、従来の援助や援助団体・組織のあり方の負の面を描いているほか、最近ではほぼ全面的に否定されつつある軍事介入についても肯定的な立場を取るなど、世間の常識に立ち向かう意欲作ともなっています。

やや理論的すぎる傾向はありますし、著者が提案する包括的なソリューションが真に実現可能なものかどうかはよく分かりません。また、「そうは言っても、目の前で苦しんでいる人がいたら援助したくなるのが人情だろう」というリアクションも想定されますが、倫理的に「正しい」行動ではなく、「結果を生む」ための行動を促す著者の姿勢も十分に理解ができるものでした。

さりとて、こういう本を読んでも、僕個人としては既存のNPOによる援助活動を(ささやかな寄付で)支援すること以外に出来そうなことを思いつかないわけですが。
コメント
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