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芦原やすえの気まぐれ便り

原発のない町つくりなど、芦原やすえの日々の活動をご紹介します。

安定ヨウ素剤もらってきました!

2017-03-05 22:21:48 | 原発
島根県は、希望する30km圏内住民に安定ヨウ素剤を事前配布しています!

あなたも受け取れます!


 原子力規制委員会は、ヨウ素剤配布に関わる解説を昨年9月に修正し、「避難経路途中に配布場所を設けることが困難である、配布体制の準備に時間を要する等の状況により避難や一時移転等の際に迅速な配布が困難と考えられる地域 や対象者等については安定ヨウ素剤を事前配布することも可能である。」と、一文を加えています。

 これ以前は、離島などに限って事前配布が可能とされていたのですが、島根県は、この規定が入る前に、規制庁に島根の地域的な事情から30km圏内住民へのヨウ素剤事前配布が必要と説明し、規制庁からは異論もなく、了承されたとのことです。

 これまでに、300人ほどの松江市民が受け取っています。5km以遠の市民は約19万人いますから、まだまだ受け取っていない市民が圧倒的です。私たち家族も12kmくらいの場所で暮らしていますので、その対象となります。申し込みをインターネット上で行いましたが、そこには条件が書いてあり、事故時に早くヨウ素剤を受け取りに行けない人たちが対象なのです。高齢者であったり障害のある方などが例示されていて、多くの市民は自分は対象とならない!と受け止めてしまいます。

 ですが、県はよほどおかしな理由を書かなければ、希望する方に事前配布したいと言います。規制委員会の説明にある記述からは、島根県の申込書に書かれている「理由」は書かざるを得ないのかもしれません。

 でも、皆さん。希望すれば受け取ることができますので、ぜひ申し込んでください。原発事故時にあなたを守るために必要です!
ちなみに、私は「万が一の災害発生時には高齢者や障害のある方たちの避難誘導を優先しますので、早く受け取りに行けません。家族も死語があり早く帰宅することができません」と書き込み、申し込みをしました。

 今日、その安定ヨウ素剤を家族分を受け取ってきました。


6月議会レポート

2015-07-31 21:17:35 | 原発
1号機廃炉でも、核のゴミ搬出先は不透明!



 国会では安保法制関連法案が衆議院で強行採決され、連日、多くの憲法学者や市民が反対の声を上げ続けています。これまで政治に対してほとんど関心も示さず、何の意見も発してこなかった若者たちが、”もしかしたら戦争に駆り出されるかもしれない”との危機感から、自ら先頭に立ち反対し続けています。安倍首相は、国民の理解が得られていないことを認め、”説明しなければならない”と、メディアに出て自ら説明していますが、国会における誰が聞いても理解不能な答弁を聞けば、この法案の危険性について理解できるはずです。だからこそ、多くの国民が反対しているのではないでしょうか。
 韓国のマスメディアが、この法案が審議されだしたころ、戦争できる国へと変貌する日本に警戒観を漂わせる記事を書いていたそうですが、連日の日本国民の抗議行動に日本の民主主義が生きているとする希望を見出す記事を書いているそうです。自民党は数を頼りにこの法案を通そうとするでしょうが、どんなことがあっても、他国の戦争に協力することが当たり前な社会にだけはしたくありません。あきらめずに、反対し続けていきたいと思います。

 さて、遅くなってしまいましたが、6月議会のレポートをお届けしたいと思います。
6月議会では、かねてからの市民の念願だった松江城が国宝指定を受けたことで、その記念事業や臨時福祉給付金などに関する補正予算を審議しました。
1611年に完成したと伝えられ、桃山初期の城郭の面影を残す松江城は、すでに国宝としての価値は高いと言われてきただけに、指定となったことは歓迎したいと思います。
 その一方で、国からの財政的な締め付けは厳しく、しわ寄せが市民生活に及び始めているのも実態です。今議会での質問では、島根原発1号機廃炉に伴って、今後、発生すると思われる使用済み核燃料の行く末について市長に糺しました。そして、障がい福祉サービス支給の現場で発生している、重度障がい者に対するサービス支給量の削減問題について質問しました。障がいのある市民は少数の方たちかもしれません。それでも、“松江で暮らして本当
に良かった”と思えることが大切なことだと思います。自らの生活が成り立つのか不安を抱えている市民の顔に、笑みが蘇ることを願って尽力したいと思っています。
 
