芦原やすえの気まぐれ便り

原発のない町つくりなど、芦原やすえの日々の活動をご紹介します。

原子力防災訓練見学

2013-11-10 18:04:56 | 日記
 今日は、島根県、松江市、中電等による原子力防災訓練がありました。
今日の訓練内容は、住民の避難訓練が中心でした。参加したのは、鹿島町、法吉地区、城東地区、白潟地区、朝日地区、雑賀地区、島根町の住民330名。そして、福祉施設は山陰家庭学園の皆さん。市内全保育所79所、市内全市立幼稚園30園、小中高55校が参加しています。
 議員7名が見学したのは住民の避難訓練です。
 島根町を除く地区の住民の皆さんは、それぞれの公民館に集まり、チャーターされたバスで県消防学校まで移動し、そこで防災学習を行って帰ります。会場にいた参加者に感想を聞いてみると、「えっ!これで終わり?こんなことでいいの?」「広報車が回っていたけど、家の中にいたら聞こえない。防災スピーカーをうちの地区にも設置してもらわないと避難できない」といった不安の声が寄せられました。
 また、島根町の住民の皆さんは広域避難先となっている奥出雲町へのバス移動でした。途中の三成公園でスクリーニングと除染を受け、避難先に設定された奥出雲体育館に到着しました。奥出雲町では、「避難先として奥出雲町はこんなに素晴らしい所」と映像を使ってPRに一生懸命でした。「小、中、高の体育館、コミュニティーセンター、温泉施設を使って皆さんを受け入れる」「通過される方にも、休憩場所を提供したい」と説明されていました。奥出雲の方々が一生懸命で気遣ってくださっているのは、この日の昼食に暖かな豚汁をふるまってくださったことにもよく表れていました。心から感謝です。
 ですが、受け入れた後、新たな住宅や病院、施設などの建設、仕事つくりと、困難な課題が待ち受けています。それを島根県も奥出雲もどこまで本気で考えているのかわかりません。”そんなことは後で考える”というのでしょうか?私には、全く見えてこないのです。
 そして、もっと厳しいことを言えば、この町は原発から50km内に入ります。もしかしたら、その時の気象条件次第では、この街の住民も避難をしなければならなくなる可能性もあります。島根町住民を受け入れている場合ではなくなります。奥出雲の町長も住民も、そんなことは全く考えてもいないような様子でした。

産直市場は小規模農業を育成する!

2013-11-07 22:13:05 | 日記
産直市場は楽しくなければ!
 10月30日から11月1日まで、松江市議会の経済委員会で長野県と豊田市へ視察に行ってきました。
松江市が大型産直市場をつくろうとしていて、どのような市場にすればいいのか、長野県の産直市場を見てきたものです。
ひとつは、松本市にあるアルプスという産直市場でした。ここは、少し郊外にあり、決して大きい規模ではありません。平成8年に設立され、当初は生産者30名からスタートし、現在は420名にまで拡大しているとのことでした。直売所の役割について「生産者が潤うこと」とおっしゃったのが印象的でした。決して生産者を犠牲にしてまで安くは売りたくないとの言葉に皆、納得でした。消費者の「おいしかった」との声を生産者に届けることで生きがいになる!そして、多くのマーケットが売れ残った野菜を全て持ち帰ることを要求する中、この市場は「それは生産者がやる気をなくす」と言い、売れ残ったものを加工場で加工品を作り、販売しているとのことでした。
 もう一つは、伊那市にあるグリーンフアームという産直市場でした。
ここは、市街地から8kmも離れた高原にぽつんと立っているプレハブの小屋のような市場です。こんなところに人が買いに来るのか?と思ったのですが、狭い店内には客がひっきりなしに入って来ます。運営されている方のお話を聞くと、当初60人だった生産者は、現在2,150人の登録となり、1日平均1,500人から多い時で3,850人がレジを通過するのだと言います。売り上げも3年前から年商10億円になっています。すあっふも3人から65人と雇用を増やしています。
 ここも、いかにして生産者の生きがいとなるかに心を砕いていらっしゃるようでした。何でも売り、売上は毎週、現金で渡し、生産者の意欲を高めるようにしてきたといわれます。また、売れ残りは持ち帰ってもそのまま置いていても良し。生産者が自分で判断するとのことでした。そのため、生産者はグリーンフアームに来るのが楽しみだと言われます。
 二つの産直市場は、どちらも生産者の懐をいかにして温めるか心砕いていました。それもTPPが対象とするような大規模農家とは無縁のじいちゃん、ばあちゃん、主婦の皆さんが楽しみで作った農産物です。もちろん、小規模ですから、これだけで食べていけるわけではありません。年金などに加えての現金収入です。運営者の熱い思いと生産者の生き生きとした野菜づくりが消費者にも伝わり、ここは「楽しい場所なんだ」ということが良く伝わってきました。じいちゃん、ばあちゃんが生き生きと農業をやっている姿を息子たちが毎日見ていて、定年を迎えた時には「自分がやるよ!」と引き継いでくれるのだと言います。
 また、規則づくめの運営は生産舎のやる気をそぎ、結局、失敗に終わるということも学ばせていただきました。松江市内のどこでどんな産直市場をつくるか、全く決まってもいないのですが、TPPの世界とは真逆の小規模でも確かに生きていく農業が拡大するようなものができればと願っています。


豊田市の取り組み 豊田市は、トヨタがある城下町です。近年、工場が全国に拡散していくために、自動車産業だけでなく、新しい産業の創出が必要となってきたために、人材育成と技術者を育成する支援事業を行っています。松江市もものづくり支援に取り組んでいますが、この街とは環境が違い過ぎると感じました。工業系大学が8校もあるのです。しかも、今年度までは文部科学省が補助金を出していますが、次年度からは豊田市と商工会議所が資金を出し、運営していきます。
 また、エコタウンのモデル地区を運営していて、ここも見学してきました。家庭の電力消費の見える化による省エネシステムはなるほどと思いましたが、水素による車の運行などは、はたしてエコなのか?根本的にエネルギー消費を削減する取り組みとは違うのではないかと、少々違和感を感じて帰ってきました。