6月議会における主な質問と答弁

★島根原発に関する質問と答弁
芦原:4月末をもって廃炉となった1号機には、使用済み核燃料722体が残されており、解体撤去に伴って低レベル核廃棄物6,255トンが発生するといわれている。
 この使用済み核燃料について、市長は「早急に再処理工場に移すと、廃炉計画の中に明記して欲しい」と述べているが、青森県六ヶ所村の再処理工場はすでに22回目の稼働延期となり、同工場の燃料プールは、ほぼ満杯状態となっている。再処理がうまくできない限り、各地の使用済み核燃料を持って行くことすらできない。また、各地の原発サイトの燃料プールも余裕などなく、仮に止まった原発が再稼働すれば、これらの原発サイトに溜まった使用済み燃料の搬出が優先される。一方で、資源エネルギー庁の説明では、「中間貯蔵施設(乾式貯蔵)」建設のための政府の取り組みを強化するともあり、こういった現実を見据えてもなお、市長は国が市長の思いにきちんと答え、確実に実行してくれるとお考えか。

市長:使用済み核燃料・放射性廃棄物については、早期にサイト外に搬出をすることが基本であると思っております。再処理工場については審査がおこなわれてということですので、やってもらわなければならないと思います。全原協総会でも、強く要請したところです。国も当然だと答えていますので、きちっとやってもらわなければならないと思っています。

芦原:国は、使用済み核燃料を再処理し、生産したプルトニウムを使って高速増殖炉で燃やすという核燃料サイクルを進めてきた。その再処理工場は22回目の稼働延期となり、高速増殖炉原型炉のもんじゅは、廃棄物の減容、有害度の低減のための国際的研究拠点と変わっている。
 高レベル核廃棄物の地層処分は、日本学術会議から「日本は、地層の安定性に不安がある。超長期に亘る安定した地層を確認することに関して、現在の科学的知識、技術的の雨量区では限界がある」と指摘されている。
 私たち人類は,数万年先の人類まで危険性と管理の必要性を伝えるすべを持っているのか。国は、地層処分地について国からの指名方式に変更しているが、指名された自治体が受け入れるとは思えない。核のゴミは浮遊し始めていると感じる。
このような中、再び原発を動かせば,もって行き場のない核のゴミを作り出すことになり、市長の懸念は現実味を帯びてくる。それでも、市長は2号機の再稼働に前向きな考えに変更はないのか。

市長:使用済み核燃料の最終処分の問題については、昨年4月にエネルギー基本計画が策定され、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する新たな基本方針が作られたわけです。国の責任においてしっかりと推進していただきたいと思っています。
 
*たまり続ける使用済み核燃料の処分方法は難しい問題であり、放置すれば島根に置きっ放しになります。この負担をできるだけ後世に残さないためにも、ここで原発の再稼働はやめるべきだと考えます。市長には、再質問として再考を求めました。

芦原:高レベル核廃棄物最終処分に関する非公開の自治体説明会に松江市は出席しているが、あまりにも非民主的手法だ。その内容は公開されるべきだ。説明を求める。

政策部長:「原子力発電環境整備機構」から6月3日に「地層処分事業概要について」というテーマで放射性廃棄物地層処分に向けた取り組みの説明がありました。また、資源エネルギー庁から長期エネルギー需給見通しの検討状況についてと高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた新たな取り組みについて説明がありました。市民説明会をどうするのかとの質問に対して、同様の資料を使って全国でシンポジウムを開いているとの答弁がありました。

★障がい福祉サービス支給決定のあり方に関する質問と答弁
芦原:障害者総合支援法に基づき、障がいのある方たちは様々なサービスを使いながら生活している。その介護サービスの支給決定に関して、昨年の4月から「支給決定基準」が設けられている。
 全面介助の必要な一人暮らしの重度の障がい者が、現に使っている生活に必要なサービス量が「運用上限」を超える場合に支給決定が行われない事例を聞いている。現に「標準支給量」という枠をはみ出してサービスを使って生活している障がい者に、“本当に必要か?”と疑いの目を向けることによって支給量を枠内に押さえたいと考えていないか。

健康福祉部長:標準支給量を原則としつつも、ご本人の状況や介護の環境、相談支援事業者が策定するサービス等利用計画を総合的に勘案し、必要に応じて標準支給量を超える支給も行っているところです。

*市は支給決定しなかった事例については全く答えていません。ですが、具体的に上限時間を一方的に告げ、それ以上は認めないというような市の対応を把握しています。そのことを再度質問で説明し、実態を検討するように求めました。

芦原:必要なサービス利用量が、標準支給量を超える場合に、市は、まず他のサービスを使うよう求めるようだが、実際の障がい当事者の状態について、ご本人や相談支援事業者の訴えに耳を傾け、確認すれば、必要なサービスを適切に把握できるはずだ。なぜ、他のサービス利用を求める前に、ご本人もしくは相談支援事業者の訴えを聞こうとしないのか。

健康福祉部長: こういった事実はございません。一方で、介護保険が利用できる場合は、これを優先して利用するよう国で定められているところです。このような場合には、他のサービスを優先するよう求めています。

*これも、市は認めていませんが、具体的な事例は把握済みです。本人の障がいの状態からは、市が勧めるサービスは全く使えないものだったものです。本人や介護者に状態を聞けば、その訴えに耳を傾ければ、自らが勧めるものが適切であるか否かはわかるはずです。上記の質問にも共通するのですが、当事者の訴えに耳を傾けない市の姿勢が、障がい当事者の皆さんの生活を脅かし始めているのです。

芦原:「障害福祉サービス支給に関する基準」の中には、特別支給量の適用について、有料老人ホームに入居している方は除外するとの規定が設けられている。外部から介護サービスを利用する住宅型有料老人ホームには、重度の障がい者の方も入居していて、介護保険を使ってもその生活を支えることが難しく、不足するところを障がい福祉サービスを使って生活を維持しているのが実態だ。しかも、介護保険で不足する部分が運用上限を超えている場合が多く、特別支給を受けなければ生活は成り立たない場合がある。その方たちが対象外となり、必要なサービスが受けられなくなっている。
歳出削減に重きを置くあまり、障がい者の皆さんの生活が成り立たなくなるような実態を見ないようにされているのではないか。障害者総合理念に反するのではないか。

健康福祉部長:厚生労働省通知において、市町村は支給決定基準を定めておくことが適当とし、障がい支援区分、介護者のありなし、他サービスの利用状況等の勘案事項を基礎に基準を設定することとされている。

*厚生労働省が通知を出していることは承知しているのですが、こういう基準を設けることで現に必要なサービスが不足するような事態を行政が招いていいはずがありません。「市は私たちに質の良いクオリテイーオブライフを諦めてもらいたいと言っているように感じる」との障がい者の言葉を紹介し、最後の質問とともに、障がいのある市民が生活に困らないために尽力するよう求めました。

中国電力データ改ざん申し入れ

2015-07-13 23:32:39 | 原発
三度目は誰も信用しない。こんな会社に原発はかまって欲しくない!



 本日は、中国電力に「データ改ざん」問題で申し入れを行ってきました。(13名参加)

 冒頭、中国電力は「心からお詫び申し上げます」と謝罪のことばを述べ、今後、第三者(第三者機関ではない)を入れて事実確認、原因究明、再発防止策を行っていきたいと述べました。
 しかしながら、一方で「組織的関与はないと思う」と決めつける発言を繰り返しており、またも個人の責任追及に終始する気ではないかと思われます。
 また、安全管理ができていない以上、2号機の再稼働・3号機の稼働に向けた手続きは中止すべきだとの要求には、「審査は審査ですから」と言い、明確な答えはありませんでした。

聞き取った事実経過
 低レベル放射性廃棄物を詰めるドラム缶は、青森の六ヶ所村の日本原燃が埋設処分するために引き取ることになっています。

6月16日~19日 日本原燃は、島根原発に監査に来ており、このドラム缶にモルタルを詰める際の水の流量を図る流量計の公正記録原本を求めた。その時
       に中国電力が用意した記録が、過去の記録を改ざんしたもので、半年に1回校正しなければならなかったところを、4回分をメーカーに委託       しなかった。(本人は「忘れた」と言っている)
        また、モルタル流量計校正データも改ざん     
       これを日本原燃に提出を求められたので、過去の記録を改ざんしたものを提出しようとした。
6月22日    事実を上司の課長が知る。
        この間、体調不良で本人から聞き取りできず。
6月25日    本人から聞き取り、確認。株主総会
6月26日    社長が知る
6月28日    緊急対策本部会議
6月29日      “
6月30日    社長、取締役 島根県、鳥取県、周辺自治体へ謝罪と説明

 *校正を行ったかどうか、その記録について、複数の社員でチェックを行う体制になっていないことが明らかになりました。
 *6月22日に課長が事実を知ったのなら、その段階で本社に伝えるべきではなかったのか、と追求しましたが、回答はありません。
 
今日の回答を聞いていて、今後出してくる『改善策』は、根本的に何も変わることはないだろうと思われます。今後も、この問題は追求していかなければなりません。 

皆様からも中国電力へ「安全管理のできない会社は原発を動かすな」と伝えてください。

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中国電力株式会社
取締役社長 苅田知英 様
さよなら島根原発ネットワーク

度重なるデータ改ざんに対する抗議申し入れ


 6月30日、貴社は、低レベル放射性廃棄物のドラム缶詰めの際の水量計測器の点検記録を改ざんしていたことを公表されました。再三に亘って安全管理を怠り、データ改ざんを続けられている現状に対して強く抗議します。
 そもそも、貴社の杜撰な安全管理は連綿と続いており、その都度原因分析と対策が示されてきていますが、なんら役に立っていないことは明らかです。
貴社は、1991年から1997年にかけて、俣野川水力発電所土用ダムえん堤の変形データを改ざんし続け、2006年まで事実を隠蔽し続けてきました。貴社はこのデータ改ざん発覚から従来の原子力品質マネジメントシステムの中に,「良好なコミュニケーションがとれる体制整備、内部チェック体制の充実、不適合管理システムの改善」を組み込む等の改善策を取ってきました。
 一方で、2010年に発覚した大量の点検漏れは運転開始以来続いていたことを示していました。問題の発覚となったのは、2006年に点検しなければならなかった「高圧注水系蒸気外側隔離弁駆動用電動機」を点検せず、使用していたことが明らかとなったことにあります。しかも、原因分析も「規制要求事項の変更に速やかに対応し、マネジメントできる仕組みが不十分」や「不適合管理の適切、確実に行う仕組み不足」「報告する文化が不足」などと、2006年とほぼ同様の内容です。
 貴社の「改善策」が、いかにうわべだけのものであったのか、安全管理意識の希薄さと事実を隠蔽する企業体質の変革が期待できないことが、今回のデータ改ざん問題でますます明らかとなりました。
 今回のデータ改ざんに対して以下の事項を要請すると共に、もはや、貴社には原発を運転する資格はなく、改めて2号機の再稼働並びに3号機の稼働の中止を求めます。

1,低レベル放射性廃棄物処理に関するデータ改ざんについて、詳細な事実経過を説明してください。
2,今回の事実を、なぜ株主総会で説明しなかったのですか。
3,データ改ざんの原因は、2006年並びに2010年に発覚した不正隠しに関する原因と全く同じであると考えますが、これまでの改善策が功を奏しなかった  のはなぜですか。
4,炉等規制法において、設置基準の一つである「発電用原子炉の運転を適正に遂行するに足りる技術的能力」に欠けると思われますが、貴社はどのよう  にお考えですか。
5、安全管理に対する根本的な対策がとれない限り、2号機の再稼働並びに3号機の新規稼働に向けた手続きは中止すべきではありませんか。 


原子力規制庁、原発廃炉措置を説明

2015-06-04 22:57:50 | 原発
 中国電力は、1号機を4月30日付で廃炉にしています。この廃炉工程では、低レベル放射性廃棄物6,255トン・使用済みの核燃料722体が発生すると予想されていますが、市長は繰り返し「敷地外へ搬出を」と言っています。
 6月4日は、その廃炉にかかわる工程について、また核燃料サイクルと高レベル核廃棄物処分に関する市議会での勉強会がありました。核燃料サイクルと高レベル核廃棄物処分に関しては、資源エネルギー庁が説明してくれました。この問題については、大いに問題ありと思うのですが、速攻で帰らねば!ということで質問すらまともにできませんでした。一言、昨日の非公開での自治体向けの高レベル核廃棄物処分に関する説明会開催に対して、私は地層処分については反対だが、どんな処理方法をとるにしても国民的な時間をかけた議論の積み重ねと合意が必要だ。これは最低限の条件だ。しかし、一昨日は「国民には知らしむべからず」と言わんばかりに非公開で行われている。おそらく各地で住民から不信感をかっているのではないか。このような形での説明会はやめていただきたいと、強く求めました。彼らは「説明会に出るだけで処分地に興味を持っていると思われてしまう。自由に発言していただきたかったので、非公開にした」と言います。これって「邪魔されたくない」と言っているように聞こえるではありませんか。この問題については、別途、書きたいと思います。
 今日は、廃炉工程についての規制庁の説明内容を中心に紹介しておきます。
原子炉の廃止措置に関しては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第43条の3の33第1項に規定されていて、①原子炉施設の解体②保有する核燃料物質の譲り渡し③核燃料物質による汚染の除去④核燃料物質によって汚染されたものの廃棄⑤その他の措置を行うことになります。島根原発より一足早く2001年に廃炉が決定され、廃止計画が提出されている浜岡原発1,2号機では、解体撤去のすべてが終了するまでに35年間かかることになっていますから、島根原発1号機もやはり同様な時間がかかるのではないでしょうか。それも順調にいっての話ですが!

 この日、規制庁が用意した資料には[標準的な廃止措置の工程」というポンチ絵が描かれています。それによると、①使用済み燃料の搬出②系統除染③安全貯蔵④解体・撤去とあります。まず、「使用済み燃料を搬出します」と明言されているのです。果たして、これは本当にできるのか?と、大いに疑問に感じます。現時点で使用済み核燃料の搬出先となるのは青森県六ヶ所村にある再処理工場です。その再処理工場は、実に22回目の稼働延期となっているのが実態です。ここでは、使用済み核燃料を切断・溶融し、プルトニウムとウランを抽出します。そして、高速炉で再び燃やすというものです。ですが、肝心なもんじゅは事故以来、止まったままです。資源エネルギー庁は、このもんじゅを廃棄物の減容・有害度の低減や核不拡散関連技術等の向上のための国際的な研究拠点にすると位置づけ、本来のプルトニウムを増殖させ自前の燃料を調達するのだという目的を放棄しています。そもそも、すでに再処理をする必要性がないのではないでしょうか?再処理工場の燃料プールはすでに満杯状態でもあり、各地の原発から使用済み核燃料を持ち込む余地などありません。現状は、”煮詰まっている”と表現した方がいいのではないでしょうか?政府は、そこを正直に語ろうとしません。あいまいにしたまま、ごまかそうとしているのです。

 この使用済み核燃料の搬出については、電力会社が作成して提出する「廃炉計画」には搬出先を書かなくてもよいのです。解体するまでに搬出できればよいのだそうで、規制庁の説明では「そこは事業者が決めることなので、計画時に決めることを求めていません」というのです。何と言いましょうか。絶句ものです。ここまで国策で強引に進めておきながら、にっちもさっちもいかない状態になったら、あっけらかんとして”事業者が決めること!”と責任放棄に等しいことを平気で言うのです。資源エネルギー庁が用意したもう一つの資料「核燃料サイクルの現状について」には、こんなことが書かれています。「使用済み燃料の貯蔵能力の拡大を進める。具体的には、発電所の敷地内外を問わず、新たな地点の可能性を幅広く検討しながら、中間貯蔵施設や乾式貯蔵施設の建設・活用を促進するとともに、そのための政府の取り組みを強化する。」(エネルギー―計画・平成26年4月閣議決定抜粋)現に、福島第一原発、東海第二で敷地内に貯蔵施設を作っていますし、今後も浜岡でも敷地内に作る予定になっています。
 どうでしょう?島根原発1号機の使用済み核燃料は、果たして敷地外に搬出できるのでしょうか?説明を聞いていた市長は、いったいいつまで敷地内に貯蔵されるのか?と聞いていましたが、明確な答えはありませんでした。この説明を聞けば、市長の求める敷地外への搬出が極めて難しいことは誰でもわかるではありませんか。市長は腕組みをしたまま黙り込んでいました。
 冒頭、書いたように、私は再処理をすることも地層処分も反対ですが、どんな処理方法をとるにしても国民的な時間をかけた議論の積み重ねと合意が必要なのです。それによって、「核のゴミ」は敷地内に貯蔵するするのか、敷地外にするのかも決めることができるのではないでしょうか。
 さて、話は元に戻ります。「②保有する核燃料物質の譲り渡し」ですが、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき、適切な原子炉事業者または適切に海外に譲り渡す計画にすることが求められています。これ、譲り渡した先で原発が稼働することを前提にしています。「海外」って、どこでしょうかね?日本が原発を売り込んだ国で使われる可能性はないでしょうか?心配です。
 「③核燃料物質による汚染の除去」ですが、いったいどこまで除去できるんでしょうか?除染の順番について、「放射能レベルの高い原子炉機器等は、5~10年の間、貯蔵し、放射性物質の量が減るのを待つ」とし、被ばく低減の見地から安全管理上の措置を講じていることを求めていますが、果たして働く人の安全がどこまで確保できるのかも不透明です。エネ庁は、この点についても法律が求める基準を守ることを求めているとしか言いません。
 そして、「④核燃料物質によって汚染されたものの廃棄」ですが、放射性廃棄物には気体状のものと液体状のもの、固体状のものがあります。気体状のものと液体状のものは、法令により薄めて排出することができます。固体廃棄物は比較的高いレベルのもの(原子炉容器など)、比較的低いレベルのもの、極めて低いレベルのもの、放射性廃棄物として扱う必要のないもの(クリアランス)、放射性廃棄物ではないものに分けています。比較的高いものと比較的低いもの及び極めて低いものは、廃棄事業者へ放射性廃棄物として廃棄するのだそうです。クリアランスレベルのものは、国の確認を受けて再利用するか産業廃棄物として廃棄することになります。これが、全体の約5%と試算されています。産業廃棄物として処分されたものの中に本当に放射性物質が入っていないのか、そこも保証があるのでしょうか?いつも問題を先送りしている国の安易な計画や説明を聞いていると、「信頼」などという言葉はかすれてしまいます。

ようやく島根原発1号機を廃炉

2015-03-18 21:11:50 | 原発
 今日は、ようやく、中国電力が島根原発1号機を廃炉にすることを島根県、鳥取県、松江市をはじめとする関係自治体に伝えました。廃止の日は4月30日です。
 私自身が全ての原発廃炉を訴えてから、すでに30年以上が過ぎます。この原発が計画された時の新聞記事はわずか数行の記事でした。「原子力」という言葉に一抹の不安を抱いたことを覚えています。ですが、この時、ほとんどの市民は何のことかわからなかったのが実態でした。それは、鹿島町の漁師さんたちも同じでした。すでに、その時代から漁獲高は減少し、若い世代が漁業を引き継ぐことは期待できない状態でした。頑張った漁師さんたちもいらっしゃたのですが、徐々に目の前に積まれたお金に心を奪われていく方が多くなっていきました。先日上映した映画「シロウオ」に登場した原発を断った和歌山県日高町の漁師さんたちのことが改めて目に浮かびますが、目の前に積まれるお金より、豊かな海の恵みを糧に生活することを選択されたことは本当に賢明だったと思います。その選択の違いを生じさせたものを考えると、豊かな海の恵みが十分に漁師さんたちの生活を成り立たせていたのだろうとも思います。鹿島の海で漁業で生活が成り立つよう、もう少し知恵を絞ることができなかっただろうかと悔やまれます。
 しかし、現実に原発を受け入れてしまったのですから、早く原発を廃絶し、安全な暮らしを取り戻すよう努力を重ねるしかありません。その島根原発1号機は、営業運転開始から40年が経過し、事故を起こした福島第一原発1号機と同じマークⅠ型でアメリカの技術者からも欠陥が指摘される原発でしたから、福島原発事故後は、なおさらのこと、早く廃炉にしてほしいと願ってきました。40年も経過してからの廃炉決定は遅かったとも思いますが、とりあえず歓迎したいと思います。
 今後、中国電力は「廃炉計画」をつくり、設置変更許可申請をすることになるため、その時点で安全協定の事前了解事項になり、自治体に申し入れを行うことになります。先行する浜岡では、「廃炉計画」をつくるまでに4~5か月かかっていることから、島根でも同様に時間がかかりそうです。
 先日、松江市長は「使用済み核燃料は敷地外へ持ち出すことが条件だ」と言っていましたが、今日は、現実的にそれはムリと考えたのか、「当面、敷地内で管理するのはやむを得ない」と語ったそうです。
 夕方からは、さよなら島根原発ネットワークの共同代表と共に島根県庁内記者クラブで記者会見を行いました。
簡単に言えば、次のようなことを述べさせていただきました。
①廃炉決定は歓迎だが、もっと早く決定されるべきで、遅かったと思う。
②40年はかかると言われる今後の廃炉工程には、使用済み核燃料をどうするのかという大きな問題が存在する。国、電力会社、自治体はもちろんだが、住民も交えての議論を経て、一番適切な方法を選択しなければならない。
(現実的に、核のゴミをお金を山積みにしても引き受け先があるのでしょうか?できたものは、処分するにしても保管するにしても、どこかに決めなければできません。国や電力会社の責任でどこかに決定したとしても、計画を持ち込まれた自治体の住民は歓迎するでしょうか。その自治体の住民は原因となった原発建設にノー!ともイエスとも言う権利がありませんでした。その結果を引き受けるいわれがどこにあるのでしょう!国や電力会社が責任を持って行うべき問題ではあっても、国民が関与しなければ各地で混乱が生じるのは目に見えています。今後解決していかなければならない大きな問題です)
③廃炉工程における作業員の被曝を避けることや安全管理を徹底しなければならない。
④1号機だけでなく、全ての原発を廃炉とすべきである。
 
そして、今後も、これらの問題を追及しながら2号機、3号機の稼働をストップさせていく運動を展開していくことを表明しました。